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2020年5月 8日 (金)

自転車、西新宿、中野区本町、細い猫道

4月26日

新宿まで自転車で届け物。風が強い日。

山手通り近くの、私の幼い日の記憶のままの土手にもう一度行き、登ってみる。この草ぼうぼうの崖は、当時は何かが潜むようにどっしりと高くそびえていた。

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鼠色のセメントの上のギザギザ。歪み。罅割れ。黒カビのはえた青磁色の大谷石。ザラザラ。僅かな土から旺盛に伸びる草たち。それだけで私の遥か昔の、個人的な質感と触感の記憶が充ち満ちて、内側から皮膚が張るようにピリピリ汗ばんでくる。
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決して幸せな幼年時代だったわけでもなく、幼い頃に戻りたいという懐古でもないのだけれど、ごく個人的な原初の(絵につながる)身体感覚を確かめたい欲求がある。

この土手の上の、母に手を引かれて入った小さなアパートの場所は、今は坂の下の道から見えるマンションになっている。

そのマンションの向いには空き地で、赤茶色に錆びた鉄の扉。大谷石とブロックの塀も、昭和40年代からずっとそのままの様子。塀についた表札に「新羽衣第二アパート」と書いてある。すぐ近くの羽衣湯(銭湯)と関係ある土地・・?

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その先に進むと、西新宿5丁目につながる平坦な道はなく、小山をくるっと一回転して初めに登った坂の隣の坂から下るしかない。小さな山としてここだけ完結している不思議な地形。

元来た坂を下りる時、あまりに急で、荷物を載せた古い自転車が滑り落ちそうで怖くて、両足をつきながらとぼとぼ降りる。

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私が5歳の頃、母の手を握ってこの坂を下りる時、すごく怖がって足がすくんで泣いた・・・ふとそんな記憶がよみがえる気がする。

それから、神田川から始まる細い暗渠の道を始まりから終点まで辿った。

途中に、先日も来た「はっぴいえんど」の1stアルバムの『ゆでめん風間商店』撮影跡の看板と柳橋にちなんだ柳の木がある。

柳の木の向かいの古いアパートの屋根に茶白の猫がいた。

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暗渠の正面に見える高層マンションが「シティタワー新宿新都心」(福山家が昔お世話になっていた吉野湯跡に建つ)。

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暗渠の中の蔦に絡まれた古い家が花屋になっていた。
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暗渠の道を方南通りに出るとすぐ横に「西新宿5丁目駅」。方南通りを渡り、果たしていまだに存在しているのか確かめたい裏道があった。

駒ヶ嶺病院(現在は介護付有料老人ホーム「ねむの木」)の横から清水橋交番の方へつながる細く薄暗い猫道。幼稚園くらいから小学生の時、ぞくぞくしながら通った道。

片側がすっきりしてしまったがその道はまだあった。きょうは逆から辿る。

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正面左に都庁のビルが見える。昔はもっと細くて鬱蒼と暗くて、この道をすり抜けていくのが大好きだった。隅にドクダミがはえた黒く苔むした塀は私が幼稚園の時から同じ。
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西新宿から十二社通りを新宿中央公園の縁に沿って進む。角筈区民センターの前を左折。

中央公園の子ども広場は、4月19日に見た時は子供で賑やかでびっくりしたが、きょうは遊具すべてに緑色のネットが張られていて、人が少ない。

5月2日(土)

きょうも所用で西新宿の福山家へ自転車で行く。

山手通りを渡り、いつもの私の好きな土手の下の道に入ると、野良猫が3匹いた。まだ若い(2ヶ月くらい?)。耳がカット(避妊手術のしるし)されていないのを見るとすごく悲しくなる。

いつもの土手よりも山手通りに近いところの、さらに細い坂を登ってみる。

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細い尾根の道は直角に山手通りに続く。煤けた簾のかかった古いアパート。

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この高台は私の思い出の小山のてっぺんと連なる尾根のはずだが、小山の頂点から行き来できない構造になっている。

崖下の家に降りるための古い階段がある。使用しているのだろうか

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羽衣湯の横を通り、この日も暗渠を辿って行くと、なんと「はっぴいえんど」の『ゆでめん』(撮影跡)の建物の向いの八百屋さんが、営業していた。店内から楽しそうな音楽を流していた。私が中学生くらいからやっている八百屋さんだと思うが・・。

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・・・・

財布の中に入れていたカード類(免許証、病院の診察券など)がないことに気づいたのはおとといの夕方。

室内を捜すが出て来ず、今日、怖々警察に電話すると、「届いている」と。

「え~?!!」と声に出てしまった。すぐに自転車で受け取りに行く。

拾ってくださったかたは連絡先を知らせない選択をされたということで、必要事項だけが見えるように四角く切り取られたグレーの紙で拾得者住所氏名部分を隠してあった。

このコロナ感染の恐ろしく不安な状況で、他人のカードを触ったり警察で書類を書くのも怖かったでしょうに、本当に申し訳ない。拾って届けてくださったかたには心より感謝を申し上げます。

落とした場所はいつものスーパーの店内のようだ。

 

 

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