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2024年2月14日 (水)

分子標的薬、レットヴィモと適合

2月13日(火)

国立がんセンター中央病院。

頭頚部・食道内科のH先生からオンコマイン(遺伝子のコンパニオン検査。治療薬と1対1対応になっており、陽性になれば承認された有効な治療薬が投与可能になる)の結果を伺う。

「いい薬がありました!」と言われ、レットヴィモという薬が適合したと告げられる。

1月19日にお聞きした甲状腺癌に効く4つの薬

1.BRAF  V600E遺伝子変異(全体の80%)タラブフェニブ・トラメチニブ

2.RET  融合遺伝子(10~20%)セルベルカチニブ(2023年11月承認)

3.NTRR 融合遺伝子(2~3%)ラロノルクチニブ・エヌトレクチニブ(2022年承認)

4.ALK 融合遺伝子(2~3%)未承認(臨床試験)

の中で2番目の薬。

昨年の11月に承認されたばかりの薬。不思議なタイミングと思う。

私が甲状腺癌を切除した頃には、こんな治療法ができるとは想像すらできなかった。

レットヴィモはおおかたの人があてはまるBRAFとは違い、脳にも効く。

しかし分子標的薬でがんが治るわけではない。

どのくらいの期間使えるかもやってみないとわからない。

オンコマインの結果表のコピーをいただいたが、一番上に横書きで遺伝子RET、変異名RET Fusion、テスト結果PRESENT、関連する薬剤レットヴィモ(セルベルカチニブ)と書かれてある。

その下の表には、一番左に遺伝子RETという文字が縦に17行並んでいて、その右横にそれぞれ異なる変異名、アミノ酸変異、ヌクレオチド変異の記号が書かれていて、それら全部にテスト結果NEGATIVEとあった。

私の甲状腺癌はRET融合遺伝子陽性タイプとのこと。

甲状腺癌でレットヴィモを服用する患者への小冊子をいただき、それを見ながらの説明を受ける。

レットヴィモは異常のあるRET遺伝子からできた蛋白質に作用し、がん細胞を増やすスイッチを切って、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬である。

副作用は過敏症(皮疹、発熱、筋肉痛)、高血圧、肝機能障害、むくみ、下痢など。

一回3錠、一日2回飲み、体重、血圧、副作用の細かい記録をつけ、副作用がひどいようなら用量を調整する。

3月の初めに脳を含む全身のPETMRIを撮影して、転移の増殖の速さの状態を見て、薬を始める時期を決めるとのこと。

投薬が始まったら最初は全量飲むので、おそらく副作用で今までできてきたことがいろいろできなくなりそう。

まずは沢渡朔さんとの仕事がとても心配。気温や天候のこともあるし、撮影の日を決めるのが不安で緊張する。

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