旅行・地域

2020年5月30日 (土)

鷺の宮、細田家、三岸好太郎・節子アトリエ

5月24日(日)

自転車で中野区鷺宮方面へ。

阿佐ヶ谷北6丁目で、私の生まれてからの経験で最も繁茂したスミレの群生を見つけた。今はとうに花は終わり、長三角披針形の葉と風力発電の羽のような種の莢だけ。来年の4月にきっと見に来よう。

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初めて来た鷺宮で、素敵な緑の小道と、大好きだった阿佐ヶ谷住宅の面影のテラスハウスを発見して胸が熱くなる。

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前川國男と関係あるのか、と帰宅してから調べたら、はたして前川國男設計の、昭和32年に阿佐ヶ谷と烏山と同時に建てられたテラスハウス「鷺の宮住宅」だった。

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大好きだった阿佐ヶ谷住宅が壊される時はすごいショックだったけれど、こんなところで偶然に姉妹の建物たちに巡り会えて感激。

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中野区に唯一残る江戸末期からのかやぶきの古民家、細田家の屋敷森。

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しんとした巨樹の森の周りの道を通るだけで、ひんやりと涼しい森の呼気に満たされる。

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森は3250㎡もあるらしい。道路拡張で無くなってしまう話があるらしいが、これだけの素晴らしい屋敷森と古民家が、どうか残りますように。

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細田家からほど近く、こちらはレンタルもしている古民家、浅五郎邸。築100年だそう。
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きょう最後の目的地、三岸好太郎・節子アトリエ。こちらもレンタルしているらしい。内部公開の日に来てみたい。
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いかにもバウハウスなモダニズム建築。1934(昭和9)年、山脇巌の設計。
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建てられた当時、農村の中でさぞ目立っただろう。『豆腐の家』と呼ばれていたそうだ。

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しみとかすれのニュアンスが美しい壁。花が散ったあとの雛罌粟の芥子坊主と、今を盛りのドクダミの花。

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中野区鷺宮、上鷺宮、白鷺、西武線寄りの、うちから2~3km内に、中央線沿いよりも時がゆっくり流れている場所があった。大正から昭和初期に建てられたような洒脱な家をたくさん見た。

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2020年5月29日 (金)

太田快作先生の「ザ・ノンフィクション」、プフの眼、阿佐ヶ谷、薔薇

5月13日(水)

きょうも阿佐ヶ谷北を自転車で走る。馬橋公園のそばの薔薇で溢れるお庭。
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高円寺に25年も住んでいて初めて阿佐ヶ谷の五叉路に気づく。すぐ近くの欅屋敷と河北病院の辺りは散歩していたのに。知らないところがいっぱい。どれだけ狭い習慣の中で動いていたか。

それも、コロナで自粛になって自転車で人のいない通りを選んで(体力持続のために)走り廻るようになってわかったこと。

阿佐ヶ谷教会の辺り、私の琴線に触れる絵になる家が多い。
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この四角い敷石、とても懐かしい。
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アメリカの西海岸のようなペンキのドア。
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早稲田通りに近いところの古い看板。(消えた文字は「装」と「アクセサリー」?)ざらざら、かすれと腐食にものすごく身体が反応して興奮。

自分にとって重要なこと(マチエール)を言語ではなく身体で考えることが沁みついている。自分が夢中になることは、おそらくほとんどの人からはまったく理解されない感覚だろう。

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5月14日(木)

プフ、まだかすかに残っている目薬をさしてやるが、目やにがよくならない。日によって涙の量が違う。赤茶色の涙の跡が酷い日とそうでもない日がある。
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5月15日(金)

夕方6時頃青紫の薔薇を撮る。午後3時頃に撮るよりずっと深い、私の眼の感覚に近い色。
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長くなった髪を自分で切る。後ろの髪を前に引っ張りながら。背中の真ん中より下だったのを15~20cmほどカット。もともと年に一度くらいカットモデルで切ってもらうくらいしか美容院には言っていないのだけれど、美容院で切ってもらうよりも自分で切ったほうが気持ちいい。

5月16日(土)

快作先生にプフの眼の状態の画像添付してメールを出す。

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雨の中で薔薇を撮る。ひしがれた花。雫の冷たい感触。冷たい雨の中の花を撮ること自体よりも、そこの身体感覚を絵にどう描くか。

