旅行・地域

2018年7月28日 (土)

北海道の旅の記録 その7 帰京

7月21日(土)

朝6時過ぎに起床。陽がはいらないように灯りとりの窓を段ボールとガムテープでふさいでもらったが、それでも朝から蒸し暑くて目がさめてしまう。

北海道に来た最初の日は寒くて、夜、こたつにはいっていたくらいなのに、気温は一週間で大きく変化した。

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毎日、摘んでも摘んでもたくさんの実をつけた庭のラズベリーともお別れ。

「ジャムってどうやってつくるの?」と聞かれ、「果物の半分の重さの砂糖をいれてゆっくり煮詰めるの。くれぐれも水は入れないでネ。」と応える。

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「いろいろ怒ってごめんなさい。」と謝りつつ、古いものを食べるのは身体に悪いこと、老化を進めることを説明する。

10時まではできるかぎりスクリーントーンなどの作業をお手伝いする。

雪の時期の写真を見せてくれた。アルミサッシの引き戸の鍵のあたりまで(1mくらい)雪が積もっている。

「こんなに毎日積もるの?だいじょうぶ?」と驚くと、「俺、雪かき好きだもん。」と。雪かきをすると10分で身体が熱くなって汗が出てくるという。

私は逆。寒い日に外に出ると5分足らずで耳が痛くなり、頭痛がしてくる(気温に合わせて体温調節ができない自律神経失調)。雪が積もる地方で元気に生活できる人はうらやましい。

札幌の郊外で車も使わずに生活するのは過酷だと思う。

たいへんお世話になったお礼を言って握手。お互い、元気で、また会いましょう。

家のすぐ近くの白樺の林ともお別れ。

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10時過ぎのバスで帰る。バス停近くのハルジョオンの野原。

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バス停の横に咲いている点のように小さい(花径2mmほどの)ピンクの花がとてもかわいい。倭性カスミソウだろうか。

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見たこともない大きなアリがいた。
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バスの窓から見える山々。
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ひとつひとつのことが新鮮で、心に残る旅。特に野付半島は最高だった。

6時頃帰宅。

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ちゅび(ぴょんすけ)が大きくなっていた!!

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2018年7月27日 (金)

北海道の旅の記録 その6 札幌円山原始林 円山動物園

7月20日

明日は東京に帰る日。

朝、花輪さんに「ブルーチーズがあるよ。」と言われ、喜んで食べようとしたら、4月の賞味期限のものを冷蔵庫に入れないでずっと廊下に置いていたという。

「わざとだよ。熟成してどれくらいおいしくなるのかみようと思って。」と言われ、私は怒ってしまう。

「熟成じゃなくて腐敗!ブルーチーズは、スーパーで賞味期限ぎりぎりで半額になっているのでさえ、すでに熟成が進みすぎていて臭くて食べられないのが多い。冷蔵でも開封してすぐに食べないとまずくなるのに。」と私。

「花輪さんはおかしい。吐き気がするくらい生臭いものを全然感じない。2、3日前のお刺身をナマで食べるなんて異常。シメサバは封を切ってから何日も食べていたら蕁麻疹が出る。トウモロコシも買ってすぐに茹でなきゃまずくて食べられないのに、常温に何日も置いとくなんて最悪。どうして北海道まで来て、味のないシワシワに腐ったトウモロコシ食べなきゃいけないの?」

私はグルメじゃないし、贅沢はしないけれど、わざわざ新鮮でない魚や野菜を食べたりするのだけは我慢できない。

花輪さんは「痛んでたら臭いや味でわかるでしょ?」と言う。私には耐えられない臭いや味や、カビがはえているものも「痛んでいない」と言うのだ。ニコチンのせいで麻痺しているのかもしれない。

きょうは一日、ずっと原稿のお手伝いをしようと思っていたが、私ができる部分は全部終えてしまったので、ひとりで円山の原始林(天然記念物)と動物園に行ってくることにした。

この日、札幌は29℃。バスと地下鉄を乗り継ぎ、2時頃に円山公園駅に着き、人に道を聞きながら原始林へ。

花輪さんが言っていた素晴らしいカツラの巨樹は麓付近に何本もあった。

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森の中全体にカツラの樹の甘い香りがしていた。

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暑い盛りなので、残念ながらリスたちには会えなかった。

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登山道は一部、ぬかるんでいて、スニーカーでもちょっと歩ぎづらかった。

29℃での登山はきつかった。きょうの札幌の原始林はぜんぜん涼しくなく、釧路湿原や野付半島で歩くのとはまったく違った。

たまにすれ違う人はみな、本格的な登山の服装でストックを持っている人が多かった。

しばらく登って、普段では考えられないくらい猛烈に汗が噴き出し、身体中がべたべたに濡れてしまった。顔がのぼせ、心臓がばくばくし、これはまずい、熱中症で倒れてしまうのではないか、と恐怖を感じた。

スカートが汗で足に貼りついて歩きにくく、スカートで来てしまったことを大後悔。念入りに虫よけをスプレーして来たが、カやハエがぶんぶんうるさく、辛かった。

(ヒトスジシマカに脚を刺され、一週間経ってもまだかゆく、真っ赤に腫れている。)

途中で何度も引き返そうかと思ったが、もうすぐ頂上に着くのかもしれないと思い、歩いてしまった。

(頂上近くは花輪さんの好きなヤマブドウの蔓が多かった。)

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思ったよりずっと時間がかかり、50分くらいでやっと頂上に着いた。頂上から札幌の街を一望する。

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頂上にも涼めるところはなく、すぐに下山。 

もう一つのコースから登って来た年配のご婦人(やはり本格的な登山の服装のかた)と言葉を交わした。「こんにちは。そちらの道はきついですよね?」と尋ねると、やはり私の来た道のほうが、距離はあるが緩やかだとのこと。

