« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月

2012年5月24日 (木)

デッサンの基本 第13刷り / ロートレックの挿画(ジュール・ルナール『博物誌』)

5月21日

「デッサンの基本」(ナツメ社)第13刷りの重版決定。

第12刷りのお知らせをいただいたのが3月だったので、増刷が早くて驚きました。買ってくださった方、本当にありがとうございます。

この本を読んで、自分の心惹かれるものを鉛筆で描いてみることに興味を持つかたがあったり、描く過程で何か参考にしてくださることがあれば、本当に嬉しいと思います。

「絵画」「絵」というものにはいろいろなやりかたや考え方があり、「デッサン」「素描」「スケッチ」という言葉にもいろんな考え方、とらえ方があると思うが、私は年齢を重ねるにつれて、ますます「ものをよく見ながら鉛筆一本で線を引く」というやりかたに惹かれる。

自分と「もの」との関わりの時間の中で、記憶を鮮明にし、そのものを自分の中に持ちたいという欲求から、より端的で直接的な方法に収斂していくように思われる。

ロートレックの挿画(ジュール・ルナール『博物誌』)の模写 L’ Escargot かたつむり

Sdsc06962

ロートレックの挿画(ジュール・ルナール『博物誌』)の模写 L’ Ane ろば

Sdsc06968

ロートレックの挿画(ジュール・ルナール『博物誌』)の模写  Les Lapins うさぎ

Sdsc06964

ロートレックの挿画(ジュール・ルナール『博物誌』)の模写  Le Chien 犬

Sdsc06963

余計なタッチがなく、生命の表情を端的にとらえるロートレックの動物画に強烈な詩情を感じる。力強い線と消え入りそうに細いあえかな線。隅々までオールオーヴァーに描かれていないことに、対象が生きて動いていること、運動や息づかいそのものが描かれていることを感じる。

見て模写した本は岩波文庫の『博物誌』。ルナールの『博物誌』については、「観察に基調をおいた、簡素で、対象をありのままに描く芸術をめざす」ということについては共感するところがあったが、それでも狩りの描写や動物の死の描写など、まだまだ人間中心的な部分は身体的に耐えられなかったので飛ばして読んだ。これについては、またあらためて書こうと思う。

5月23日

母がFでの一か月の生活を終え、本日退所。リハビリのおかげか身体の右への大きな傾斜は改善されたように思う。しかし、記憶の繋がり方は自宅にいたときよりも悪化した。タクシーで家に着いてからはまた会話が戻ってきた。

朝8時過ぎに起床して母を迎えに行き、実家で世話をしてから3時過ぎに新宿へ。疲れてのどがからからに乾き、西新宿のセンタービルの蕎麦屋に行ったが準備中だった。

本当に大切なことだけに集中していきたい。母の介護と自分のやるべき仕事のほか、煩わしいことすべてを切り捨てたい。

|

2012年5月21日 (月)

味戸ケイコさん個展 / 罌粟、薔薇

5月19日

味戸ケイコさんの『夢違』(恩田陸の新聞連載小説)挿絵原画展を見に銀座のSAgalleryへ。

294点あった。これはほしい、と思ったものは2点とも売約済みだった。青緑がかった銀色の雲の切れ目の中に入っていく少女のスカートと足だけが見えるもの、ブランコに揺れている少女の影が地面に映っているもの。味戸さんに聞いたら、ブランコのほうは作者蔵とのこと。

生で見ると、ていねいに重ねた鉛筆のタッチの肌合いがよくわかる。薄暗い懐かしい記憶を呼び起こしてくれる淡い光と影。

味戸さんは茶色のワンピースの胸に、野の花の小さな花束をつけていた。細い銀のシリンダーのような、水を入れて生花を挿せるブローチ。初めてお会いした時から少しも変わらない。静かで清楚で濃やかな雰囲気の少女のようなかた。

