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2017年4月27日 (木)

クロアゲハ 菫 牡丹  母のこと

4月23日

17日にも、母が夕方から熱を出したと施設から電話があり、心臓がどきどきしたが、座薬により、次の日には熱が下がったとのことで、またもたすけていただいた。

去年と同じように牡丹を見せに、母を近くのお寺に連れていきたいと思い、おとといぐらいから、母の体調を施設に問い合わせていた。

今朝、副施設長から、「最近は痰がらみが多いのと、夕方に熱を出すので、朝10時前に短い時間なら外出可能」という電話をいただいた。

皆が一番恐れていることは、痰がらみ(おそらく、パーキンソンで喉の筋肉がこわばっていることも原因のひとつ)で窒息することで、私もそれが怖かった。

母本人が、外出したいと私に言っているわけではないので、無理して連れ出しても、私の自己満足のために、危険が増すだけかもしれないと思い、車椅子で連れ出すのを諦めた。

夕方に、去年、母と行った寺に寄ってから、母に会いに行った。

去年と同じ場所に咲く、濃い紫の花で尖った葉のスミレ。私も母も大好きな花。

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お寺の牡丹は黄色い花のほかは満開だった。

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去年も魅せられた珍しい斑の牡丹。
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ふくよかで甘い薄紫の牡丹。

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母は、最近、傾眠と喉のこわばりが強くなってきて、食べられる量が減ってきている。

高齢で、パーキンソンで、もうそんなに長く生きられないことは自然なことで、肉親との別離も、たぶん親との別れの経験が幼少期だったりして、思い出せないような人もいるので、誰にでもあることなのだが、母が死ぬのが怖くて、胸が締め付けられ、身体が震えるような感じがする。

私は親しい人の死に、ものすごく苦しむ。そういうことにすごく弱い。

他人の感じ方を私が把握できるわけではないので、私が特に激しいとはいえないのかもしれないが、大切な人の死を知った時や、お葬式などの場面で、私は泣き過ぎて吐いたり、全身が痛くて、苦しすぎて卒倒しそうになったことが何度かある。

悲しみが強い身体的苦痛になり、全身がおかしくなるのだ。

感情の奔流にのまれやすいのだと思う。母もそういうところがあった。母もすごく涙もろかった。

母に認知症が少しずつ出てきて、介護するようになってから、ある日、母をショートステイに送って行くタクシーの中で、母がふとしゃべった。

「親が決めた結婚相手がいたのよ。近所の真面目な大工の人。その人と一緒に東京に出されたの。でも好きな人ができて飛び出したの。夜、鞄一つ持って、新橋の駅で。」と。

情熱的で激しいところが、私は母に似たのだ。

それにしても、田舎育ちで地味で生真面目な母が、駆け落ちまでして惚れた相手が、一見、ものをよく心得た優男だが、実は異常なほどわがままで、ギャンブル依存で浪費家で、母や私を殴る蹴るしていた父だ。

今になっても、父のようなろくでもない男に母が惚れないでくれていたら、と思うこともしばしばだ。

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東中野から中野まで、線路沿いの道を歩く。去年の立ち枯れの植物が私は好きだ。たくさんのことを思い起こさせてくれる。
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アスファルトの割れ目から、旺盛なタンポポ。
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そしてすごく美しいものが静かにそこにいた。

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クロアゲハ。弱っているのだろう。けれどストローのように伸びた口はしっかりタンポポの花の中に突き刺さっていた。
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ほとんど緑にかわった桜。まだ花びらが舞っていた。

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夕焼けに向かって錆びた線路が伸びていた。子どもの頃、無性に遠くに行きたかった気持ちがよみがえる。

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空地へと続くハルジオンの咲く細い道。なにか未知のものがひそんでいそうな片隅の風景。

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4月22日

西新宿で私の幼少期から母と親しくしてくださっていた遠藤さんの絵手紙の展示を見に、新宿中央公園のギャラリーへ。

遠藤さんの米寿を祝う絵手紙「新宿花の会」のかたたちの作品。

「新宿花の会の頼れるお母さん いくつになっても向上心持ちつづけている貴女のように年を重ねたい」「どなたにも気づかいが半端ではない人」などという言葉が贈られている。

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遠藤さんの日美絵画受賞作品(於国立新美術館)

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遠藤さんは、本当に米寿とは信じられないほどお若くて(実年齢より20歳くらい若く見える)、とても頭の回転が速くて、温かくて、聞き上手で、素晴らしい人だ。少しも押し付けがましくなく、相手の心によりそってくださる。私よりずっとエネルギッシュなかただ。

私の母とはもう会話ができない状態なので、遠藤さんを、もうひとりの心の母のように思っている。ずっとお元気でいてほしい。

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