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5月17日(日)

ハナ動物病院の太田快作先生の「ザ・ノンフィクション」後半。

快作先生と実際に関わる体験であまりに多くのことを感じ、考えた。私の命だった愛猫ちゃびが20歳で亡くなるまでの数年を快作先生にお世話になり、そのあとも、新たに3匹がお世話になっている。

私と20年一体だったちゃびも、今、私と一緒にいるちゅび、チョッピー、プフの3匹も、生後一週間から10日の赤ちゃんの時に捨てられていた、あるいは落ちていた猫だ。

苦しい、深い想いが激しすぎて、簡単に番組の感想など言えるはずもない。感動したなどと軽く言えるわけもない。

快作先生は人間がかえりみない動物の命を救うために人生を捧げていて、どんな誹謗中傷にも負けない信念を持った人。

ほっておいたら凄惨に命の短い野良猫を、ただ「見て癒される」と言ってしまう人には、どう言葉にしたらいいのかわからない。

少なくとも私は耳がカット(避妊手術したしるし、TNR 避妊手術してから元の場所に戻して地域で世話)されていない野良猫の写真を、「いいね」「かわいいね」とはとても言えない。逆に焦燥で悪寒がして具合が悪くなる。

(外気温、菌、ウイルス感染などなどによって)あっという間に死んでしまう野良猫(特に体力や免疫のない子猫)や、多頭崩壊で飢えて共食いしているような犬猫を救うために、身を粉にして無償で働いているボランティアの人たちがいることを知ってほしい。

野良猫の命、動物の命に関しては、自分なりの言葉が見つかり次第、少しずつ書いていくしかできない。

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きょうも松の木あたりを自転車で走る。廃屋らしい古い建物を見つける。

5月20日(水)

暗渠をたどって阿佐ヶ谷の中杉通りまで出て、きょうは中杉通りを渡って天沼のほうまで走る。

中杉通りを渡ると、来たことのない場所ばかり。

ルドゥーテが描いたそのもののクラシックなかたちの薔薇。

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さりげなく素敵な生け垣と庭。
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急にぽっかりと広い空間に緑の蔦の家。高円寺からほんの2、3kmの距離でも、高円寺よりはるかに住宅が密集していない場所があることに驚く。

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その斜め向かいに民間信仰の石仏を集めた場所。

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「宝永元年(1704)銘・元文5年(1740)銘の庚申塔、享保15年(1730)銘の地蔵塔、宝暦9年(1759年)銘・享和3年(1803)銘の百番観音供養塔です」「「お地蔵様」と呼ばれて人々に親しまれている地蔵菩薩は、人間の苦を除き楽を与え六道衆生を救済する仏として信仰を集めました。また、境の守護と村の安全の守護を行う仏ともされ、村境や辻に多く造立されています。」

「なお、石塔隣の区画整理記念碑は、整理の完了した昭和13年に建てられたものです。」と区のHPより。

5月22日(金)

プフの眼、まだ涙と赤み、とれない。少し良くなったかと思うと、すぐに赤茶色の目やに。
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5月23日(土)

夕方、善福寺川まで自転車で行く。

川への坂を下る途中の、高原にあるような水色の木でできた家。
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緑地の中の誰もいない木陰で運動。ネットニュースで知ったHIIT(High Intensity Interval Training)。私が通っていたフィットネスの30秒運動×8種×3周を超コンパクトにした運動。正直、これならそんなにきつくない。

 

 

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2020年5月 8日 (金)

自転車、西新宿、中野区本町、細い猫道

4月26日

新宿まで自転車で届け物。風が強い日。

山手通り近くの、私の幼い日の記憶のままの土手にもう一度行き、登ってみる。この草ぼうぼうの崖は、当時は何かが潜むようにどっしりと高くそびえていた。

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鼠色のセメントの上のギザギザ。歪み。罅割れ。黒カビのはえた青磁色の大谷石。ザラザラ。僅かな土から旺盛に伸びる草たち。それだけで私の遥か昔の、個人的な質感と触感の記憶が充ち満ちて、内側から皮膚が張るようにピリピリ汗ばんでくる。
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決して幸せな幼年時代だったわけでもなく、幼い頃に戻りたいという懐古でもないのだけれど、ごく個人的な原初の(絵につながる)身体感覚を確かめたい欲求がある。

この土手の上の、母に手を引かれて入った小さなアパートの場所は、今は坂の下の道から見えるマンションになっている。

そのマンションの向いには空き地で、赤茶色に錆びた鉄の扉。大谷石とブロックの塀も、昭和40年代からずっとそのままの様子。塀についた表札に「新羽衣第二アパート」と書いてある。すぐ近くの羽衣湯(銭湯)と関係ある土地・・?

