枯れたチューリップの素描 / スイカズラの素描
8月21日
今年の3月に買ったチューリップのカサカサになった状態の素描(クリックすると拡大されます)。
萎れてしまっても、パロットキング、エステララインヴェルト、フラッシュポイントなどのかたちの良いものを何本かとっておいたもの(シバンムシがわくので注意)。
2Bの鉛筆(uni)一本で描いた素描。

葉や花びらの捩じれのニュアンス、ちゃんと見なければ描けないものに注意を払って描いた。
HBの鉛筆(uni)一本で描いた素描。

これもHBの鉛筆(uni)一本で描いた素描。何ひとつ自明なもの、すでに知っているものなどない、と描いてみてはじめてわかる。
最近魅せられた素描は、アンニーバレ・カラッチ(Annibale Carracci1560-1609)の「樹と根に浸食された川岸」のペン画。
カラッチは、Agostino Carracci、Ludovico Carracci とともにカラッチ一族と呼ばれ、マニエリスムと写実とも一線を画したらしいが、この樹と根の素描は、彼らのどのタブローともまったく異質な、異様に惹きつけるものがある。
アンニーバレは、これを確かに見ながら描いた。この不思議に捩じれて絡まり合い怪物のようなひとつの塊となった自然を、どうしても描き残したかったのだ。
8月22日
前田英樹先生から岩波現代全書『ベルクソン哲学の遺言』が送られて来た。私なんかに送っていただいて申し訳ない。真摯に読ませていただきます。
もう10年以上も前になるのだろうか、立教大の前田先生のベルクソンと絡めてセザンヌ、ジャコメッティ、マチスを学ぶ授業を聴講させていただいていた。セザンヌのサント・ヴィクトワール山をプランで描くやりかたとベルクソンの「持続」についての考え方のくだりが難しかったのを覚えている。
・・・・・
母の夕食介助に施設Eに行く。
8月8日より持参した薬がなくなり、ドネペジルと抑肝散を止めて、メネシットのジェネリックと胃の薬だけになっているが、思ったより傾眠もなく、調子は悪くなさそう。
きのう37,7度の熱があったそうだが、冷やしたらきょうは平熱だそうだ(たぶんこもり熱)。
廊下のテーブルで母に食べさせていたら、TVで藤圭子が飛び降りたニュースをやっていた。私の生家から歩いて5分くらいのマンションなのでびっくりした。
デビュー曲「新宿の女」の時の事務所が西新宿にあったそうで、ここ数年はその当時の思い出の西新宿に住んでいたらしい。
楳図かずおの『おろち』の中の「血」で、おろちが薄幸の流しの少女になって歌い歩くシーンや、もりたじゅんの「しあわせという名の女」の主人公の幸という「怨歌」歌手は、あきらかにデビュー当時の藤圭子がモデルと思われる。とにかくすごく魅力的な歌手だったのに。
それから胸が悪くなる汚染水漏れのニュース。たいへんな過酷事故だ。
8月25日
夕方、阿波踊りの喧騒から離れるように阿佐ヶ谷の方へ歩いて行った。2,3日前までの息もすえないような熱帯夜が嘘のように、涼しくなってきていた。
「赤いトマト」でピザを食べた。この店はたぶん70年代からあるのだと思う。昔のテーブル、ノーマン・ロックウェルのポスター、煤けたオリーブオイルの缶、地味で落ち着いたジャズの調べ。飾り気がなくてレトロ(昭和)な空間が落ち着く(ちょっと前まではインベーダーゲームが置いてあった)。ピザも今主流のナポリ風ピザではなく、六本木ニコラス(70年代に初めて日本でピザを始めた店)風で、チーズが多いのがお気に入り。
狭い遊歩道を戻る。
毎年、5月の半ばに、大好きな忍冬(スイカズラ)の花が咲き乱れるを楽しみにしている破れた塀の一角。蔓は生い茂り、葉は青々としていた。
なんと、8月なのに2本の枝に花が咲いていた。おおよそ6月には花が散っているはずなのに。一本は白い(銀)花の枝。もう一本は黄色い(金)花の枝。
よく見るとほかにも小さな莟がついている枝があった。2本の枝を連れて帰って、さっそく素描した。素晴らしい香り。
金銀花(スイカズラ)の素描。左が白い花、右が黄色い花。HB(uni)

いつものマルマンのスケッチブックの紙がなくなってしまったので、有り合わせの紙に描いたら、やや粉浮きしてHBでも濃いめに色が出た。
花弁は筒状で、先の方は上下2枚の唇状に分かれ、上唇はさらに4裂。
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