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2023年10月

2023年10月27日 (金)

個展開催中 新高円寺駅すぐのGALLERY工にて

10月26日(木)

きょうもいろんなお客様がいらしてくださった。

最初のほうにいつもメールでおしゃべりしてくれるAちゃん。気取りのない友達が来てくれてほっと一息。

イタリアの現代思想の紹介で著名な、私が感動したアガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの――アルシーヴと証人』を訳された上村忠男先生、シモーヌ・ヴェイユの思想から現代への鋭い問いかけをされている今村純子さんと。

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今村純子さんはずっとお会いしたかったかたで、今村さんも私のブログを読んでくださっていたと知ってびっくり。

しかも私を知っていただいた最初が、映画だったと知って本当にびっくり。

美術評論家の中野中さんと。
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谷川俊太郎さん事務所の川口恵子さん。

肺の手術の時に猫2匹を預かってくれたSさん。Sさんはうちの3匹の命の恩人(拾い主)。

6時50分くらいになり、ひとりでビールを飲んでいたらお客様が来られた。誰かわからなかったが、芳名帳へのサインを見たら美大でのI先輩だった。

ご案内をお送りしたS先輩からメールで私の個展のことを知らされたという。

お顔ははっきり覚えていたが年も離れていてあまり深く話したこともない先輩が、ご案内ハガキに書かれていた私の病気のことを心配してわざわざ個展を見に来てくださったので感激した。

何十年も時を経て、いきなり心を割ってお話できていることが信じられなかった。

10月25日(水)

個展初日。

最初に私よりずっと年上だが美大の懐かしい同級生が来てくれた。恩師のお葬式以来、10数年ぶりに再会。

彼の絵は私とはまったく違うタイプの絵(性格もまったく違う)なのに、私が自分で一番気に入っていて非売にしている絵をぴたりと当てた。

「こういう画面から血の滲むような感じ。体質だと思う。そこが毛利先生に似ている。」と言われた。

荻窪の古書店のNさん。とても長い時間、熱心に見てくださり、絵の感想をくださった。

そしてかな書道の先生。「ひとつのことを徹底してやり続けるのはすごいことね。」と言われた。

『戦争と児童文学』(みすず書房)の著者、繁内理恵さんと友人のぱせりさん。繁内さんとも初対面だがいろいろお話を伺って感激。

もう何十年もお会いしていない美大のU先輩も。容貌はすっかり貫禄になられていたが、絵に対する気持ちは変わらず。

卓球のおともだち。(私は、肺の手術後半年は卓球は無理、と主治医に言われていたのだが、1か月後には痛む傷口を左手で押さえながら卓球に復活していた。すごくへたなのだが、卓球をやっていると癌のことを忘れられるので。)

画家の伊藤ゲンさんに花かごをいただいた。

夕方に鵜飼哲さんとみすず書房の尾方邦雄さん、筑摩書房の大山悦子さんが来られた。

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みすず書房の尾方さんは、鵜飼さんがみすずから出された論文集『いくつもの夜、いくつもの砂漠』に、私の仕事について鵜飼さんが論じた文章が、私の絵とともに収録されることになったときのご縁で。

(収録されているのは、私のエッセイ集『反絵、触れる、けだもののフラボン』についての文章と画集『花裂ける、廃絵逆めぐり』のための文章の2本です。)

筑摩書房の大山さんは、もうすぐ、ちくま学芸文庫として刊行される鵜飼さん訳のジャック・デリダ『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』の巻末に付される、私が書かせていただいたエッセイの担当編集さん。

ちなみに、今回の個展のタイトル「応鳴、息の犇めき」は、そのエッセイのタイトルから借り受けてきています。

鵜飼さんはこのあと芸大での「イスラエル・ハマス戦争をめぐる討議vol. 01」に向かわれた。

ポルトリブレで知り合った絵描きの太田国穂さんも。「わびさびは金属が錆びるのと同じ語源だと思う。人間も錆びる。さびは出そうと思って出せるものではない。錆びを持っているというのはすごいことだ。」

