ルイ・フェルディナン・セリーヌ
4月30日
30日になったのか…きょうは祝日?世間のゴールデンウィークの日にちなどがまったくわからない。昼間、町に人が多かった。
最近、近くの医者からは、サクロフト、タイプロトン、アテネントイン、ロペラニール、コレポリー、コロネル、(以上胃腸関係)、マイスリー(睡眠薬)、レキソタン(動悸が激しいとき)を出された。
それでなんとか、ずうっと止まらなかった下痢と嘔吐がやっとこさ止まって来て、睡眠薬初体験も、なるほどいつもより体全体がだるくなる感じで、少し深く眠れた(?)ような気がする。それと、立ち上がれないときも、ちゃびがずっと顔のところにくっついて寝ていてくれた。
毛利先生のことを思うと、喪失感で、精神が崩れそうになるが、それでも私自身は、全く宗教もイデオロギーも天国も信じない人間で、いわゆる「スピリチュアル」関係のものが全く大嫌いで、ジンクスも験担ぎも興味なし。宇宙と一体になるとか、宇宙のエネルギーがなんたら、霊がなんたら、とか言う人も大嫌い。パワースポットとかパワーなんとかも大嫌い……自分で何かを描くなり、書くなりするしか立ち直る道はないと思っている。(まあ、親友に泣き言をいうくらいは許してもらいたい。)
ここ数日、セリーヌを読んでいて、彼の誠実さは、ものすごく慰めと励ましになった。
「ほんとうの憎しみってのは、そいつは底の底から来るんだ」「こういう憎しみはひとをぶち殺す。他にもまだ根の深い憎しみがあるだろう、そういうのはいつまでも消えずにそこらじゅうを漂うだろう。浸み込んで大地を毒すだろう。もうそこからは邪悪だけしか生えてこない、死者たちのあいだにも、人間たちのあいだにも。」 (なしくずしの死)
「戦争みたいな問題でも、本質に到達するのは容易なことじゃない、幻影はなかなか退散しない。」 (夜の果てへの旅)
「ローラは、要するに、幸福と楽観のたわごとを並べ立てていただけのことだ、人生の恵まれた側に、特権と、健康と、安泰の側にいる、そしてまだまだ長生きできる見込みのある人間はすべてみなそうだが。」 (夜の果てへの旅)
「魂というものは、肉体がぴんぴんしているうちはその装飾にもなれば快楽にもなる。」「世間のやつらは、二つの態度のうちそのときどき自分に都合のいいほうを身につける、それだけのことだ!」
「真相の中に僕はしんまで漬かりきっていた、それどころか自分の死に一歩一歩あとを付けまわされているようなものだった。」 (夜の果てへの旅)
「勉強は人間を変え、人間に誇りを授ける。人生の底まで踏み込むためにはこいつをくぐり抜けなくちゃだめだ。それまでは、ただまわりをうろつくだけだ。解放されているつもりでも、なんでもないことにつまずく。想像が勝ちすぎるからだ。言葉の裏を見抜けない。」
「相手を商売人と承知して近づくときに感じるこのい本能的嫌悪感、これこそは誰にも何も売りつけたことのない人間が自分の貧乏な境遇にたいしてせめても抱き得る慰めのひとつといっていいだろう。」
「美しいふくらはぎを眺めることと、できればそれを撫でてみること、それをこの男は人生無上の喜びの一つに数えていたのだ。」「たとえその男がどれほど偏狭な俗物であるにせよ、要するにこのピュタの奴も芸術家のはしくれだったのだ。」 (夜の果てへの旅)
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