植物

2018年6月 7日 (木)

ふわふわのソラ、ミンごろう、マミー商店街

6月2日(土)

きょうも多摩川の中流方面へ。拝島からあきる野、秋川方面へ行ったが、私の求めている蔓草が絡まり合った薄暗い林や、小さな美しい水溜まりは見つからなかった。Googleマップの空撮で調べてから行ったのだが、この辺りは樹のない葦原ばかりで失敗だった。

小さな三日月湖のような水溜まりと倒木。最初に入ったここだけは少しよかった。

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27~28℃くらいだが日差しが強すぎて汗だくになった。

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くじら池。釣り人が何人もいた。
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きょうのレッサーパンダコーナーは、暑いせいか屋外には誰もいず、ガラスのお部屋の中にはソラちゃんだけがまったりとご飯を食べ、いろんなところにすりすりと匂いづけをしていた。

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多くの人が「あ!レッサーパンダだ!かわいいなあ。」と言った後に、「あれ?このレッサーパンダ、大きい。」などと付け加える。
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そう言えば・・・(笑)・・最近、ソラばかり見慣れていたせいか気づかなかったが、ソラは普通のレッサーパンダと違う、赤ちゃん(ジャイアントパンダのような)体形だ。

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ソラは、やたらにふわふわ、ぽわぽわ、まるまるしている。2月8日にラテと交尾が確認されたと書いてあったが、もしかして妊娠しているのかなあ。

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ラテとソラの赤ちゃんだったら、もう悶絶レヴェルにかわいいだろうなあ。

チリーフラミンゴのミンごろうちゃんは、1958年から2003年まで上野動物園にいたそうで、少なくとも59歳にはなっている。国内最長老のフラミンゴさんだ。エリック・ドルフィーのように額の部分が盛り上がっているのですぐ見分けがつく。
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団地の庭は花盛り。カシワバアジサイ。

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ホタルブクロ(カンパヌーラ・プンクタータ)。

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タチアオイとデルフィニウム・シネンシス。

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キツネノテブクロ(ジキタリス)。この花はイングランド湖水地方のベアトリクス・ポターの庭で見てから大好きになった。

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バスの窓から見てとても心惹かれていたレトロな商店街に行ってみた。団地に直結して昭和49年にできたもので、マミー商店街というらしい。
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ちょっとアメリカやヨーロッパの片田舎を思い出す雰囲気がある。
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きれいなオブジェのようになったゴミ置き場の壁のテープ。

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いろいろ種類のアジサイが咲き乱れている古い塾の建物。
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きょうは町中で様々な種類のアジサイを見た。最近のアジサイは八重や斑や覆輪の華やかなものも多く、100種類以上あるらしい。

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2018年5月29日 (火)

多摩川 アオサギ ノイバラ ウツギ(卯の花) / 右脚の怪我

5月27日

梅雨に入る前に、毎週、多摩川に行っては林の中を歩いている。

きょうは25℃の予報だったが、思ったより日差しが強く、私にはきつかった。

川に行く前に、駅前の「クーポール」というモンパルナスにある店(岡田史子の『ダンスパーティー』に出て来たのが印象深い)と同じ名前の店でビールを飲んだ。

日陰のない橋の上はぎらぎらで、木陰にはいるとほっとする。

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先週とは逆の川下のほうへ、林の中を歩けるところまで歩いてみる。ちょうどきれいな木漏れ日で斑になっている倒木。

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サンショウ(山椒)の樹。葉をちぎると香りはいいが、この樹にも棘がある。
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迫力のあるオブジェのような樹根。

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川下の林の細い道は、いくつかに分かれていたが、ある地点で途絶えていて、そこから先は手足を切るような草木で蔽われて進むことができなかった。

橋のたもとまで戻り、郷土博物館でトイレを借りた。

そこで、父が好きで全巻持っていた『大菩薩峠』(41巻未完)の作者、中里介山についてのビデオを見た。小説の主人公、机竜之介の虚無感、まさに父が好きなタイプの主人公だ。

4時を過ぎ、日差しも和らいでき、先週行った橋の川上の湿地のほうへ、また行ってみることにした。小さな木の橋を渡ったところで、すぐ近くにアオサギがいた。

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先週、カメラのISOボタンを誤って押してしまったせいで、画質が異常に荒くなってうまく撮影できていなかった場所。もう一度きれいな光で撮れて嬉しい。