10月24日(火)

GALLERY工で個展の設営。

たいへん難しかったが、午後3時過ぎに足利市立美術館の篠原さんがいらして、プロのワザで設営を手伝ってくださった。

数多い小品の位置決め、写真の展示の方法や位置決め、照明の調整など、今まで数百の展示をやってきた篠原さんの手慣れた要領でどんどん進んだ。

まさか公立美術館の学芸員さんに個展の設営をやっていただくとは思わなかった。心より感謝。

 

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2023年10月13日 (金)

ギャラリー工

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10月25日(水)~11月3日(金)

12:00~19:00 最終日は17:00まで

丸の内線新高円寺駅からすぐ(JR高円寺駅からだと10~15分くらい)のギャラリー工で個展をします。

私は全日在廊する予定です。よろしくお願いいたします。

10月5日(木)

ギャラリー工へ。展示「birds」を見る。鳥をテーマにした木工、テキスタイル、陶器、鍛金の作品たち。

オーナーの始さんに、なんと車椅子のお母様を乗せて車で足利市立美術館まで私の展示を見に行ってくださったと聞いて驚く。

google検索では車で1時間半の距離と出るらしい。9月の連休で道路が混雑していたそうで恐縮。

足利は遠いので、私の友人、知人のかたたちは誰も行けなくて当然と思っていたのに、

詩人の飯島章さんとそのご友人、最近知り合えた声楽をやっておられるカナさんとそのご友人、大学時代の友人のアイコちゃん姉妹、陶芸家の新井さん、そしてギャラリー工の濱田始さんとお母様、拙著『反絵、触れる、けだもののフラボン』を読んで私を知ってくださったFさまとご友人

・・と、約11名は私のためにわざわざ見に行ってくださった。信じられない、本当にありがたいことです。

10月11日(水)

ギャラリー工へ。スペースが足りなくて絵の全部を展示しきれない可能性が高いので、窓の上にどうにかして展示できるかなどの確認。

窓に重ねてフェンスを取り付けて飾ることを試みたが、実際にやってみるとどうもあまり美しくない。

毎日、まだまだ作品を作って(破壊もして)いるので、どれだけの点数を出せるのかはまだ未定。

 

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2023年10月10日 (火)

沢渡朔さん打ち合わせ / 高須賀優さん個展

10月4日(水)

沢渡朔さん事務所へ。個展に展示する沢渡さんに撮影していただいた写真のプリントについての打ち合わせ。

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元のポジフィルムから現像した写真では植物の繊細な表情が明確に出ているが顔は白く飛んでいる。

ポジフィルムをスキャンしたデータでは植物は暗い靄の中に沈んでいてよく見えない。

沢渡さんの感覚をお聞きして、あとはアシスタントの塩原さんにPCで微調整していただくのにおまかせする。

どれをA3に伸ばしてどれをA4にするか。

ピンの使えないコンクリの部分にどうやってプリントを貼り付けるか。

・・

4時半くらいに終わり、四谷3丁目のサイゼリヤで軽く食事してから、神楽坂セッションハウスの高須賀優さんの個展「現れる人物 旅のクラウン」へ。

装丁家のかたたちがいっぱい集まっていらした。

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私が持っているのは高須賀さんの空き缶に描いた油絵「現れる人物」。この作品がとても素敵でした。

サイゼリヤで1杯だけ飲んだワインの酔いが1時間後くらいに回って来て、顔が真っ赤になって恥ずかしかった。

手術前にひと月近く断酒したら本当にお酒に弱くなった。

そしてちょっと出かけただけでどっと疲れて、夜9時には眠くてだるくてたまらない。

10月6日(金)

明日から土日、そして月曜は祭日なので郵便の配達が遅れる。

個展のDMはがきにメッセージを書いたり、あるいは封書の手紙を書いたりするのをずっとやっていて、大部分を金曜に発送するのでくたくたに疲れた。

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2023年10月 7日 (土)

