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2018年3月30日 (金)

フィギュア世界選手権2018

3月30日

フィギュア世界選手権の録画を見返してのメモ。

宇野昌磨。右足の怪我をおしてのオリンピックと同じ構成。

始まる前は気合がはいりすぎなくらい高ぶっているようにも見えた。

1回目のジャンプの痛々しい転倒、さらに2回目のジャンプの転倒を見た時は、これからどうなるのかと胸が苦しくなった。

演技後半にはいり、訴えかけるような男声歌唱とともに、もう一度落ち着きを取り戻し、大きく豊かに感情表現。

閉ざされた扉を叩くような仕草と、祈りの声のような女性合唱とともに、滑りはどっしりと力強さを増し、ラストに向けて曲とともに大きなうねりのように盛り上がっていく驚異の精神力を見た。

ラスト3本の渾身のジャンプは鮮やかに力強く決まった。

演技終了後には、ここまで苦しそうにはあはあと肩で息をする宇野昌磨を初めて見た。よほど力を振り絞って体力を消耗したのだろう。

トゥーランドットは、ほぼ絶望に閉ざされた苦境にあえて立ち向かい、そこを切り開いていく勇気に燃えた若者の物語だから、イタリアでこの曲を、この状況で演じることには特別な意味があったのだろう。

フリーでは誰も予想できなかったほどトップ選手たちが陥落する波瀾万丈の展開となったが、最後まで集中を切らさずに気力を振り絞った者が勝ち残った大会となった。

最終的には3枠を勝ちとれてほっとした宇野昌磨の笑顔はもちろんだが、五輪で悔しい思いをしたネイサン・チェンとミハイル・コリヤダの、表彰台でのとても嬉しそうな笑顔が見られてよかった。

メダルセレモニーでのアシスタントの女性たちのクラシックで艶やかな衣装も素敵だった。ルネッサンス期の衣装の再現だそうだ。(イタリア在住のChinamiさんによると、ミラノのスタイリスト、ステファニア・パリジーニ率いるアトリエ「魔女と妖精」により制作されたそうだ。)

白い薔薇、フリージア、スイートピーなどの中に紫のヒヤシンスを混ぜた花束も、訪れたばかりの春の透明な光のように祝福していた。

ミハイル・コリヤダはやぼったさも含め熱情的で愛嬌もあり、憎めない魅力がある。

ネイサン・チェンはクールで上品。彼はもっと凝った踊りをできるはずの選手だが、現ルールのなかで、彼はジャンパーとしての自分の最高の達成を選び、今回、それを勝ちとった。

そして3人のお互いをリスペクトし合い、切磋琢磨し合う清々しさに心を打たれた。

それぞれ強烈な魅力を持ったトップ選手たちの中でも、やはり宇野昌磨は芸術的側面(私にとってそれが側面であったことなどはないのだが)が際立っていると感じる。

宇野昌磨は曲の壮大なドラーン(ドラマ)と一体化して激しく大きなうねりを起こす能力を持っている。

腕をただ振り回すのではなく、常に空間のダイナミズムとの照応が直観的になされているのが素晴らしいと思う。

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