道の真ん中にメスのカブトムシがのそのそ歩いていたので、樹の幹に移動させた。

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動物園の閉園時間が迫るのであせって下るが、ぬかるんでいたり、滑りやすかったり、木の根につまづいたりで、けっこう脚に負担がかかってきつかった。

3時半頃、ようやく動物園着。とりあえず自販機で冷たい飲み物を買って飲む。

レッサーパンダの居場所を探すが、一番奥のアジアゾーンの寒冷地帯が、ちょっとわかりにくくて、ここでもさらに時間がかかってしまった。

やっとレッサーパンダに会えて感動。

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この子はセイタ。

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ここ、円山動物園は、人も冷房のきいた館内にはいってガラスなしで見ることができるのが素晴らしい。

こちらはガラス越しに見るギンとココ(だったと思う・・)。お手てで嬉しそうに仲良くりんごを食べる。

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これ以上屋外にいたら具合が悪くなったと思うが、4、50分ほど冷房のきいた館内でかわいいレッサーパンダに夢中になっていたら、体調も回復した。

レッサーパンダの向いにいるクマも元気に水遊びしていた。

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駅への帰り道、円山公園でポプラの巨樹を見た。ポプラは縦に細長いイメージがあったので、こんなに立派なのを見たのは初めて。

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公園には、まだアジサイが咲いていた。

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円山駅周辺で食料を買い物。円山のスーパーでも佐賀産のアスパラ198円が売られていた。道内産のアスパラは特別なブランドなのだろう、一束500円くらい。九州から運んで来たアスパラのほうが道内産よりずっと安い。

道内産のトウモロコシも一本400円くらいしていた。果物や野菜は東京のうちの近所のスーパーのほうが安い。

夕食は私が作った。ヨモギ入り生モッツァレラのカプレーゼ。アンチョビと夏野菜(庭で収穫したミニトマト、ホウレンソウ、買ってきたインゲン、パプリカ)のパスタ。

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「作るのがすごく速いね~。」(私は作業も歩くのも速いほうだ。)「うまい。すごくいいもん食べてんだなあ。俺なんて豚みたいなもの食ってんだなあ。」と言われる。

夜は原稿の手伝い。相当進んだ。「こういうのゲバ字とかトロ文字っていうんだよ。」と言いながらがんがん書いていたら、「よく下書きなしで早く書けるね~。俺だったらまだ最初の1文字下書きしてるな。」と。

「これくらいやってもらったら、もう締め切りには間に合いますよ。」と言われて、一応ほっとした。締め切りだけが気がかり。

花輪さんは東アジア武装戦線「狼」の大道寺将司に興味がある。「実の母親と2歳くらいで別れているんだよね。爆破なんてするのも、母親に気づいてほしいという感情があるんじゃないかな。」と言った。

政治とか経済とか、花輪さんにもっとも関係なさそうなものをどうして描くの?と尋ねると、わからないけど興味があるのだという。

夜11時近くに外に出て星を眺めた。人も車も通らない、物音ひとつしない道。さらに街灯のないバス停横の野原の空は広い。

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2018年7月25日 (水)

北海道の旅の記録 その5 釧路湿原 北斗展望台 霧の風景

7月19日

きょうも釧路は曇り空。

今日で釧路とはお別れ。この日はゆっくり起き、8時半頃に朝食(バイキング)。11時にチェックアウトしてから駅のコインロッカーに荷物を入れ、駅周辺を散歩。

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線路脇に何気なく咲いていて、誰も目に留めない、抜かれるでもない野性の草花たちが愛しい。ノコギリソウ、マツヨイグサ、アカツメクサが多い。

花輪さんも名前を知らなかったエノコログサ(ネコジャラシ)とチガヤの中間のようなイネ科の植物。

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この東京では見ない紫のベルフラワーも釧路にはよく咲いていた。

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帯広から釧路では原っぱに野生化した紫、赤紫、薄桃、白のルピナスを幾度となく電車やバスの窓から見たが、写真に撮ることができなかった。

17日に釧路に電車で着いた時に、最初に目に飛び込んで来て、すごく気になった「鉄北ショッピングセンター」という消えかけた文字が見える古い建物。
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地下道を通って線路の向こう側へ渡り、この建物の裏側を見てみる。

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その手前で茎が帯化した黄色い野菊を見つけた。花輪さんは「こんなの初めて見た」と言った。

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私は廃屋の横に咲き乱れている雑草が大好きだ。
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「鉄北センター」の中にはいってみた。かつて栄えていた頃の飲み屋がいっぱい。呉服屋もあった。全部閉店している廃屋に見えた。(もしかしたら夜はどこかに灯りがともるのだろうか?)

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この建物もずいぶん前に閉店している様子。
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電車からも目立つ、この駅前の大きなピンクのビルも廃墟。

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1:25の阿寒バスで釧路湿原展望台に行ってみた。14:03展望台前着。

建物のすぐ前の植え込みに真新しい鹿のフンがあった。

ここは建物は立派で入場も有料(470円)なのだが、てっぺんから見ても手前の森林が見えるばかりで、ほとんど湿原は見えない。

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まわりの歩き方を解説してくれるガイドさんがいらして、木道を1時間でまわれるとおすすめされたが、15:10のバスで釧路に戻らないといけないので無理。

片道15分で行けるサテライト展望台まで往復することにした。

ウラジロマタタビ(サルナシ)の花だろうか。山の中にはとてもよい花の香りが漂っていた。

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こちらがミヤママタタビ。釧路に多い。葉が白くなるのがマタタビ、ピンクになるのがミヤママタタビだそうだ(花が地味なので虫に気づいてもらうため)。
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時計を気にしつつ、やや駆け足でサテライト(北斗)展望台へ。
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サテライト(北斗)展望台からの眺め。釧路湿原展望台の建物からよりは俄然眺望がよい。ここに来てよかった。
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15:10発のバスで釧路に戻ると冷たいほどの霧が降っていた。