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その先に進むと、西新宿5丁目につながる平坦な道はなく、小山をくるっと一回転して初めに登った坂の隣の坂から下るしかない。小さな山としてここだけ完結している不思議な地形。

元来た坂を下りる時、あまりに急で、荷物を載せた古い自転車が滑り落ちそうで怖くて、両足をつきながらとぼとぼ降りる。

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私が5歳の頃、母の手を握ってこの坂を下りる時、すごく怖がって足がすくんで泣いた・・・ふとそんな記憶がよみがえる気がする。

それから、神田川から始まる細い暗渠の道を始まりから終点まで辿った。

途中に、先日も来た「はっぴいえんど」の1stアルバムの『ゆでめん風間商店』撮影跡の看板と柳橋にちなんだ柳の木がある。

柳の木の向かいの古いアパートの屋根に茶白の猫がいた。

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暗渠の正面に見える高層マンションが「シティタワー新宿新都心」(福山家が昔お世話になっていた吉野湯跡に建つ)。

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暗渠の中の蔦に絡まれた古い家が花屋になっていた。
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暗渠の道を方南通りに出るとすぐ横に「西新宿5丁目駅」。方南通りを渡り、果たしていまだに存在しているのか確かめたい裏道があった。

駒ヶ嶺病院(現在は介護付有料老人ホーム「ねむの木」)の横から清水橋交番の方へつながる細く薄暗い猫道。幼稚園くらいから小学生の時、ぞくぞくしながら通った道。

片側がすっきりしてしまったがその道はまだあった。きょうは逆から辿る。

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正面左に都庁のビルが見える。昔はもっと細くて鬱蒼と暗くて、この道をすり抜けていくのが大好きだった。隅にドクダミがはえた黒く苔むした塀は私が幼稚園の時から同じ。
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西新宿から十二社通りを新宿中央公園の縁に沿って進む。角筈区民センターの前を左折。

中央公園の子ども広場は、4月19日に見た時は子供で賑やかでびっくりしたが、きょうは遊具すべてに緑色のネットが張られていて、人が少ない。

5月2日(土)

きょうも所用で西新宿の福山家へ自転車で行く。

山手通りを渡り、いつもの私の好きな土手の下の道に入ると、野良猫が3匹いた。まだ若い(2ヶ月くらい?)。耳がカット(避妊手術のしるし)されていないのを見るとすごく悲しくなる。

いつもの土手よりも山手通りに近いところの、さらに細い坂を登ってみる。

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細い尾根の道は直角に山手通りに続く。煤けた簾のかかった古いアパート。

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この高台は私の思い出の小山のてっぺんと連なる尾根のはずだが、小山の頂点から行き来できない構造になっている。

崖下の家に降りるための古い階段がある。使用しているのだろうか

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羽衣湯の横を通り、この日も暗渠を辿って行くと、なんと「はっぴいえんど」の『ゆでめん』(撮影跡)の建物の向いの八百屋さんが、営業していた。店内から楽しそうな音楽を流していた。私が中学生くらいからやっている八百屋さんだと思うが・・。

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財布の中に入れていたカード類(免許証、病院の診察券など)がないことに気づいたのはおとといの夕方。

室内を捜すが出て来ず、今日、怖々警察に電話すると、「届いている」と。

「え~?!!」と声に出てしまった。すぐに自転車で受け取りに行く。

拾ってくださったかたは連絡先を知らせない選択をされたということで、必要事項だけが見えるように四角く切り取られたグレーの紙で拾得者住所氏名部分を隠してあった。

このコロナ感染の恐ろしく不安な状況で、他人のカードを触ったり警察で書類を書くのも怖かったでしょうに、本当に申し訳ない。拾って届けてくださったかたには心より感謝を申し上げます。