閉廊時間を過ぎ、そのあといくつかの馴染みの画廊を見に行ったら、いくつか無くなっていた。銀座も刻々と変わっている。

5月20日

母の洗濯物を取りにFへ。その前にお気に入りの場所で植物と遊んだ。

花弁のふちが黒紫のレースになった枯れかけの薔薇が美しいと思う。

Sdsc06917

俯いた薔薇の顔(かんばせ)。
Sdsc06935

秘密の花園。

Sdsc06919

萎れかけたジャーマンアイリス。

Sdsc06870_2

衰微とともに曲線に表情が現われるジャーマンアイリス。
Sdsc06874

茎からねばねばした液を分泌するムシトリナデシコの蜜を吸う揚羽。

Sdsc06931

この場所はひっそりとして、日本じゃないみたいに感じる。

Sdsc06940

Sdsc06942

ゴジュウカラか、きれいな声で鳥が鳴き続けている。

Sdsc06943

Sdsc06944

花弁のふちが黒紫になった雛罌粟。
Sdsc06953
群れの中で、枯れかけた花の美しさばかりに目が留まる。

Sdsc06954

雛罌粟の朱の花弁の上に散り零れた黒紫の花粉を見ていた。

Sdsc06952

|

2012年5月 8日 (火)

日隅一雄 連続対談第六回 宮台真司 模擬コンセンサス会議

5月8日

日隅一雄 連続対談第六回 ゲスト宮台真司 模擬コンセンサス会議「原発存廃」。

前回行けなかったので今回は岩波アネックスに行こうと思っていたが、PMSの頭痛、腰痛で行けなかったのでニコ生で見る。

http://www.ustream.tv/recorded/22442403

今回は日隅さんと宮台真司氏の対談ではなく、特別企画、模擬コンセンサス会議であったが、模擬の原発存続の専門家役(パネラー)の江藤貴紀氏がちょっとたどたどしく、途中で笑い出したりしたのでニコ生のコメントが騒然となったりした。

江藤貴紀氏は、調べてみると、実は事故後いち早く行政訴訟を起こしたすごい人らしい。昨年3月に東京大学法科大学院を卒業し、4月7日には訴状を提出したとある。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/09/news014.html

途中で笑いが抑えられなかったのは自分の信条と逆のことを訴える演技をしているのが気恥ずかしくなってしまったのだろうか。

宮台真司氏は市民パネルのいくつかの設問の会議の後で意見を述べた。専門家パネルの言う残余(未規定)のリスク、ブラックアウトと原発災害では、どちらが制御可能か。日本以外の国ではどの電力、どの電源を買うのか選べる、ピーク時をずらすと割引があるなどの供給メカニズムがある。すぐにでも発送電分離しないと、ほかの発電事業者が参入できない。短期的にこの夏を乗り切るかについても、ピークをずらすインセンティブメカニズムによってかなりやれる。経産省の出してくる計算ベースは現在の産業構造を完全に維持する場合の計算であり、ナンセンス。発送電分離をし、皆がディマンド・リスポンス型の行動をするようになれば産業構造も変わる。社会がどう変わるかを考えて損得を考えるべき。というような話。

梓澤さんの話。原発をどうしても廃止したいという気持ちは、福島の人たちの犠牲の上に自分たちの生活が成り立っていることが許せない、という良心のありかたである。原発は犠牲を織り込み済みのシステムである。

模擬コンセンサス会議の結論。

「原発存廃については廃止すべきである。その理由は、電力供給量、不足量のデータの信用性を判断することは難しい。そもそも電力が足りるか否かの議論は、原発存廃に直結する論点ではない。足らす努力を社会全体ですべきである。

代替エネルギー確保は実績がなく、省エネ社会への産業構造の転換も容易ではないが、エネルギー構造を変えれば、産業構造も変わらざるを得ず、原発を廃止すれば経済成長も止まるという鵜呑みにはできない。

再稼働の是非については、技術的、科学的側面だけでなく、倫理的、感情的な側面を検討して判断すべきである。その際、私たちは福島の現実のことを忘れてはならない。」

8時40分くらいに日隅さんと宮台氏の感想。日隅さんは、腸の狭窄の痛みがひどく、あまり一般には知られていないリリカという疼痛に効く薬を始めたそうだ。副作用の眠気がきついと書いていたが、きょうは声が元気そうでよかった。

