出版四賞パーティー
11月18日
今年もFと集英社出版四賞のパーティー(帝国ホテル)へ。
ストール、ブラウス、スカート コート、靴まで全部古着。
今年もFが仕事で遅れて来たので、授賞式は最後のスピーチと受賞者の花束贈呈のところだけ出席。ぎりぎり間に合ったので掲載誌はもらうことができた。
そしてビュッフェ。私はぺスコベジタリアンなので、毎年、魚介の前菜が楽しみ。特にウニとカニとアワビ。お寿司もおいしかった。
テーブルに勝手に肉の皿を置いていかれるのを断固拒否。こちらの会話がとぎれさせられるし、食べ物をとる時も邪魔なので、いい加減にパーティーコンパニオンは廃止してほしい(学生時代には私もこのバイトをしていたけど、今はそういう時代じゃないと思う)。
Fには席に座っていてもらって、私がちょこちょこと二人分の好きな食べ物を運んでくるのが楽しい。逆に私は人が食べ物をとってくれたりたり、取り分けてくれたりするのが嫌いだ。
Fも私も肉とお菓子を食べない。食べ物で相手に気をつかわなくていいことは私にとってすごく楽。
Fと会うと、話すことがいっぱいあるので、いつも弾丸のようにしゃべっている。文章のこと、絵のこと、人との関わりの質のこと、動物との関わりの質のこと。
次の私の画集にのせる文章に関して、絵にあう(植物についてなどの)文章でなくても、自分の気持ちが一番のって書ける内容を書けばいい、とFは言ってくれた。
私は表面的で当たり障りのない話をしてくる人がすごく苦痛で、核心的な話しか興味がない。Fにはいきなり核心の話をできるので、私は無味乾燥な会話をしている焦燥にかられることがないので嬉しい。
いつも私がなにに全身を動かされているか、どんなことにすごく苦しむかについてFはよくわかってくれているので、なにを話しても、ちゃんと重みのある対応がかえってくる。
最近、心底思うことは、なにに夢中になるか、なにに嫌悪を感じるか、根源的なところで話が通じる人に出会えるのは奇跡だということ。
心が通じる人は数回会っただけで通じるし、通じない人は何十年つきあっても無理だ。
普段は着ることのないアンティークレースのブラウスを着たので記念撮影。
夜も明るい日比谷花壇のウインドウの前で。日比谷公園では菊花祭りで、たくさんの屋台が出、混雑していてた。
かわいい桜の花が狂い咲きしていた。ソメイヨシノではない。暖かい夜だったのでお濠のほうへ歩いた。
お濠には二羽の白鳥がゆったり泳いでいた。暗くて写真には写らなかったが、闇の中に優雅な生き物がひそんでいたことにどきっとした。
しーんとした夜の都会の水際はカメラを通して見ると余計に美しかった。
柱頭がライトアップされている東京商工会議所の重厚な建物。
納戸色の空と光が反射した銀杏と、車の入れない、人もいない空間がすごく幻想的で素敵だった。
毛利武彦先生の「首都風景」や「秋映」という絵を思い出す。銀杏が金色に光るこの時期に都会の風景がしんと静まりかえり、違和を感じるほど見知らぬ場所になる、このはっとするような変容に惹かれたのだろう。
反対側に東京駅。幅の広い道路と冷たい空気。ドイツやイギリスに行ったときの感覚がよみがえる。高円寺の細いミクロコスモスの路地も大好きだが、都心の冷たい風景も好きだ。
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