落とした場所はいつものスーパーの店内のようだ。

 

 

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2020年4月22日 (水)

 善福寺川の湧き水へ

4月8日(水)

家の近所の落ちた椿を拾って描く。椿の裏側や横から見た風情、落ちてばらけたところも美しいと思う。

椿(鉛筆デッサン、水彩)
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白い八重の抱え咲き椿は「袖隠し」だと思ったが、もしかしたら「天の川」。神代植物園で見た「後瀬山」(神代植物園のものは薄い微かな桃色)と形はそっくりで純白。

椿(鉛筆スケッチ、デッサン、水彩)
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きょうも善福寺川緑地で満開の八重桜「普賢象」をじっくり見る。

「一葉」も「普賢象」も淡紅色八重大輪。雄蕊が葉化しているので「一葉」。雄蕊が2本葉化しているので普賢象菩薩が乗る白象に見立てて「普賢象」。だが実際はどちらも雄蕊が葉化しているのが1本の花、2本の花、または葉化していない花が混じっている。

それから善福寺川に沿った細い道を川の水が湧いている善福寺公園あたりまで、自転車でさかのぼって行った。

途中、古いアパートや変わったつくりの建物、見慣れない植物(一重の木香薔薇など)を見つけながら、川の土手にへばりついて咲くスミレもしっかり見ながら、たくさんの橋を横切って進んだ。

荻窪近く、交通量の多い環八を渡る時だけ興ざめだが、それ以外は車にも人にもほとんど会わない静かな旅。

原寺分橋(はらてらぶばし)の湧水近く。水が澄んで川の中にアヤメが咲いている。
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西日に輝く善福寺公園が見えた時は感激。
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東京女子大の周り。象徴主義の画家が描いたような雰囲気の森。

 

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ひっそりかんとして森の木々の声が聞こえそうな道。

杉並区善福寺から隣接した吉祥寺市東町の辺り、古い木の家やおしゃれな洋館風の家を眺めながら自転車で走る。

初めて出会ったものの写真をたくさん撮った。

帰りは環八から四面道、天沼に出て阿佐ヶ谷の欅屋敷の方から帰宅。家についたのは6時。

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プフの青いほう目の目やにが酷くなっているのでハナ動物病院に電話。あさって抗菌目薬をもらいにいくことになった。

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2020年3月19日 (木)

植物の記録、梅、椿、デッサン

https://chisako-fukuyama.jimdofree.com/

今年は記録的な暖冬で、植物たちの開花時期が例年と違う。

2月5日

近所の11月末から2月まで狂い咲きで満開だったコスモス(東京でコスモスの見頃は9月後半から10月)。沖縄では1月から2月に満開だそうなので、やはり暖冬すぎたせいなのでしょう。異常気象、地球温暖化が心配だ。

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2月13日 18℃

新宿御苑へ。

暖冬で休眠打破がなかったせいで、早咲きの梅の開花は遅れたらしい。

いくつかの梅を立ったまま鉛筆スケッチ。

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池のほとりのカンザクラは重苦しいほどに満開。カンザクラは例年より早い印象。

新宿御苑の桜パンフレットによると「寒桜」とカンザクラは違うそうだ。「寒桜」は厳密な栽培品種でカンヒザクラとヤマザクラの種間雑種。カンザクラは厳密な栽培品種でなく、カンヒザクラとヤマザクラ、あるいはオオシマザクラの種間雑種はすべてカンザクラとしてまとめられる。

カンザクラの中に、「大寒桜(おおかんざくら)」、「河津桜」のような栽培品種がある。

「河津桜」も6分咲きほどで見頃。

12月から咲いている水仙「ペーパーホワイト」は、まだ満開。

2月14日 16℃ 曇り

神代植物公園へ。

門近くの「大輪緑萼」が見頃。大きな白の八重。梅は萼が赤茶色の花と緑色の花とでは大きく印象が異なる。私は萼が緑色のほうが好きかも。

梅園への橋を渡ると、くらっくらするほど素晴らしい香り。この時点で涙が出た。

神代植物公園所蔵の「韻勝園梅図」の絵の看板が、十数点ほどの梅のたもとに立てられていて、「韻勝園梅図」の絵と比較しながら本物の梅を見ることができる。江戸時代の「韻勝園梅図」の記録と現在の梅の花とは違っているものもある。