ロッカーから荷物を出し、少しの食べ物を買って改札を入ると、もうあと2分で16:14発「スーパーおおぞら」が発車するところだった(バスが予定より10分遅れたようだ)。

「喫煙所に行ってくる」という花輪さんを止めて電車に乗りこむ。

霧にかすむ幻想的な野山の風景を見られた。私は右の車窓、左の車窓と行き来しつつ、夢中で写真を撮った。

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もうこの旅も最後。

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胸が切なくなる流木と灰色の海ともお別れ。

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海の手前の草原に、白いシシウドに混じって濃い赤紫の花が点在するのが、行きの列車の窓からも気になっていた。色からするとレブンソウだったのだろうか。

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20:15に札幌着。

急いで地下鉄で移動し、スーパーが閉まる9時前ぎりぎりに駅から走る。花輪さんは釧路で発車前に喫煙所に行けなかったので、煙草をふかしながら走っていた。

スーパーで5、6分で慌ただしくお互いの食べるものを買い、蛍の光に追い出されてバス停に向かうと、花輪さんが買ったものをスーパーにと忘れて来てしまったという。

私が猛烈ダッシュして戻り、商品を受け取る。花輪さんは「ほらね、タバコ吸わないと忘れ物とかするんだよ。」と。「そんなこと言われても・・」と私。

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2018年7月24日 (火)

北海道の旅の記録 その4 野付半島 トドワラ 尾岱沼

7月18日

(写真はすべてクリックすると大きくなります)

釧路は曇り。どんより暗い空。

今日はこの旅のクライマックス。死ぬまでにもう一度だけ行ってみたいと何十年も思っていた「この世の果て」、トドワラに行く日。

朝5:40起床。6時から朝食(バイキング)をとり、7時前に阿寒バスの釧路ターミナルへ。

「野付半島・トドワラ散策 トドワラ号」5600円のチケットを買う。このツアーは、標津町ターミナルまでは路線バスで、そこから野付半島ネイチャーセンター行きの「トドワラ号」に連絡となる。

釧路7:25発。乗る時に運転手さんにチケットを見せたら、なんと、このツアーのことを知らなかった。「なんですか?初めて見た。」と言われて唖然。

私たち二人のほかには、同じツアーのチケットを持ったお客さんは女性のかた一人のみ。路線で乗り降りするお客さんも少なく、バスは空いていた。

出発してすぐ、「別保」の辺り、童謡の「春の小川」のような風景。こういう細くて舗装されていない植物に覆われた川を見ただけでも、素敵!とときめく私。だがここはまだ、旅のほんの序奏。

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バスは釧標国道を北東へ行く。山道を過ぎ、「鹿又(かぬまた)農園」の前辺りで、曇り空がぱあっと晴れ、劇的に輝いてきた。

「南阿歴内(みなみあれきない)」、「北方無去(きたかたむしさり)」という面白い名前のバス停が心に残る。

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澄んだ空気と、ずっと続く青空と緑輝く牧場風景。

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車窓からこれらの眩しい景色を見られるだけでも心がはずむ。

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この辺りで花輪さんから「やっと胸にたまってた疲れがとれて来た。」という嬉しい言葉が出た。「ずっといつも仕事のストレスで胸のここらへんに何かがあって、力が出ないんだよね。」という。

今年のまだ寒い頃に、この夏に一緒に旅する約束をしていたのだが、今回、特に原稿に苦しんだそうで、この忙しい時に大切な時間と体力を奪ってしまっていいのか、私は悩んでいた。

花輪さんは仕事に追われ、札幌に住んでいても、北海道らしい風景の場所に旅する余裕もないそうだ。

「中知安別(なかちゃんべつ)」、「茶内分岐(ちゃないぶんき)」、「74線」を過ぎる。ここら辺を「ミルクロード」というのかな、と思う。

原野ごとに「○線」という地名がついているらしく、北に向かって、バス停の「○線」番号が若くなっていった。

「共春(きょうしゅん))というバス停に着いた時、突然、運転手さんが車内アナウンス。「標津で乗り換えのお客様。7分遅れていますがだいじょうぶですか?」と言われる。

「は?(私に言ってるの?)」と首を傾げると「お客様!あれ日本語のわからないお客さんかな?」と言われ、イラっとくる。

「乗り継ぎ、間に合いそうですか?」と信じがたいセリフをバスの運転手さんに吐かれ、「初めて乗るのでわかりません。ぎりぎりだと思いますけど。」と私。

(はあ?阿寒バスのツアーなんだから責任持って乗り継ぐのはそちらの仕事でしょ?お客に尋ねて不安にさせるっていったいどういうこと?間に合わなくて次のトドワラ号に置いて行かれることなんてあり得るの?)」と、頭の中では言葉がくるくる回り、むっとする私。

中標津営業所で運転手交代となった(今度の若い運転手さんは手馴れていて信用できそうだ)。

光る海が見えてきた!

標津町バスターミナルに着き、ちゃんと待っていてくれている「トドワラ号」を見てほっと一息。トイレ休憩。すぐ上を舞うカモメの声に胸が震える。

「トドワラ号」で野付国道を行く。左の窓からは澄んだ空色の海。釧路の灰色の海とはまったく違う海。

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右の窓からは「茶志骨(ちゃしこつ)」の湿原。

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シシウド、ハマナス。樹の上にとまったオジロワシが見えたが写真には撮れなかった。

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そしてナラワラ(ミズナラの立ち枯れ)。

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この何も余計な(人為的な)ものがない景色に涙が出てくる。

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干潟、草原、高層湿原、森林が同時に見られる、まさに秘境の光景。

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細長い野付半島をバスはひた走り、(昔、私が来た時はなかった)ネイチャーセンターに到着。

なんと駐車場には大人しそうなキツネがいた。

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「野生動物に食べ物をあげないでください」という看板が出ている。理由は車に轢かれてしまうようになるから、自分で食べ物を採れなくなるからなどなど。
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金色の眼。このキツネは、寄っては来ないが必死で逃げはしない。中途半端に慣れているようだ。

