Film 録音
7月29日 7月30日
Stefanは、携帯のブザーが鳴ってもなかなか起きず、何回もスヌーズをかけて寝ている。結局夕方の5時まで起きない。電源をすべて彼のPCに貸しているので、そのあいだ私はPCを見ることもできない。とにかく電源だけ付け替えてくれ、と起こせばいいのだが、私の性格上できない。
やっと起きた彼が言うには、きのうの撮影後、卒論の準備(プログラミング)を朝までやって、そのあと朝7時から9時まで友達と飲みに行っていたと言う。ちょっと呆れてしまう。
そしてすぐに6時からまた武道関係の飲み会。11時半に上機嫌で戻ってくる。ちょっと、動物に関しての会話の録音をしたいと言ったら、これからすぐまた、イギリスの友人と12時からい1時間送別会と言う。じゃあ、待ってるから、と言って送り出したらとんと戻って来ない。そのあいだ、私としては、ここで寝てしまったらもう録音のチャンスはないと思い、疲れで吐きそうになりながらも起きて待つ。
3時頃また上機嫌で戻ってくる。私と飲むためのビールを買って来たから、と、てんで気楽。私はすごく胃の調子が悪いので、冷たいお茶を飲んでいる。録音するが、Stefanが酔っているので、会話がかみ合わない。彼はサッポロ生を飲み、それからトイレに行き、外のベランダにアメリカンスピリットを吸いに行く。一緒にベランダに出るときれいな朝焼け。5時を過ぎていた。映画俳優のようなシニカルでとびきり美しい仕草で、私に煙の輪を作って見せた。
マンホールのデザインを見て、スマイルしてる顔みたいだと笑っている。自分のところは癌の家系だから、煙草は卒論が終わったら止めるんだ、と言う。卒論(プログラミングとその理論)は、あまりにストレスになりすぎる、と。
それから、私に裏逆、表逆(武道の受け身)の技を教えると、ハイになっている。腕をつかむと痛いから止めて、と言ってもきかない。すごく楽しそう。そして、ビール、トイレ、たばこ、技の順で3回繰り返す。結局、録音は(内容が)失敗。大量に飲むと彼はどんどん性格が明るく豪胆になる。この世界全部が彼の遊び場のよう。普段の、無口で繊細で上品でインテリで、近寄りがたい感じとは違う。何にもこだわりがなく、ただ、このLifeを謳歌するのだと言う。改めて、彼はすごく若いのだと感じる。私のような何もかも(社会生活順応的にも、身体能力的にも)が不自由な人間とは違う。エネルギーが有り余っている。
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