この「韻勝園梅図」の梅の描き方(植物学的でもあるが、非常に単純化されていて絵画的でもある)に、とても興味を惹かれた。

全体の6割ほどの樹が見頃。「紅鶴」「雲の曙」「森の関」「蓮久」「見驚」「白難波」「紅千鳥」「緋の司」「輪違い」「白加賀」「道知辺」「未開紅」「鹿児島紅」「薄色縮緬」「白滝枝垂」など。

まだ咲きかけの樹・・・「古郷の錦」「米良」「寒紅」「月影」「玉垣枝垂」「酈懸(てっけん)」など。

「酈懸(てっけん)」は花弁が退化して、しべ咲きとなった珍しい品種。。「茶筅(ちゃせん)梅」ともいわれる。 今年は暖かいせいで白い(ほかの梅よりも小さな)花弁が付いている花が多い。

ほとんど蕾の樹・・・「白牡丹」「玉牡丹」「日月」「月宮殿」など。「白牡丹」は、ぜひ満開の時に見たいと思う。

曇りで午後3時近くなると人もいなくなり、薄い銀色の光の中で花たちは冷たい色に変わった。

桜の優美とは違う、つんとすましているようで苦悩しているような枝。庭園を整えるために切ったのではなく、樹の生命のためにだけ切った枝ぶりが、奇怪なまでに奔放に捻じ曲がって伸びている。

息が詰まるほど惜しげなくなまめかしい香り。園全体がこの世のものとも思えぬ妖しさに、しばし放心して佇む。

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梅の樹の枝ぶり。デッサン(素描、スケッチ)

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 椿園はまだほとんど蕾。咲きかけの樹が少し。「無類絞」「白腰蓑」「初雁」がちらほら。

椿 白腰蓑(しろこしみの)水彩(鉛筆デッサン、スケッチ)
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コロナの心配さえなければ閉園ぎりぎりまですべてを刻み付けるように見ているのに、バスと電車が混むのを恐れて深大寺門を3時15分に出る。

細い坂道を下ったところの池にアオサギが来ていた。

2月15日

毎年気にして見続けている近所のS歯科医院の椿「(おそらく)四海波」(5色、獅子咲き)が咲き始めている。

椿 四海波(しかいなみ)水彩(鉛筆デッサン、スケッチ)
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2月17日

自転車で梅里公園へ。

「烈公梅(れっこうばい)」(紅色一重)、「見驚」、「呉服(くれは)枝垂」(淡紅色八重)、「輪違い」が見頃。

梅 輪違い 水彩スケッチ(鉛筆デッサン)
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メジロが来ていた。

毎年、3月20日頃に満開のミモザがすでに満開。

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近所の大輪白八重椿(白八重椿は似ているものが多くあり、名前は特定困難)が満開。

2月20日

近所のT医院の白い八重の枝垂れ梅(おそらく「緑萼枝垂」)が満開。去年、この樹は3月3日に満開だった。中生の梅は2週間近く早い。

 

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2020年2月13日 (木)

西荻から善福寺公園周辺

2月8日 (土)晴れ13℃

出かけようとするとバッグがなにやら重い。
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西荻から善福寺公園方面へ。

ピンク色の2階が面白い古い建物。
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西荻北のいつも気になる建物。
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面白いかたちのサボテンを置いている花屋カフェ。西荻は洗練されたおしゃれなお店が多い(私は廃屋のような建物ばかり撮っているけど)。
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東京女子大に沿ったシュールなカーブの道。
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見事な雑木林。公園の一部かと塀のまわりを歩いて入り口をさがしたら、民家の広い敷地だったので驚く。

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土の上に並ぶこの四角いセメントの敷石を見つけると、かつての懐かしい西新宿の風景にとぶ。

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善福寺公園の池の中の太陽。水鳥が震える金の光の筋を引いて滑っていた。
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梅は日当たりのよいところは満開。ほかは二分咲き。