鎌ヶ谷総合病院での癌の定期検診

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10月25日(水)~11月3日(金)丸の内線新高円寺駅からすぐのギャラリー工(こう)で個展をします。

9月29日(金)

鎌ヶ谷総合病院での定期検診。

昔、私の甲状腺癌と副甲状腺を含む頸部転移を切除した浅井先生(元国立がんセンター頭頸科部長)への近況報告。

3月に国立がん研究センター中央病院で右肺中葉の摘出をしてからは、甲状腺刺激ホルモンの血液検査、肺のレントゲン、脳のMRIなどはすべて国立がん研究センター中央病院に引き継がれて、もう浅井先生に検診してもらうのは頸部の触診しかないのだけれど、

3月に治療をどうするか(手術か放射線か抗癌剤かなど)を国立がん研究センター中央病院のチームで話し合っていただいた時も、元主治医の浅井先生の右肺中葉摘出手術という意見は鶴の一声だったと想像する。

私がまだ奇跡的に生き続けていることは浅井先生のおかげが大きいので、まだ元気にやっていることを報告し続けたいと思う。

「またかなり忙しくて・・・今は栃木の足利市立美術館で展示をしていて、何回か行っています。」とご報告すると、「今度は栃木ですか!」と笑われた。

「そのあと10月末からまた個展があって・・」と言うと、

「何度も言っていますが、がんばりすぎないこと、ストレスをかけないこと。夢中になると疲れを忘れてしまう性格だから」と。

思えば今まで、ドイツに行って、イタリアに行って、本を作って・・いつも卒倒しそうになるくらいまで気を張ってがんばりすぎて、先生もいい加減いつも同じ警告を繰り返さざるをえないことに苦笑気味。

根を詰めすぎると癌が進行する危険がある、と言うと少し抽象的だが、

必死でがんばりすぎると甲状腺刺激ホルモンが大量に脳から出て、それが直に私の甲状腺癌を刺激して肺の粟粒状転移を大きくするということ。

これは事実なので、見えない身体の中のことをリアルに想像しないといけない。

最近、気を張りすぎてすごく疲れている。

9月27日に足利市立美術館に行った帰りには、頭がもうろうとしてお気に入りの上着を(たぶん電車で)失くしてしまった。

この29日の鎌ヶ谷からの帰りの電車でも眠りこけてしまった。

最近はずっと、朝、7時頃に目が覚めた時、寝違えたわけでもないのに、首と肩がすごく痛い。朝、起きた時に一番身体が痛いのは異常だと思う。そのあとに肩を遠赤外線パックで温めてもういちど眠っている。

 

 

 

 

 

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2023年10月 3日 (火)

足利市立美術館での展示 最終日

10月1日(日)曇り一時雨

足利市立美術館の特別展示室での個展、最終日。

2時半頃に美術館に着いた。篠原さんは学芸員トークの最中で、3時過ぎにお客様たちと降りて来られた。

篠原さんが丁寧にコレクション展の作品解説をされたおかげで、お客様たちは数々の現代美術を楽しんでおられていたようだった。

最後に篠原さんが私の部屋の絵の解説をしてくださり、私も一言お話した。

そのあと返却と収蔵の打ち合わせ。
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副館長の江尻さんにもご相談した。

篠原さんから、私の本『反絵、触れる、けだもののフラボン』で私を知って、絵を見に来てくださったお客様がいたことを聞いて驚く。

とても熱心に見ていてくださったそうだ。

私の本を読んで絵に関心を持ってくださった人がいることは、なんとも言い難いほど嬉しい。

そのあと、とてもおなかがすいたので篠原さんにおすすめのお蕎麦屋「十勝屋」を紹介してもらったのに、行ってみたら、いつもは5時からだが、今日は鑁阿寺(ばんなじ)でマルシェがあったせいか、もう終了だそうだ。

しかたなくスーパーのイートインでおにぎりを食べた。

素晴らしい経験をさせていただいた足利市立美術館。私は会期中に5回来た。また必ず来ます。

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足利市駅近くのかっこいいマンションの廃屋。
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