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換毛の途中のようだったがやせていた。どうか元気で。

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ネイチャーセンターでトイレ休憩するのも時間が惜しいくらいだった。ネイチャーセンター裏の景色。海の美しさに胸が震える。

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トドワラ桟橋まで約2km。眼が眩むような強い陽射し。

紫外線アレルギーで顔中に痒い湿疹ができてしまう私には、普段なら絶対に外に出ない真夏の真昼間(しかもサングラスをホテルに忘れて来た)。

だがこの不思議で美しい景色をじかに体験できる嬉しさでストレスは感じなかった。

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まるで果てしなく続くように見える原野。シシウド、ハマナス、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメなどが咲き乱れていた。

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ハマナスは甘い薔薇の香りがする。

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40分ほど歩き、ついに来た。トドワラ。

以前来たのは20数年前の10月の夕方。その時、この辺りは一面、紅色のサンゴソウの中、白い骨のようなおびただしい(海水の浸透圧によって立ち枯れになった)トドマツ。

その薄闇色と白、紅色の幻想的な風景の中をキタキツネがぴょんぴょん跳ねていた。

それは生と死の交錯するこの世のものとは思えない神秘的な風景だった。

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ここから木道の上を進むと、まばらにトドマツの枯れ木の残骸が見えて来た。

今はほとんどトドマツが残っていない。それでもやはり荒涼とした最果ての光景に胸がしびれる。

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写真手前に写る白っぽい筋のようなものが、トドマツの枯れ木がモロモロに崩れたものだとわかる。

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至るところ、この枯れ木の崩壊した繊維のようなものが堆積していた。

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ついに遊歩道の最先端。「この世の果て」の風景。木道から降りることは禁止。
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枝をつけて立っているトドマツの白骨は5、6本くらい。枝のない棒のようなのがあと数本。

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人の手を拒否した景色。

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とどまることのない変貌。衰滅に次ぐ変容の、のちの変容。

やっとここまで来ることができ、この生きて動いている不思議で淋しい風景をじかに見て感じることができ、私は満足です。
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今歩いて来た木道を振り返ると、このような景色。
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トドワラから左折して桟橋まで10分ほど歩く。

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海は浅く、アマモ(海藻)がいっぱい。シマエビが泳いでいるのが見える。
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桟橋の入り口。

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私たちの乗る船が待っているのが小さく見える。

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陽気で親切な観光船ガイド(野付半島ネイチャーセンターの職員さん?)のお姉さんに案内されて乗船。

乗る前に双眼鏡を覗きながら「きょうはアザラシが来ていますね。」と言われる。普通の人は双眼鏡で見てもわからないが、慣れている人にはアザラシだと認識できるそうだ。

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船に乗ってからも信じられないような目を見はる光景。

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トルコ石の色、セルリアンブルー、パリッシュブルー、アズールブルー、白群、水縹、薄浅葱、露草、デルフィニウム。

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この微妙な青を言葉にすることができない。

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完全に凪いだ鏡のような海に空が映っている。

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気持ちよさそうに泳ぐアザラシの群れ。

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すべてが一期一会の光景。

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ガイドさんの素晴らしい解説によると、野付半島は全長26kmの日本最大の砂嘴で、その名前は、アイヌ語の顎を意味する「ノッケウ」という言葉から来ているそうだ。

航空写真で見ても野付半島は、どうやってこのような精妙で妖しい地形が成り立ち得たのか目を疑う、奇跡的に魅惑的な様相をしている。

「ナラワラを遠くから眺めると大小ふたつの林に別れているのがわかる。アイヌ語で大きいほうをオンニクル、小さいほうをポンニクルと呼びます」と言っていたと思う(この部分、聞き取りが不確実です)。

「擦文文化とオホーツク文化が合わさってアイヌ文化が生まれた」ということだ。

この地方でも今日のような陽光に輝く天気は多いわけではなく、たまたま幸運だったらしい。

尾岱沼の桟橋に着く。すっかり野付半島にしびれてしまい、この地を去るのがとても名残惜しい。

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尾岱沼では国道にポツンとあるバス停で路線バスを待つ。見渡す限り、私たちツアー客3人しか人はいない。

バス停の手前にあった廃屋。

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20分ほどで今朝「トドワラ号」に乗った標津町のターミナルに着く。

標津町ターミナルで阿寒バスの職員さんに「トドワラどうでしたか?先端まで行ったんですか?と話しかけられ、「とても素晴らしかったです。」と応え、少しおしゃべり。

「トラクターに乗らないで歩いて行かれたのですか?距離があったでしょう。」と聞かれ、「歩きました。海がきれいすぎて夢中で写真を撮ってたんで、歩くのは全然苦じゃなかったです。トドワラのトドマツはもうほとんど無くなってたんですけど・・それでもすごい風景で、素晴らしかった。本当に行ってよかったです!」と応える。

「それはよかったです。そうですか。私は先端までは行ったことないんですけど。トドワラ無くなってましたか・・・先日、私は阿寒の原生花園に行ったんですけど、そこも前より花がなくなってたんですよ。」

「ええ?ほっといても生えてくるんじゃないんですか?」「昔はほっといても生えて来てたんですけどねえ、最近は変わってしまって・・。」(やはり異常気象のせいなのだろうか?)