公園のまわりには古くて立派な木の家がいくつもあった。高円寺と同じ杉並区とは思えない、昔の武蔵野にタイムスリップしたような風景。

鳩小屋のある古い家。
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この細い道も料亭だらけだった昔の十二社(西新宿)の裏路地のよう。5歳の頃の私はじっとしゃがんで、ひび割れたセメントの隙間から生える小さな花(サギゴケ、ツメクサ)や虫たちを眺めるのが好きだった。
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西荻まで歩いて戻る途中で不思議な古書店を見つけた。なんと閉架式。

「中野書店古本倶楽部」。お店のかたに伺うと、あの神田にあった中野書店さんが西荻に移転されたのだそうだ。きれいなカタログをいただいた。
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魅力的なアンティーク雑貨屋Loupeさんで買い物。

店内に西荻再開発反対の署名用紙があったので署名し、お店のかたと話した。再開発問題について詳しく書かれている「ニシオギ空想新聞」を購入。

高円寺、阿佐ヶ谷、西荻あたり、最高に面白いと思う街がつまらなくなるのは嫌だ。高円寺はすぐではなさそうだが、西荻の道路拡張計画はけっこうなスピードで進んでいる模様。変わるなら、ゆっくり、少しずつがいい。

行きに見たピンク色の建物。
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2020年1月24日 (金)

西荻、アンティーク巡り

1月19日(日)

西荻を散歩。

私の好きな細い路地。

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気になる(ボタンとレースの?)お店は今日もお休みだった。
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気になる「ギャラリーMADO」。ここで展示するのもいいかな。
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古くて素敵な建物。
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この「ファンレコード」は20年くらい前からあった。
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この「レ・ジュウノア」さんも昔、西荻に住んでいた頃からあった。
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前列左から3番目の小皿を2枚購入。
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現在の「西荻窪 古本とアンティークマップ」に載っているのは49店舗。

昔はマップに載っている店はもっと多くて、75軒くらいあったと思う。よく行ったフジイヤ、ベビヰドヲル、MOON FAZE、ティアドロップ倶楽部、ノベルティグッズ、などなどがもう無い。

ここも和家具のお店だったような・・。
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ここも・・?
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「WE INSIST!」のレコードが飾ってあるおしゃれな帽子屋さん。
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地蔵坂下の方から駅に戻るのに、一本ずれた道を通るとそこは吉祥寺東町で、絵本に出て来そうな古い洋風の家がいくつも並んでいる。

南口に戻り、この左の(メガネ玉宝堂の看板を残した)「アンティーク時」さんで、古いきれいな色の糸をいくつか買った。Sdsc05668

「アンティーク時」さんの右隣りのはんこ屋さんも素敵な建物。
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私好みの剥落した水色のペンキの木のガラス扉と窓。
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貼り紙によると、「まちかどの名建築」という杉並の歴史的建造物を一冊にまとめた本に載っているらしい。

こちらも「雪印❄牛乳」の文字を残してあるアンティーク屋さん。

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写真に撮らなかったが古書店もいくつか見た。

歩き疲れ、手が冷えたので古民家カフェで白ワインとおばんざいセットで休んだ。
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前に西荻に来た時は、ちゃびを失った喪失感に苦しんでいた時だった。

喪失感が消えたわけではないけれど、今回はその時よりも街が優しく感じられた。のんびり歩けば、素晴らしい建物もまだたくさん残っている。

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2020年1月21日 (火)

世田谷ボロ市

1月16日

世田谷ボロ市へ。

新宿から下高井戸に出る。下高井戸も好きな町だが、そこからの東急世田谷線が素敵すぎた。

京王線から、もう発車を待っている電車に焦って飛び乗ろうとして、駅員さんに「あの、切符売り場は?」と尋ねると、「切符はないです。そこの箱に料金を入れてください。」と。

ちっちゃな路面電車は混んでいた。カーブする線路。揺れる世田谷線の窓から見る風景は鄙びていて、まるで幼い日の記憶をたどるようだった。

「世田谷ボロ市にお越しのお客様は四つ目の上町でお降りください~」というアナウンス。

上町で下車。急ぎ足でボロ市のメインストリートへ。

ごちゃごちゃした骨董やジャンクを見るのが楽しい。

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どうしてもシュタイフの動物(小さな愛嬌のあるぬいぐるみ)に目が行ってしまう。

