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2024年2月

2024年2月29日 (木)

絵の撮影の打ち合わせ 浦霞

2月28日(水)

絵の撮影をしてくれた篠原さんが仕事場に来られる。

午前中は東京駅近くで仕事だったとのことで、日本橋で買ったという珍しい「浦霞 純米生原酒しぼりたて」を持ってきてくれた。
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モバイルで撮影された絵の画像を見て、細かい色味の調整などをする。

しかし久しぶりに飲んだ日本酒、しかも浦霞がおいしすぎて・・3月5日に全身のPETMRI撮影を受けるので、肝臓に負担をかけないようにと一週間以上前から禁酒していたのだが、この日だけは飲んでしまった。

つまみはがんばってアク抜きしたフキノトウの酢味噌がけ、だし巻き卵3種(海苔、ミツバ、コネギ)、野菜や豆腐いっぱいのおでん。

篠原さんが昔やっていた外苑前にあったアートスペースというギャラリーは、もとはバーで、当時の著名な美術評論家と美術作家たちの溜まり場だったそうだ。

そこにバイトに入って皆の酒の相手をしているうちに、最初は苦手だった人付き合いにも慣れ、数年で、オーナーが店を閉めると言うのでそのまま受け継いだという。

家賃が高くて経営はたいへんだったが、そのギャラリーに寝泊まりしてなんとか2年で軌道に乗せたと。

私のがんについては、やはり対人ストレスが一番いけないので、本当に自分に関係ある人のほかは無視したほうがいい、と何度も言われた。

「本当に自分の人生に関係ある人なんて1割くらいでしょう。」と。

私の場合、けっこう仲良くしていただいている人たち、親切にしていただいている方たちは多いと思う。

そういう人たちには感謝しているし本当に大切にしたいが、もう何十年も嫌だなと思いながら我慢してきた人には、もう自分からは連絡しない。

「嫌な人は無視でいいんだよ。そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。」と言われた。

2月25日(木)

昨年から4人のかたより注文をいただいている絵を平行して作業しており、なかなか仕上がらないで、たいへんご迷惑をおかけしております。

T・Yさん、やっとできました。もう少しだけお待ちください。

・・

午後は木曜卓球。今日は4人だけだったのでけっこう練習できた。

来週の月曜卓球はPETMRIの前日のため、残念だがお休み。

「なぜPETMRIの前日は激しい運動をしてはいけないんですか?」とY本先生にお聞きしたら

「筋肉が細かく傷ついた部分が反応して光ってしまうので、がんの転移と見極められなくなるから」とのこと。

なるほどそんなことになったらたいへんだ、と納得。それを聞いていなかったら卓球に行ってしまったかもしれない。

 

 

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2024年2月25日 (日)

フキノトウ ペタシン

2月25日(日)小雨 6℃

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神奈川に住む友人の愛子ちゃんに「近所にフキノトウが出ていたら送って。」とわがままなお願いをしたら、きのうすぐに採りに行って、今日の午前中に届くように送ってくれた。

こんなにいっぱい!しかも愛子ちゃんお手製のフキ味噌も。植えられるように根がついたフキも。

さらに近所の有機農家さんからもらたっという大根、葱、柚子、珍しい生のウコンまで段ボールにいっぱい。

温かい友情に感謝してもしきれない。

「岐阜大学の研究で日本原産植物フキノトウに多く含まれるペタシンが、がんの増殖と転移を強く抑制することを発見しました。
また、ペタシンはがん細胞の特異的なエネルギー代謝を阻害することで、正常組織への副作用を抑えつつ効果的に抗がん効果を発揮することを明らかにしました。本化合物を起点として一群の副作用の低い革新的な抗がん・転移阻害薬の開発が期待されます。 」というニュース。

https://www.gifu-u.ac.jp/news/research/2021/09/entry02-10993.htmlp

子供の頃からフキノトウは大好きだが、最近は近所に生えているところがなくて、スーパーではひとつ100円している。

さっそく素揚げと茹でたものをおいしくいただいた。 

フキノトウのペタシンはがんに有効でも、あく(アルカロイド系)は身体に悪いので、1日に5、6個にしておこうと思い、あとは冷凍。

茹でてあくを抜いたものと生のままのものをそれぞれのパックに入れて冷凍してみた。

 

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2024年2月16日 (金)

ロケハン 枯れ蔓

2月14日(水)

20℃近くになる予報だったので、さっそく枯れ蔓のある風景を求めて出発。

午前中、空気が澄んでいて電車の窓から西の方の山々がきれいに見えた。

私の大好きな場所。

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私が冬の枯れ蔓を好きなのは、予想外のうねり、絡まり、曲線の変容にたまらなく官能を感じるからだ。