「このトドワラツアーのご案内のプリントも、ここで作ったんですよ。」と言われ、「プリントもわかりやすくていいです。見どころ盛沢山で値段もお安いし、車に乗れない人にとっては最高のツアーです。ありがとうございました。標津までの牧場風景を見られるのも素敵でした。アレキとか、ムシサリのあたり・・・」と私。

20数年前に東京から一人で北海道に来て、釧路のユースに泊まったこと、そこのペアレントさんが、宿泊者全員をマイクロバスで「開陽台」、「十勝温泉」などに連れて行ってくださったこと、その中でも「トドワラ」がもっとも心に残り、いつかもう一度来たいと思っていたことをお伝えする。

「釧路のユース・・ありましたねえ。」と言われてしみじみする。ついでに今朝、釧路発の運転手さんに「遅れてるけど間に合いますか?」と聞かれたことを伝えた。

「間に合わないこともあるのかって思って、トドワラ号に乗れなかったらどうしようってひやひやしました。」と言ったら

「無線で連絡とり合っているので、遅れてもだいじょうぶなんですよ。」と言われる(当たり前ですよね。人件費削減で臨時雇いの運転手さんだったのかな?と思う)。

帰りもミルクロードで牧場風景を眺めながら釧路に戻る。

釧路に着くとやはり霧でどんよりしている。

夕方、和商市場でいくつか小さなお刺身を買い、ホテルの冷蔵庫に入れてから、港のほうに散歩。

今年はサンマが不漁でたいへんだというニュースを毎日TVでやっているが、ちょうどサンマ漁の船が港を出るところだった。漁師さんたち、異常気象が続きますがどうかお気をつけて、ご無事で。

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釧路の灰色の港風景。

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2018年7月23日 (月)

北海道の旅の記録 その3 釧路湿原 細岡展望台

7月17日

11:53発の「スーパーおおぞら5号」で釧路へ。

時間に余裕を持って出発の30分以上前には札幌駅に着き、車内で食べるものなどを買った(「スーパーおおぞら」は車内販売がない)。

花輪さんは庭で採れたシソを巻いた玄米の大きなおにぎりを3つ持って来ていた。彼はこまめに天然水を買ってしょっちゅう飲んでいた。私はホタテの佃煮と生の和風チーズと札幌クラシックビールを買った。

座席に着いてもう2分くらいで出発というアナウンスを聞く時になって、花輪さんが「ちょっと喫煙所行ってくる」と席を立とうとしたので私は動揺する。

「さっきまで喫煙所で吸ってたでしょ。なんで発車直前になってまた行くの?乗り遅れたらたいへん。」「さっきは1本全部吸ってなかったから。」と言って花輪さんは飛び出して行った。

(この、数分前に吸っていたのに、さらに発車直前に不安になって吸わないではいられないニコチン中毒の件について、のちに軽く言い争いになる。)

出発してからはずっと車窓から外を眺めていた。何気ない打ち捨てられた風景にとても旅情を感じる。

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釧路の手前、直別(ちょくべつ)、尺別(しゃくべつ)、音別(おんべつ)という「別」という字で終わる駅が3つ連続する。

その辺りの海は、人っ子ひとりいない、流木が打ち上げられた淋しい景色だった。海の手前の草原には白いシシウドが咲いていた。

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いくつもの川を渡って釧路に着く。それぞれの川のかたちの面白さを見ていた。

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15:56に釧路着。すぐに16:05発の釧網線に乗り換えて釧路湿原駅へ。

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鹿が見られるといいなと思ったがなかなか見られなかった。

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北海道の野生のフキはとても大きい。このあと、これよりもっと大きいのをたくさん見た。直径1mくらいの葉もある。
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駅から10分ほど歩いてビジターセンターへ。そこから山を登って釧路湿原細岡展望台へ。

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晴れていて夕焼けに照り映えていたらきれいだったと思う。

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あいにくきょうは曇り空。どんよりしていて、私には寒いくらいの天気だった。

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6000年前、ここは海だったそうだ。だから「キラコタン岬」、「宮島岬」という名前が残っている。

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白からさらにピンクに変化している見たことのない葉の樹があった。ヤママタタビらしい。国定公園なので、ちゅびへのおみやげに摘むことはできない。
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帰りは18:25の電車を待つしかない。細岡展望台ビジターセンターは18時に閉館してしまうので、無人駅で電車を待つ。

1両しかない釧網線。19時前にホテルにチェックイン。

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釧路の駅前は廃屋がいっぱい。
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ホテルのフロントで紹介してもらった非常に大衆的な居酒屋で夕食。おかみさんはタメ口で大雑把な感じ。

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二人ともウニ丼1200円を選んだ。安いけれど明らかにミョウバン(アルミ化合物)の味がする国産ではないウニ。

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イカの刺身、ツブ貝の刺身各500円はおいしかった。花輪さんは5品300円のおでんを注文した。

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北海道の旅の記録 その2 札幌

7月16日

きょうも小雨と曇りで過ごしやすかった。昼は21℃、夜は16℃くらい。

曇りでも明かりとりの窓から入ってくる光が眩しくて、朝は6時過ぎに目覚める。

花輪さんがログインできなくて何年も使っていないというPCを使えるようにするため、9時を待ってNTTに電話(本人に頼まれて他人がやっているという証明のため、本人を一度、電話口に出さないと話を進めてくれなかった)。

次にNECに電話し、PCの初期化、初期登録を行う。必要なログインIDやパスワード、サポート窓口の電話番号などを書いた紙をPCの周りに貼り付ける。

午後、山道を15分ほど下ったところの(北海道ではポピュラーらしいセイコーマートという)コンビニにひとりで買い物に行く(ハイター、ファブリーズ、紅茶など)。

東京では5月に花期が終わったスイカズラがまだ咲いている。タンポポやハルジョオンも咲いていた。
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このあたりにはどこにでも生えている白いレースフラワーが可憐でとてもきれい。

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夕方、花輪さんが北海道で1998~1999年頃に水彩スケッチしたたくさんの植物の絵を見せてくれた。

カツラ、クルミ、コブシ、ホオノキ、ハリギリ、カシワ、ヤマブドウ、フキ、ノコンギク、ヤマノイモ、クマザサ、ヨモギ、サラシナショウマ、イタドリ、イヌタデ、ノイチゴ、オオバコ、ギシギシ、ススキ、シシウド・・・叢の細かい線の絡まりあいも妖艶に、響き合う豊かな色で溢れている素晴らしい絵たち。