宮台氏の話。コンセンサス会議の基本目的は科学の民主化である。専門家にまかせないこと。有識者会議はどういうメンバーを選んだかで役人たちの計画したシナリオどおり99パーセント決まる。未規定なリスクに対しては「センティメント」が決めるのでよい。原発の未規定なリスクについてゴーというのは無責任すぎる。

5月7日

飯田橋の警視庁遺失物センターへ。失くしものは見つからなかった。

そのあと神楽坂を散歩。映画館飯田橋ギンレイホールは、入場料が高くなっていたがまだあった。学生のころ一人で2本立て映画を見に来た。寺山修司の映画を見ていて痴漢にあって一瞬ぞーっとしてトラウマになったり。ギンレイホールの裏にはくららというポルノ映画館。「女囚さそり」のポスターが貼ってあった。

神楽坂に横に走る細い細い脇道。

うねる階段の途中の塀の上にいた可愛い猫。神楽坂にふさわしいしゃれた着物の布の紐を首に巻いている。

Simgp3626
人なつっこく、撫でるとすりすりしてくる。

Simgp3619

赤城神社の近くから牛込のほうまでずっと真っ直ぐ伸びる坂道。

Simgp3629

若葉、若草が匂う横道。後ろに見晴湯の煙突。

Simgp3636
坂が終わり、大通りに出るまで歩いた。大通りは情緒のない広い道。新潮社の横を回り。飯田橋の駅まで戻った。昭和40年代から残っていた古い家並は破壊されてマンションになっている。
帰宅してから私が外出すると淋しがって大騒ぎするちゃびをたっぷり抱きしめた。

Sdsc06855_2

|

2012年5月 6日 (日)

2012脱原発杉並(高円寺)デモ / 西早稲田

5月6日

第2回脱原発杉並デモ。今回は祝原発ゼロデモである。

3時半頃から3回ほどゲリラ豪雨。雹まで降る暴風雨に見舞われる中、みんながんばっていた。

先頭はオープンカーに乗った素人の乱の松本哉氏。

Sdsc06825

オープンカーに続きピエロや楽器演奏隊。
Sdsc06827

大きな龍。
Sdsc06828

Sdsc06829


Sdsc06830
トランペット隊の中に小さな少年を発見。かっこいい。

Sdsc06832

高円寺らしく、手作り感いっぱいのデモで、お年寄りや小さな子供が参加しているのが最高。

Sdsc06836

Sdsc06837

賑やかに高南通りを高円寺駅へ行進。いろんなお店の人たちも道に出て見ていた。

Sdsc06839

高円寺駅を回って去年4月10日の初めての高円寺デモの集合場所、南口中央公園へ。

Sdsc06841

Sdsc06842

南口中央公園で、祝ゼロ原発の旗の前で「NO NUKES !」のカードを持つ少年。このあとすぐまた雨が降り、風が吹き荒れた。

Sdsc06845

Sdsc06844


この後、高円寺駅北口に移動。そこで福島瑞穂さんたちの演説があった。簡単に原発停止になったわけではなく、皆の反対活動の努力のおかげで、やっと原発全機停止までこぎつけることができたということ。ここから再稼働させないように、皆で頑張って行こうということ。

私はデモに参加したり、署名をしたり、ほんのわずかな活動しかしていないが、もっと自分の生活を犠牲にして反対運動をしている人達もいることを想像すると頭が下がる。

原発をテーマにしたアートに協力(無料奉仕)してくれ、と海外のギャラリーから言われたとき腹が立って堪らなかった。安全なところにいて何か良いことをやっているふり、アートの名を借りた押し付けがましい記号に、お金と貴重な時間を割いて偽善的な協力はできない。ささやかでもデモに参加して声を上げるほうがよっぽど役に立つ、と言ったら、それはアートじゃないと言われて喧嘩になった。

デモに参加もしないで作品の中に安易にNO NUKEの文字を入れる人間も嫌いだ。

私の尊敬する芸術家は皆、高い社会的意識を持っていた。だからこそ自分の作品の中に悲惨な現実からの収奪は決してやらなかったと思う。

高円寺のデモは自由な格好で、一緒にただ歩くもよし、写真を撮るもよし、途中参加も途中退場もよしで、押し付けがましくないところが素晴らしい。高円寺に住んでいて本当によかったと思う。

