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2020年6月 3日 (水)

ジョージ秋山さん / F

6月1日(月)

ジョージ秋山さんが5月12日に亡くなっていたというニュース。

とても淋しい。

もうずいぶん前になるが事務所でお話しした。床にずらーっと同じ銘柄の空の酒瓶が並んでいた。40~50本もあるように見えた。

若い編集さんに「ウイスキーですか?」と聞くと、「ジンです」と答えたような気がする。

子供の頃に読んだ『現約聖書』がすごく強烈だったことをお伝えした。

金持ちの若旦那が、好いた娘が見ている前でみすぼらしい乞食に恵んでやる。娘は「なんて心の優しいかた・・」と若旦那との結婚を決意する。乞食は若旦那に感謝して涙を流す。しばらくして若旦那が病に倒れたと噂に聞いた乞食は高い山に薬草を採りに行き、何度も崖から落ち、瀕死の状態でやっと手にした薬草を届けに行き、お屋敷の前で息絶える。若旦那は「汚い乞食が死んでいる。さっさと片付けなさい。」と召使に告げる。

これほど残酷な話を小学生が読むまんが雑誌に書くとは・・・ショックだった。大人になって思い出せば、どこにでもある、しかしだれも直視しない当たり前の〈リアル〉でしかないのだろうが。

あの日、私に「絵を描くなんて、暗闇を手探りで歩くようなもんで、ものすごく苦しいだろうな。」といきなりおっしゃったジョージさんが忘れられない。

そのあとだったか、ジョージさんの奥様が癌で亡くなられて抜け殻のようになってる、と(「少女コミック」編集長だった)山本順也さんからうかがった記憶がある。

そして私のところにジョージさんから宅急便が届き、開けてみると奥様のために買った鮫の軟骨の健康食品が入っていた。ありがたくいただいた。

映画『美しき諍い女』のVTRを送ってくださったこともあった。画家のモデル(マリアンヌ)役のエマニュエル・ベアールの巨大に張ったおしりが、ジョージさんの描く女のようだと思った。

・・・

深夜12時すぎにFさんから電話。Fさんの次の本の装丁を私に頼みたいという。それと私の絵を50万円から100万円で買いたいと。

Fがなにか夢見ているようでおかしい。昔の記憶ばかりが鮮明で、今現在の現実感覚や問題意識が希薄。明らかに感覚も鈍麻していて以前の明晰さがない。

ここ何年も、Fが私との約束を反故にし、こちらがどんなに連絡しても無視して電話にも出ないで、しばらくすると少しも悪びれずに電話してくる神経が理解しがたく、私の強いストレスになっていた。

私の展覧会に来なかったことについて謝りもせず、あるいは弁解もせず、今になって平気で私の絵を買いたいと言う。私のことを生涯で最高に才能を感じる人だと言う。

耐えられなくなって、あれだけ待っていたのに展覧会にどうして来てくれなかったの?展覧会で新作を見てもらうことほど嬉しいことはない、それを無視しておいて今更なんなの、と責めてしまったが、F本人は記憶にないという。

私が本を作る時にも、自分から手伝うと言いだしておいて急に一切の連絡を絶ったり・・、今まで不気味すぎてはっきり聞けなかったけれど、なぜそんな不誠実なことをするのか、と問い詰めると、自分でもわからない、思い出せない、自分の行動が不可解だ、と言う。

恐ろしいことにFは、ここ数年の私に対する自分の言動を記憶していなかった。今日、私に強く問い詰められなければ、Fさんのために私が酷く傷ついていることを、F自身が知ることもなかった。F自身は昔から何も変わらず、私と信頼関係があると信じ込んでいた。

私は、Fの私に対する態度が酷く変わってしまったのは、もう私の才能を認めていないから、私に関心が無くなったからだと思っていた。そのことは私にとって酷く惨めで悲しいことだったが諦念するしかないと思っていた。

ことの次第が呑み込めなくて、私自身、困惑して朝7時まで眠れなかった。ビールを飲んでやっと寝た。

昼になり、共通の友人にそのことを話すと、「それは怒るようなことじゃない。Fは自分が鬱状態の時のことを覚えていない。乖離症。記憶障害。」と言われた。

夕方、Fに電話して、昨日の話を覚えているかと聞き、私が話すことをメモしてほしい、きちんとメモして数日後に忘れていないか確認してほしいと告げた。

それから、昼間友人が言っていたことを伝え、「鬱病、あるいは認知症、アルツハイマーの前段階。とにかく脳の活動が著しく抑えられていると思う。」ともはっきり告げた。

そして話しているうちに、はっと気づいたのは、Fさんが常用している睡眠薬も関係あるのではないかということ。

ゾムビデム。「脳の活動を抑える」。「精神症状や意識障害が起こる危険性がある」「もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状)」と副作用に注意喚起が追記された薬。

重大な副作用に

離脱症状 、 薬物依存 、 反跳性不眠 、 いらいら感 、 精神症状 、 意識障害 、 譫妄 、 錯乱 、 夢遊症状 、 幻覚 、 興奮 、 脱抑制 、 意識レベル低下 、 一過性前向性健忘 、 もうろう状態 、 服薬後入眠までの出来事を覚えていない 、 途中覚醒時の出来事を覚えていない 、 呼吸抑制 、 炭酸ガスナルコーシス 、 肝機能障害 、 黄疸・・・などなど記載されている。

確かにFさんの言動が私に理解できないほどおかしくなったのは、睡眠薬を飲み始めて少ししてからだ。おそらく年齢に対して薬物過剰摂取で、日中も十分に代謝されずに残っているのではないかと思う。

鬱自体が脳の活動を抑えられた状態であり、(鬱だから苦しくて不眠になり、睡眠薬を飲むのだが、)さらに睡眠薬が脳の活動を抑える。結局認知症と似た症状になる。

とりあえず糖質、揚げ物、添加物をなるべく摂らずにたんぱく質と野菜を多く摂ることをすすめた。おいおいナイアシンやメラトニン、DHAなど、不眠や不安、脳に効くサプリを送ると。

薬をやめる方向に持って行ったほうがいいと思うが、私は経験者ではないので、離脱症状についてはよく調べないとまだわからない。

 

 

 

 

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