雨風、雪、霜に翻弄されて、折れたり、近くのものにしがみついたりしながらできた奇跡の造形。

それらといると心が躍る。

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寒くも暑くもなくて、風が優しくて、人がいなくて、生き生きした鳥たちがいて、蚊やアブもいない今日のような日は特に幸せ。

冬の枯れ蔓、金属の錆、壁のしみ、亀裂、塗料の剥落、朽ちた木の窓、煤けたガラス、浜辺での拾い物、廃園、廃庭・・・

私はそういった「時にさらされたもの」が大好きで、「人工の極み」のアートが本当に嫌い。

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そして私の好きなものや風景をわかちあえる人と一緒に歩けたら最高に楽しい。

観念や世間的な意味で「読む」のではなく、そこに「在るもの」の不思議さを見つけることのできる人を私は好きになる。

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昔、関東のある県で、イベントがあって車で案内していただいた時に「面白い樹木がはえているところ」をリクエストしたら、市中の凡庸な公園に連れて行かれて唖然としたことがあった。

その人たちは詩人だったのだけど、言葉は駆使できても眼からはいる造形や蝕感はまったく通じないのだな、と落胆した。

私にとっては絵も風景も、面白いもの、斬新なものには激しく心が動くし、つまらないものはすごくストレスになる。

大好きなものに出会う時、感覚が通じない人と行くならひとりで行った方がいい。

30cmもある平たい蛇のような茶色いサイカチの鞘がびっしりと落ちていた。

根につまづいて転ぶとサイカチの大きな棘がいくつも手のひらに突き刺さって血が出た。

野茨の茎は真冬も枯れないで、服にちくちくとまとわりつき、そのたびに慎重にはがしていかないと服が裂けてしまう。

樹々にはまだ緑が見られないが、陽を吸った地面には小さな青い星のようなイヌフグリの花が開いていた。

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2024年2月14日 (水)

分子標的薬、レットヴィモと適合

2月13日(火)

国立がんセンター中央病院。

頭頚部・食道内科のH先生からオンコマイン(遺伝子のコンパニオン検査。治療薬と1対1対応になっており、陽性になれば承認された有効な治療薬が投与可能になる)の結果を伺う。

「いい薬がありました!」と言われ、レットヴィモという薬が適合したと告げられる。

1月19日にお聞きした甲状腺癌に効く4つの薬

1.BRAF  V600E遺伝子変異(全体の80%)タラブフェニブ・トラメチニブ

2.RET  融合遺伝子(10~20%)セルベルカチニブ(2023年11月承認)

3.NTRR 融合遺伝子(2~3%)ラロノルクチニブ・エヌトレクチニブ(2022年承認)

4.ALK 融合遺伝子(2~3%)未承認(臨床試験)

の中で2番目の薬。

昨年の11月に承認されたばかりの薬。不思議なタイミングと思う。

私が甲状腺癌を切除した頃には、こんな治療法ができるとは想像すらできなかった。

レットヴィモはおおかたの人があてはまるBRAFとは違い、脳にも効く。

しかし分子標的薬でがんが治るわけではない。

どのくらいの期間使えるかもやってみないとわからない。

オンコマインの結果表のコピーをいただいたが、一番上に横書きで遺伝子RET、変異名RET Fusion、テスト結果PRESENT、関連する薬剤レットヴィモ(セルベルカチニブ)と書かれてある。

その下の表には、一番左に遺伝子RETという文字が縦に17行並んでいて、その右横にそれぞれ異なる変異名、アミノ酸変異、ヌクレオチド変異の記号が書かれていて、それら全部にテスト結果NEGATIVEとあった。

私の甲状腺癌はRET融合遺伝子陽性タイプとのこと。

甲状腺癌でレットヴィモを服用する患者への小冊子をいただき、それを見ながらの説明を受ける。

レットヴィモは異常のあるRET遺伝子からできた蛋白質に作用し、がん細胞を増やすスイッチを切って、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬である。

副作用は過敏症(皮疹、発熱、筋肉痛)、高血圧、肝機能障害、むくみ、下痢など。

毎日2錠ずつ飲み、体重、血圧、副作用の細かい記録をつけ、副作用がひどいようなら用量を調整する。

3月の初めに脳を含む全身のPETMRIを撮影して、転移の増殖の速さの状態を見て、薬を始める時期を決めるとのこと。

投薬が始まったら最初は全量飲むので、おそらく副作用で今までできてきたことがいろいろできなくなりそう。

まずは沢渡朔さんとの仕事がとても心配。気温や天候のこともあるし、撮影の日を決めるのが不安で緊張する。

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