ここに絵の写真を載せることはできないので、貧しい言葉で表現するしかないのだが・・その中でもっとも完成された一枚の絵。

一面のヤマブドウの葉。橙色、黄土、枯葉色、山吹色、黄緑のグラデーション。画面の中心に朱に黒紫の斑の一番美しく紅葉した数枚の大きな葉。その下に宝石のような藍色のヤマブドウの実を摘む少女。

脇役として繊細な白い花をつけるサラシナショウマやソヨソヨしたヨモギも描かれている。

この日は旅でのロスを埋めるため「風水ペット」の原稿のアシスタントをできる限りやった。かくのがすごく速いと言われる。

花輪さんはネットで画像を見て資料にするのではなく、自分が以前にスケッチブックに描いたデッサンを見て描いているのがすごい。

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2018年7月22日 (日)

北海道の旅の記録 その1 札幌

7月21日

一週間ぶりに東京に戻ったら36~37℃の地獄のような暑さに息が詰まる。

阿部弘一先生から新しい詩集『葡萄樹の方法」(七月堂)が届いていた。

ちゅびが大きくなっていた!運動能力がすごくなっていた!

ちゅびのヒゲが全部短く切れていたのでびっくり。自分の脚でカッカッと掻くせいでブチ切れたらしい。時々そういう子がいるとのこと。

7月15日から21日まで北海道に旅していた記録。

7月15日

朝10時半頃、家を出、羽田へ。

1時発の便だったが、札幌上空に雨で着陸できない飛行機がたまっていたため、1時間遅れの出発となる。携帯を持っていない私は、羽田空港の公衆電話からテレホンカードで花輪さん宅の電話に連絡する。

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新千歳からJRの快速エアポートに飛び乗り、4時30分頃、JR札幌駅着。西口イランカラプテ像前で待ち合わせ。

万一うまく会えないことだけが心配だったが、、会えてほっとした。

庶民的な人気のお寿司屋さんで久しぶりの再会を祝う。いろいろ食べてお酒も飲んで、二人で4000円。
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ホタテの稚貝の味噌汁。こういうものが安く食べられるのが嬉しい。

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「以前、グルメな編集さんがすすき野の二人で数万円するお寿司屋さんに連れて行ってくれたんだよね。そしたら魚の味が、とろけるみたいっていうのかな。」ということで、そこに行こうかと言われたが、私は食べ物に高いお金を使うのがもったいなく感じる性分なので断った。

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エドウィン・ダン記念館。

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スーパーで買い物してバスで家へ。

私は北海道仁木町産のサクランボを買った。私は果物の中でサクランボが一番好きだ。

今年はサクランボが豊作で、東京でも安かった(200g298円くらいだった)ので、6月は毎日1パックずつ食べていた。仁木町産のサクランボは、さすがに北海道でも旬を過ぎて、味が抜けていた。

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もらって開封してから2年以上経っているという「男山純米大吟醸」と、今年の1月に買ってみたという「寒酒」を出してくれた。

純米大吟醸300mlを1日で飲み切る私には、古くなった日本酒の味は奇妙すぎて、あまり飲めなかった。ほとんどお酒を飲まない花輪さんは、味の違いがわからないという。
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庭で採れたほうれん草のおひたし。
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庭のラズベリー。

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オランダ在住の田中未知さんから送られてきた種から生えたという薄青紫の花。調べたところ、 瑠璃苣(ルリジサ、ルリヂシャ、Borago officinalis)、英名はボリジ(Borage)というらしい。

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リビング兼仕事部屋にはまだ炬燵が出ていた。夜は少し寒いくらいに感じた(16℃くらい)。

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2018年6月 7日 (木)

ふわふわのソラ、ミンごろう、マミー商店街

6月2日(土)

きょうも多摩川の中流方面へ。拝島からあきる野、秋川方面へ行ったが、私の求めている蔓草が絡まり合った薄暗い林や、小さな美しい水溜まりは見つからなかった。Googleマップの空撮で調べてから行ったのだが、この辺りは樹のない葦原ばかりで失敗だった。

小さな三日月湖のような水溜まりと倒木。最初に入ったここだけは少しよかった。

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27~28℃くらいだが日差しが強すぎて汗だくになった。

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くじら池。釣り人が何人もいた。
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きょうのレッサーパンダコーナーは、暑いせいか屋外には誰もいず、ガラスのお部屋の中にはソラちゃんだけがまったりとご飯を食べ、いろんなところにすりすりと匂いづけをしていた。

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多くの人が「あ!レッサーパンダだ!かわいいなあ。」と言った後に、「あれ?このレッサーパンダ、大きい。」などと付け加える。
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そう言えば・・・(笑)・・最近、ソラばかり見慣れていたせいか気づかなかったが、ソラは普通のレッサーパンダと違う、赤ちゃん(ジャイアントパンダのような)体形だ。

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ソラは、やたらにふわふわ、ぽわぽわ、まるまるしている。2月8日にラテと交尾が確認されたと書いてあったが、もしかして妊娠しているのかなあ。

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ラテとソラの赤ちゃんだったら、もう悶絶レヴェルにかわいいだろうなあ。

チリーフラミンゴのミンごろうちゃんは、1958年から2003年まで上野動物園にいたそうで、少なくとも59歳にはなっている。国内最長老のフラミンゴさんだ。エリック・ドルフィーのように額の部分が盛り上がっているのですぐ見分けがつく。
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団地の庭は花盛り。カシワバアジサイ。

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ホタルブクロ(カンパヌーラ・プンクタータ)。

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タチアオイとデルフィニウム・シネンシス。

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キツネノテブクロ(ジキタリス)。この花はイングランド湖水地方のベアトリクス・ポターの庭で見てから大好きになった。

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バスの窓から見てとても心惹かれていたレトロな商店街に行ってみた。団地に直結して昭和49年にできたもので、マミー商店街というらしい。
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ちょっとアメリカやヨーロッパの片田舎を思い出す雰囲気がある。
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きれいなオブジェのようになったゴミ置き場の壁のテープ。

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いろいろ種類のアジサイが咲き乱れている古い塾の建物。
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きょうは町中で様々な種類のアジサイを見た。最近のアジサイは八重や斑や覆輪の華やかなものも多く、100種類以上あるらしい。

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2018年5月29日 (火)

多摩川 アオサギ ノイバラ ウツギ(卯の花) / 右脚の怪我

5月27日

梅雨に入る前に、毎週、多摩川に行っては林の中を歩いている。

きょうは25℃の予報だったが、思ったより日差しが強く、私にはきつかった。

川に行く前に、駅前の「クーポール」というモンパルナスにある店(岡田史子の『ダンスパーティー』に出て来たのが印象深い)と同じ名前の店でビールを飲んだ。

日陰のない橋の上はぎらぎらで、木陰にはいるとほっとする。

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先週とは逆の川下のほうへ、林の中を歩けるところまで歩いてみる。ちょうどきれいな木漏れ日で斑になっている倒木。

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サンショウ(山椒)の樹。葉をちぎると香りはいいが、この樹にも棘がある。
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迫力のあるオブジェのような樹根。

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川下の林の細い道は、いくつかに分かれていたが、ある地点で途絶えていて、そこから先は手足を切るような草木で蔽われて進むことができなかった。

橋のたもとまで戻り、郷土博物館でトイレを借りた。

そこで、父が好きで全巻持っていた『大菩薩峠』(41巻未完)の作者、中里介山についてのビデオを見た。小説の主人公、机竜之介の虚無感、まさに父が好きなタイプの主人公だ。

4時を過ぎ、日差しも和らいでき、先週行った橋の川上の湿地のほうへ、また行ってみることにした。小さな木の橋を渡ったところで、すぐ近くにアオサギがいた。

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先週、カメラのISOボタンを誤って押してしまったせいで、画質が異常に荒くなってうまく撮影できていなかった場所。もう一度きれいな光で撮れて嬉しい。

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ここらへんの倒木の幹の得も言われぬ奇妙さは絵になる。
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スイカズラの花は銀から金に移り、日陰にほんの少し残っていた。キショウブはまだ咲いていた。

ノイバラが旺盛に繁茂してきていた。藪の中はよく目を凝らしながら歩かないと、ニセアカシア(ハリエンジュ)、ノイバラなど棘のある植物がいっぱいだ。

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去年のヤマイモの三角形のプロペラ状の種子がキラキラつややかに光ってきれい。
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川の向こう岸(中州)の枯れ蔓が傘のように絡まった樹のてっぺんにいたアオサギ。

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それから葦の原を押し分けて、隙間からの細い流れを、橋代わりの木ぎれや石の上をつたい上流へと渡ると、前に来た牛枠のあたりに出た。

ノイバラと「鏡の湖」(と私が呼んでいる水たまり)。
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ウツギと「鏡の湖」。
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夕日に光る一面のチガヤ。
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もう一度、先ほど来た細い流れの上を通って帰った。
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子どもの頃に読んだ『ムッドレのくびかざり』の、川を下る冒険のようでとてもわくわくする。
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堰の夕陽とアオサギ。きょうは何度もアオサギに会えた。

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5月29日

右脚の怪我の記録。

きょうは痛みも引いてきたので一週間ぶりにお風呂で湯舟につかった。

先週(5月20日の日曜)、動物園で、樹に登ったラテの表情を金網越しにカメラで追いかけていた時、振り返りざまに、檻の前に置いてあった大きな甕(土がいっぱいにはいって植物が植えてある)の縁に右脚の膝下を思いっきりぶつけてしまったのだ。

なぜかその甕は、縁がギザギザに割れているもの(発掘された土器のようなもの)だったので皮膚が破れて穴があいてしまい、けっこう出血していた。

びりびりと痛んだが、とりあえず事務所で絆創膏をもらい、せっかく遠くから来たので気にしないことにして川べりへと向かった。

川沿いの湿地帯で黴や苔の胞子をいっぱい浴びたせいか、そのあと傷が少し化膿したようで、月曜の朝には傷パワーパッドから漏れた血がシーツについていた。

傷の痛みは気にしないようにして火曜日には白州へ行った。

水曜、木曜には右脚の膝下が熱をもって傷がじんじんびりびり痛んだ。

金曜に医者に行って抗生物質をもらい、4日間飲んだら痛みがひいた。

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2018年5月23日 (水)

白州 友人と十数年ぶりに会う

5月23日

私には珍しく朝早く(6時に)起き、山梨県白州へ。

冬のうちから愛子ちゃんに 、いい季節になったら白州に連れて行ってもらうお願いをしていた。そして昨日急遽、行くことが決まった。

きれいな水と透明な緑に触れてみたかった。

もうひとつの目的は、『あんちりおん』や『反絵、触れる、けだもののフラボン』のエディトリアルデザインをやってくれたデザイナーで、十数年前に白州に移住した友人、カズミさん夫妻に会えたらいいな、ということだった。

お互い親の介護や病気で、長らくお会いしていない。メールはこの冬までお互いの介護のこと、病気のこと、猫のことなどでつっこんだ話のやりとりをしていたが、カズミさんからの返事が途絶えたので、おそらく寒さで具合が悪いのだろうと思っていた。

そして陽気がよくなったら、顔を見に行きたいと願っていた。

連絡してから行くべきか悩んだのだが、あちらが無理して都合を合わせてくれたら困るので、とりあえず家の周辺まで行ってみることにした。

9時に高尾駅で愛子ちゃんの車を待つ。こういう時にケイタイを持っていない私はどきどきする。

愛子ちゃんが高速を飛ばしてくれた。北杜市に入ると、雪を被った素晴らしい甲斐駒ヶ岳。

まずは「道の駅白州」に寄って、冷たいお蕎麦を食べる。きれいな天然水でお蕎麦がきゅっとしまっていて、とてもおいしかった。

地元の野菜がいっぱい売られている。私は大好きなさくらんぼ(自然に生ったような小粒)1パック300円を買う。

腹ごしらえしてから、まずは尾白川渓谷の千が淵というところへ。竹宇(ちくう)駒ケ岳神社の脇から細い吊り橋(定員5名)を渡る。

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夜の墓場やお化けはまったく怖くないが、高くて不安定なところと、人が怖い私。この吊り橋は風にあおられるとちょっと怖い。
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橋の上から見る透明な川の水。

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地質が花崗岩なので水がエメラルドグリーンに見えるそうだが、この白い石が擦り切れて砂になっている足場はすごく滑る。砂ののっている岩の上でずるっと滑って転倒しそうになった。

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きれいな滝壺。
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川べりに座って涼んでいる犬を連れている母子に愛子ちゃんが声をかけ、かわいい犬に触らせてもらった。下は愛子ちゃんに撫でられているワンちゃん。

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さて、それからが冒険だった。

カズミさんの住所と「サントリー白州工場の上のほうに住んでいる」という言葉だけを頼りに車で細い山道を入る。

「そういえば昔、田中泯が近所に住んでると言ってた・・・」と言ったら、急に「キャー、それ最初に言ってよ。どきどきする。」と愛子ちゃん。朝ドラに出ていたそうで、「塩をまく姿の背筋がすごく美しくって」、大ファンだそうだ。

「昔、ムサ美の学祭で、局部にだけ包帯を巻いて庭で裸で踊ってるの見たよ。」「みんなヌードモデル描いてるんだから全裸でいいのにね。」「一般の人も学祭見に来てるから問題だったんじゃないの?」「ヌード描いてみたいけど、いい作品できないから無理だなあ。」「すごく好きですって、モデルお願いして見たら?言われるほうは嫌な気しないんじゃない?」「ドラマや映画ですごく忙しそうだから無理だと思う。」などと盛り上がりながら別荘地を車で徘徊。

白尊神社のあたりを車でトロトロ巡回していたら、いきなり小鹿が飛び出して来た。

あまりのかわいさ、美しさに息が止まった。全部で3頭いた。こちらをキョトンと振り返ってから森の中にギャロップして行った。

写真には撮れなかったが、「すごい・・・!いるんだねえ・・いいもん見れたね。」と愛子ちゃんと感動。

ここにも湧き水の川。至るところにきれいで冷たい湧き水。

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森の中の家には住居表示がない家がほとんどで、なかなかカズミさんの家は見つけられなかった。

結局、愛子ちゃんのケイタイからカズミさんの家に電話。地名は昔の「大原」から「白須」にかわっていた。

シャトレーゼ白州工場の前に車で来てくれて、ようやく会えた。

いきなり勝手に来て迷惑をかけているのに、会うなりカズミさんはこちらの車に乗って来て、十年以上のギャップを感じさせない屈託ないおしゃべり。「それでねえ。」とまるできのうも会っていたかのよう。

田中泯は、残念ながら忙しくてもう近所にはいないそうだ。身体気象研究所には舞踏を志す人たちが集っているらしい。

そしてカズミさん夫妻のお宅へ。落ち着いた風格の外猫がお出迎え。

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森の中のおしゃれな木の家。5匹の家猫と数匹の外猫。庭にはいろんな花がいっぱい。

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地主さんの都合で家の後ろの森の樹を大量に切ってしまったので、ショックでカズミさんは鬱になりかけたが、日当たりはよくなり、暖かくなったという。
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私が猫や庭の植物についてカズミさんと会話している時に、だんなさんのYさんも、まるで昔からの友人のように愛子ちゃんに話しかけ、家についてのいろいろな説明をしていた。

部屋には薪ストーブ。本格的な「ふいご」もある。家の中にはYさんの手作りの木の椅子や棚などがいっぱいあった。

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きょう、一番、私が感動したことは、カズミさん夫妻が十数年ぶりにもかかわらず、すごく気さくで、そこに愛子ちゃんも初対面とは思えないほど、すんなりなじんで話が盛り上がっていたことだ。

3人は私とは違って人見知りしない。同時に(私の苦手な)元気すぎてうるさい人たちではない。私は心配性で余計なことを考えて気疲れするタイプなので、とても素敵だな、と思う。

3人とも虚飾や気どりがない正直な人たちなのだけど、洗練された感性をもっていて、繊細さ、さりげなさがある、私にはすごくありがたい関係。

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素敵な木のテーブルについてお茶を飲みながらも、カズミさんは私に、Yさんは愛子ちゃんに、それぞれたくさん話しかけてくれていて、私は二人の話にキョロキョロ。

やはりこの冬は5年ぶりに諏訪湖に御神渡り(おみわたり)が出現するほどの強烈な寒さで、カズミさんの体調はすごく悪くなり、メールが出せなくなってしまっていたという。

私にとっても母とちゃびを失ったこの冬ほどきつい冬はなかった。

「富士見のほうに素敵なところがいっぱいあるから、今から行く?7時まで明るいから。」と言われたが、もう5時で、愛子ちゃんは相模の方まで帰らないといけないのでおいとました。

家を出てすぐに「気さくでいい人たちでしょう?」と言ったら、愛子ちゃんが、「あんなにおしゃべりしてくれたら楽しいだろうね。今のふたりのおしゃべりだけでウル(愛子ちゃんのだんなさんのあだ名)のおしゃべりの一生分は超えてる」と言ったので大笑いしてしまった。

愛子ちゃんのだんなさんも芸術系だが、ほとんどまったくしゃべらない(自分の世界で完結している)タイプだと聞いている。

帰り道の車から名残り惜しく山を望む。道の駅白州に着く前に真っ直ぐな一本道の向こうに最初に見えた駒ケ岳の写真を撮っておけばよかった。
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長い時間を運転してくれた愛子ちゃんには心から感謝しかない。朝早くから一日、本当にありがとう。

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