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ベルリンに行った時、Tiergarten(動物園)駅から500mに及ぶ6月17日通りの蚤の市(Trödelmarkt)で、夢中でシュタイフばかりを見ていた。フクロウやモモンガを買った。その前にロンドンの市で猫とウサギやリスを買っている。

20年くらい前、ロンドンのアンティーク市に熱狂した時期があった。コヴェントガーデン、エンジェル、チョークファーム、バーモンジー、ポートベローと通った。

ひとりでブライトンの巨大アンティークフェア(競馬場に5000軒も出店)に旅して、朝5時半から終了まで飲まず食わずで周り、宿に戻って気付いたら39℃の熱でダウンしたこともあった。食べたり休んだりするのを忘れてしまっていた。

そんなことを思い出しながら歩いた。

この世田谷ボロ市は440年前から続く無形文化財だそうだ。

代官屋敷。
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茅葺の屋根は去年に葺き替えたばかりだそう。

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代官屋敷のすぐ横に出店していた刑務作業品の「網走刑務所」「函館刑務所」などのロゴが入っている前掛けがかっこよくて(厚い幌布で、八百屋さんが使っているようなデザイン)すごく惹かれたが、冷静になると私には使う機会がないかな、と思い・・。
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この「ハイウルソ」の看板も。ボロ市の通り沿いには雰囲気のある古い看板が多く残されていて、まるで東京ではないようだった。
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飲まず食わずで3時間歩き回り、手がかじかんで痺れてきたので酒屋さんで熱々の甘酒を買う。店内で飲ませてくれていた。古いポスターが貼ってある素敵なお店。

ホッとしたけれど、ものすごく甘い。

ふと横で熱燗の日本酒を買っているおじさんを見て「うわ、あっちにすればよかった!」と思う。いや、ひとりですきっ腹に200mlも飲んで具合悪くなったら困る、と思いとどまる。

最後のほうで見つけたこの店は衝撃だった。私と同じに「サビ」好きな人(?)が「サビ」専門の店を出していた!

「赤サビコレクション」は1500円、1000円とけっこうなお値段。
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でも私が好きなのは焼け色にヴァリエがあったり、剥落した青磁色のペンキと響き合っているような、絵になる錆びだ。この店のサビは色味がやや単調だ。

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「はきよい、強い、カッコいい、力王たび」の看板は4000円。この看板も西新宿の作業服店に貼ってあるのを見て、私が中学生くらいから魅力を感じてきたものだ。

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「山本ピアノ ミシン」の白金色のロゴもきれい。
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古い和食器の皿や小鉢を買おうといろいろ見てまわったが、迷って結局買わず、次に来る時の楽しみにとっておいた。

上町駅の近くの「スナックふれんど」の看板。ライラック色もめくれ上がり方も美しかった。

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帰りに乗った世田谷線が「幸福の招き猫電車」だった。つり革にも猫の手がついている、非常によくできたかわいいデザイン。

うっかり撮影し忘れてしまったが、またぜひ陽気のいい日に乗りに来たい。

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2020年1月17日 (金)

真冬の多摩川、枯れ野

<https://chisako-fukuyama.jimdofree.com/japanese-style-paintings-1-膠絵/p> 

だいぶ遅くなってしまったが2019年大晦日の記録。

12月31日

川沿いの立ち枯れた植物を見たくて多摩川へ。

川が分かれてできた水溜まり。

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水は透き通っていて緑の水草が青い空をさらに濃い色にし、細い枝を映していた。

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大きな台風で川が氾濫した時に流れて来た枯草たちが樹の根元に引っかかったまま。

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建物もない、人も見えない、吹きっ晒しの川べりの草の中。風の音と鳥の声。私の大好きな風景。

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だいぶ穂綿は飛んでしまった光るススキが揺れていた。

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西武線の駅から京王線の駅へと3時間半ほど川沿いを歩いた。

枯草の中には小さなイヌフグリの空色の点々、斜面の陽だまりにはハルノノゲシの花が元気に咲いていた。

乾いた木陰には思いっきり派手なネックレスのような、こんがらがったヤマノイモの蔓。

夢中で撮っていたらメモリーカードの空きが無くなってしまった。

きょうは暖かくなるという予報に騙されたように、午後から強い北風になり、吹き飛ばされそうになる体を踏ん張りながら土手を歩いた。

耳がキーンと凍えてガチガチ、鼻水ダラダラ、温かい食べ物が恋しくてたまらず、よくやく駅に着いてすぐ蕎麦屋を探した。

まだ夕方だが年越し蕎麦になった。

 

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2019年11月26日 (火)

江戸菊の咲き方の変化 / 旧友Mと会う 

11月15日

江戸菊の咲き方の変化、「追抱(おいがかえ)」、「褄折抱(つまおれがかえ)」、「丸抱」、「乱れ抱」、「自然抱」、露心抱(ろしんがかえ)」、「管抱(くだがかえ)」という7通りの名前についての説明をぜひとも読みたくて、新宿御苑インフォメーションセンターの「菊花壇解説展」へ。

江戸菊の変化の種類についての説明ボードはなかった。

事務の職員さんに尋ねたが、HPはずいぶん昔の資料から書き写したもので、詳細はわからないとのこと。

ひとつの株から500以上の花を咲かせる大作り花壇の制作過程、設計図と職人さんたちが1年以上かけてやっている繊細な作業のVTRは面白かった。茎の丈をどうやってきれいに合わせていくのかがVTRを見ても今ひとつわからなかったので、そこに興味を持った。

菊花壇の近くの池のほとりに、なぜか人を怖がらない鷺が日向ぼっこしていた。

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11月20日(水)

高校からの友人Mと高円寺で会う。

彼女は朝5時に起きて仕事前にプールやテニスに行ったり、とにかく活動的。最近はフランス語検定のために勉強していたという。

以前に連れて行って彼女が気に入ったBという店でランチ。

Mは普段は普通に肉食しているが、私と会う時は私に合わせてくれて肉類を食べない。

私が昨年イタリアに行った頃、彼女もジェノヴァに1週間行ったそうだが、いろいろとトラブルに巻き込まれて疲れたそうだ。イタリア在住の友人チナミさんに、初対面にも関わらずあまりにも大事にされたこと、あり得ない幸せだとMも驚いていた。

アミアタ山の猫のことでさんざん苦しんだ話をする。Мのほうでも、彼女のお母さんが貸しているアパートの部屋で、老夫婦が猫の多頭崩壊を起こしていて目を覆うような惨状だったという話を聞く。

それにまた、Мが自宅近くで弱っている野良猫を動物病院に連れて行って、外猫として飼っていたが死んでしまった話。ご主人と一緒に、猫を庭に埋めたそうだ。

それから、最近ずっと私が迷っている終の棲家について尋ねてみた。

Mは結婚してまもなく家を買ったのだが、「畑仕事ができて、テニスができれば、もっと田舎に引っ越してもいい」と言ったので驚いてしまった。

私は都会が好きだ。同じ西新宿で育ったMも都会が好きなのかと思っていた。彼女は大学を卒業してすぐ外資系の銀行に勤めて以来、ずっと銀座、汐留あたりで働いでいるので、もう都会には飽きたのかもしれない。

私もオフィス街や高級ブランドの店は好きではないけれど、小さくて個性的な店がびっしりくっついて狭い路地が入り組んでいるような裏通りはすごく好きだ。雑多な人たちが行き交う感じ。

奇妙な古着を着てサンダルを引っかけて、気ままに歩き回れる感じ。ガラクタの中から宝物を探すのが好きなのだ。

昔は紀伊国屋書店の下の商店の連なりも闇市の空気を残す魅力的な場所だった。十二社の商店街も楽しかった。

昔の新宿はもうどこにもないので、今は高円寺が気に入っている。

そしてなによりも重要なのは都会の干渉されない感じ。

絡まり合って繁茂した植物も私にはなくてはならないものだが、私がずっと求め続けている植物群は里山ではなく、東京郊外の多摩川などの川岸にあるのだと最近気がついている。私は結局、武蔵野が一番好きだ。

Mは私からデッサンを習いたいと言った。

「だってね、絵に描いてみなければ、私なんてなんにも見てないと思うの。」とMは言った。

受験用の絵をやるわけじゃないので、ビール飲みながら楽しいデッサン会をやろう、と約束した。

 

 

 

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