5月2日

母の洗濯物を取りに西早稲田へ。

私の好きな黒い八重のチューリップが散りかけ、花弁がカールしているのが美しいと思う。雨に打たれて鴉の羽のように光っている。

Simgp3590
塔柱に黒紫のすじがはしるチューリップ。

Simgp3595_3

チューリップの枯れかけた自然のかたちに惹かれる。

Simgp3596

薔薇の萼のぎざぎざと反り返る曲線に惹かれる。

Simgp3599_4

花弁の巻きの中心が二つある薔薇。

Simgp3601_6


今回初めて母がお世話になっている施設では、きょうのフロアの現場担当のAさんははとても感じがよい人だった。4月28日に行ったときのフロアの3人の女性は、「母の様子はどうでしょうか」と尋ねたとき、非常に不愉快そうな対応をしたので胸が痛くなった。本当に、ただその人の普段の性格によるのだと思うが、優しい人とそうでない人の差が激しい。最初の日の担当だったOさんときょうのAさんは、申し訳ないくらいに親切。

早稲田通りの古い喫茶店らんぶる。数年前までやっていたようだが今は廃屋。早稲田通りもすっかり変わってしまったが、ここだけが昔の情緒をたたえ、廃屋でも残っていてくれるのがありがたいと思う。

Simgp3603_6

喫茶店らんぶるのとなりの私の好きな階段。罅割れた階段の隙間から生えているハコベ(繁縷)やタンポポ(蒲公英)。普段は黒ばかり着ているがこの日は母のために明るい色の服を着ていた。

Simgp3606_7

|

2012年5月 1日 (火)

高円寺 大道芸

4月29日

毎年恒例の高円寺大道芸。気取りがなく、押し付けがましくなく、通りがかる人を釘づけにして魅惑してしまう彼らの生きざまを見るのが好きだ。

Sdsc06798

上気した真っ白な美肌を露出して身体芸を見せるセクシーDAVINCI。

Sdsc06723

美しさとセクシーが売りだが、身体の柔軟性と機敏さでダンスも歌も魅せる。

Sdsc06725_5

話術に魅せられて、うんと笑わされて、お札をあげた人はいっぱい(?)。

Sdsc06732

フランスから来た金色の巨人、Dark Krakou(ダークラクー)。美術として外観もいいが、身体能力がすごく、帽子などを自在に操ったり逆立ちもして見せたのが素晴らしかった。

Sdsc06770

Sdsc06772

駐車場で逆立ち。路上でないと大きさがわかりにくいがかなり衝撃的。

Sdsc06782


Sdsc06786_3

あやつり人形師の、あさ鼓。これは獅子舞。

Sdsc06789_2

猫のトランペッターが哀調を帯びた曲を奏でる。

Sdsc06796

駅前でトリをつとめるFUNNY BONES。これは箒にまたがって空を飛ぶところ。イギリス人のクリスは言葉でなくパントマイムでしゃべるのが絶妙にうまく、笑わせながらどんどん盛り上げていく。

Sdsc06800

ふたりで巨大ゾンビになってのコント。多いに盛り上がる。

Sdsc06804_3

Sdsc06806_5

このパペットも顔が素晴らしい。フィナーレを飾るにふさわしい達者さだった。

Sdsc06808

FUNNY BONESが終わり、北口に移動。

Sdsc06814

オオトリを飾るショーは中国雑技団。掛け値なしの失敗は許されない演技。

きょうは風が強い。
Sdsc06813

強い風にあおられながら、天空まで積み上げられた白い椅子の上でゆっくりと優雅に動き、ぴたっと最後の技を決めた。

Sdsc06815_2

4月28日

廃屋。かつて小さな子供が遊んだおもちゃ。プステ・ブルーメ(たんぽぽの穂綿)。今年は咲くのが遅かった春女苑。鬼田平子。籔枯らし。

Sdsc06762

今年最後の普賢象。滑り台の上に上って撮った。

Sdsc06759_4

|

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »