デリダ 言葉を撮る
6月24日
並木の銀杏の青い実が落ちていた。
見上げると、小梅ほどの実がもうぎっしりと生っている。6月には実って、半年ほどもかけてじっくりと熟れていく。銀杏の実は茱や桜桃や桑の実よりずっと粘り強い。幹の根元からは、まだ新芽がうねりながらどんどん伸びている。
鵜飼哲さんにいただいた「言葉を撮る」を読んでいる。デリダが出演した映画をめぐって、「そのエジプト人女性監督と共に著した唯一の映画論にして哲学への招待状。」とあるこの本は、自分が映画に撮られた時の葛藤とトラウマを烈しく想起させる、まさにその内容である。
「つねに、私、(役者)は、映画の外にいると感じていた、「私」について映画が見せるあらゆるもの、「私」から構成されるあらゆる者に、疎遠であると感じいていたということも理解させるべきであるだろう。」「それも、この巧みな構成(映画のエクリチュールの構成のことだが、私はそのどんな部分にも、どんなときにも関与していない。このことをけっしてわすれないでいただきたい)が、衝撃的な、あるいは疑問の余地なき真理の印象を生むかもしれない場合でさえ、おそらくはそのような場合にこそ、そうあるべきであるだろう。」 一人の盲者に関する複数の手紙=文字 デリダ
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- ヒヤシンスの絵 / FODMAP 、ブレンダー 野菜ジュース(2025.03.26)
- 彦坂尚嘉さん個展・ART FAIR TOKYO 19 (2025)(2025.03.12)
- 南雄介さんに絵を見ていただく (2025.02.01)
- 谷川俊太郎さんのこと(2024.11.20)
- 二匹展 6日目(最終日)の記録(2024.11.11)
「哲学」カテゴリの記事
- Sさん宅の猫、下北沢 / 上村忠男さん(2023.12.21)
- 眼から入ってくるもの、脳の疲労と意識、銀座奥野ビル(2023.05.23)
- 鵜飼哲『いくつもの砂漠、いくつもの夜 災厄の時代の喪と批評』(2023.05.14)
- もうすぐ個展 / 上村忠男先生からのメール(2022.09.21)
- デリダ『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』、動物の哲学(2021.10.05)
「文学」カテゴリの記事
- ジャン=リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy )の訃報(2021.08.27)
- 画集にのせる文章、かかりつけ医の反応(2021.08.24)
- 癌(肺の粟粒状転移)の定期検査と『マルテの手記』(望月市恵訳)(2021.03.08)
- イタリアからの友情の奇跡、次の本(画集)と絵について(2020.08.27)
- 室井光広さんの訃報 / 吉田文憲ラジオ「土方巽」特集(2019.10.07)
「映画」カテゴリの記事
- ギャラリー / 新宿(2025.03.02)
- 『燃ゆる女の肖像』(2024.12.31)
- 『アデル、ブルーは熱い色』(2013)、『水のなかのつぼみ』(2007)(2024.12.30)
- 二匹展 6日目(最終日)の記録(2024.11.11)
- 伊藤ゲンさんの個展(2024.08.21)
「本」カテゴリの記事
- 本のための絵の撮影 桜ほぼ満開(2025.03.28)
- ヒヤシンスの絵 / FODMAP 、ブレンダー 野菜ジュース(2025.03.26)
- 個展 7月 / 次の本の制作 / 体重減少(2025.03.25)
- 次の本の編集 / 詩人のTさん / 少し気持ちが落ち着く (2025.01.23)
- 次の本のための絵の撮影(2024.12.24)
「デリダ」カテゴリの記事
- ギャラリー / 新宿(2025.03.02)
- デリダに関するエッセイ/ 東京画廊(2023.09.13)
- 鵜飼哲さんと打ち合わせ / 絵の額装(2022.01.19)
- 猫の絵、動物の犠牲について、デリダ(2018.12.22)