言葉、詩について / 樹の上の眠り猫(チェシャねこ)
5月2日
言葉について、詩について友人と話したことの備忘録。
友人Aの言葉。
「「解剖台の上での、ミシンと傘との偶発的な出会い」 以後、無意識が解放されて以後と言ってもいい、 詩は、極めて修辞的な態度になった。それは、身体を空っぽにしたいという態度であり、ものを見ることがすでに何ものかになる人間は稀である。言語化できないものに躓きながら、何かを書く人は非常に少ない。」
友人Bの言葉。
「無意識が解放されて抑圧が無くなり、超自我がなくなり、誰もが何をやってもいい、やりたい放題でただ自分を認めろ、と駄々をこねる赤ん坊になった。グループをつくり、お互いに甘えあい、許しあうようになった。」
「ブルトンがいた時はまだ指針があった。皆が大人として扱われていた。今は規範がなくなり、自己正当化のためにおつむを使う人たちがいる。」
「格差社会はますます広がり、普通の生活が脅かされている自分たちにとっては、まったくどうでもいい話。」
5月1日
3月からずっと整理している膨大な昔のネガの一部をデータ化したもの(StrageDisc)ができたのでヨドバシカメラに取りに行く。
三井ビルのオーガニックカフェで食事。ここは、とても静かでいい場所なのだが、夕方なのでほとんどおかずがなくなっていた。
4月30日
高円寺大道芸の日なのだが、強烈な日差しと人混みを避けて、人がやっと通れるようなひっそりした細い裏道を通って、阿佐ヶ谷のほうへ歩いて行った。
懐かしい明治牛乳のポストを発見。かすれてきれいな空色だ。
阿佐ヶ谷の商店街に抜ける暗渠に、樹が覆って陰をつくっているところがある。向かって左は胡桃の樹で、その隣が梅の樹。
問題はこの梅の樹のほうなのだが・・・・。
阿佐ヶ谷にある(改装されてだいぶ変わったけど、それでもまだ)70年代の素敵な感じたっぷりの「赤いトマト」で、懐かしい(日本に初めてピザが入ってきた時の生地のタイプの)ピザと コーンサラダを食べた後に、この道を引き返すと、
なんと、梅の樹の上に 悠々と眠るチェシャ猫がいたのである。
ごろにゃぁ、ぐるぐるにゃぁ、と声帯模写で鳴いて呼びかけると、しっかり眼があった。
けっこう大きな梅の樹で、そうとう高い枝にいるので、まさかとは思うが、どうか寝ぼけて落ちませんように。
この遊歩道には、これまた懐かしい「かけはぎ」をやっている洋服センターがひっそりとある。
私の憧れだった素晴らしい桜の古木と蕗の薹が茂る庭がある古い平屋の家が重機で崩されていたので大ショック。
さらにこの道の先、私が毎年必ずチェックしている忍冬(スイカズラ)の花が咲いている場所、壊れたブロック塀から旺盛に外に触手を伸ばしてくる忍冬の群生が、刈られていたので大ショック。
夏になるにつれて強い忍冬の蔓がめげずに生成していきますように。
4月28日
一か月前から薬をTからMに変更。それで楽になるのを期待していたのに大量出血。頭ががんがんして首を動かせない。眼窩の縁と眼の奥もすごく痛い。とにかく苦しくて何もできない。
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