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ここらへんの倒木の幹の得も言われぬ奇妙さは絵になる。
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スイカズラの花は銀から金に移り、日陰にほんの少し残っていた。キショウブはまだ咲いていた。

ノイバラが旺盛に繁茂してきていた。藪の中はよく目を凝らしながら歩かないと、ニセアカシア(ハリエンジュ)、ノイバラなど棘のある植物がいっぱいだ。

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去年のヤマイモの三角形のプロペラ状の種子がキラキラつややかに光ってきれい。
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川の向こう岸(中州)の枯れ蔓が傘のように絡まった樹のてっぺんにいたアオサギ。

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それから葦の原を押し分けて、隙間からの細い流れを、橋代わりの木ぎれや石の上をつたい上流へと渡ると、前に来た牛枠のあたりに出た。

ノイバラと「鏡の湖」(と私が呼んでいる水たまり)。
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ウツギと「鏡の湖」。
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夕日に光る一面のチガヤ。
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もう一度、先ほど来た細い流れの上を通って帰った。
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子どもの頃に読んだ『ムッドレのくびかざり』の、川を下る冒険のようでとてもわくわくする。
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堰の夕陽とアオサギ。きょうは何度もアオサギに会えた。

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5月29日

右脚の怪我の記録。

きょうは痛みも引いてきたので一週間ぶりにお風呂で湯舟につかった。

先週(5月20日の日曜)、動物園で、樹に登ったラテの表情を金網越しにカメラで追いかけていた時、振り返りざまに、檻の前に置いてあった大きな甕(土がいっぱいにはいって植物が植えてある)の縁に右脚の膝下を思いっきりぶつけてしまったのだ。

なぜかその甕は、縁がギザギザに割れているもの(発掘された土器のようなもの)だったので皮膚が破れて穴があいてしまい、けっこう出血していた。

びりびりと痛んだが、とりあえず事務所で絆創膏をもらい、せっかく遠くから来たので気にしないことにして川べりへと向かった。

川沿いの湿地帯で黴や苔の胞子をいっぱい浴びたせいか、そのあと傷が少し化膿したようで、月曜の朝には傷パワーパッドから漏れた血がシーツについていた。

傷の痛みは気にしないようにして火曜日には白州へ行った。

水曜、木曜には右脚の膝下が熱をもって傷がじんじんびりびり痛んだ。

金曜に医者に行って抗生物質をもらい、4日間飲んだら痛みがひいた。

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2018年5月21日 (月)

ラテ、ソラ、リンリン、多摩川

5月20日

ラテとソラとリンリン(玲玲)に会いに。

私の最も好きな絡まりあった植物たちをさがしに、また多摩川へ。

蚊が多くなる前に、緑がまだ若くて柔らかいうちに、毎週行こうと決めていた。

きょうもソラ(2014年6月12日生)は屋内でいっぱい食べて。

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こんなになって。

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ふわふわもこもこ毛づくろいをしていた。すごく赤ちゃんぽい。

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ラテ(2013年6月11日生)は外の樹に登って葉っぱを食べたり、歩き回って中に入ったり、の繰り返しでそわそわ。
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午後から行ったので午前中はわからないが、ソラとラテは一緒にいなかった。
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4時過ぎには、きょうはリンリン(2001年6月19日生)が外でりんごをもらっていた。ゴウ(剛。2000年6月19日生)が(4月29日に)亡くなってさみしいけれど、リンリンは長生きしてほしい。

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4時半に動物園を出、多摩川の誰も行かない茂みを目指して奥へ。

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細い木の橋を渡り、人にまったく出あわない場所を進む。

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私にとって最高に面白い場所に入っていくことができた。
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全身黒づくめの服を着ているのは、屋内のレッサーパンダを撮る時に、自分の服がガラスに反射して映り込むのを避けるためだが、スズメバチには黒色の服は危険だ。
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苔や黴の胞子で汚れるし、ノイバラやススキで手足を切るので、軽装で藪に入るのは真似しないでください。
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陽があたる場所のスイカズラの花はもう落ちていたが、鬱蒼とした林の中のスイカズラは今が盛りと匂いたっていた。
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陽が完全に落ちる直前に川原に出た。
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2018年5月18日 (金)

小網代の森、 古い黒ずんだ石塀 

5月16日

気温29℃。真夏のように暑い日だが、三崎口に着くと強風で肌寒いくらいだった。

関東唯一の稀少な生態系が残っているという小網代の森。

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森の入り口を入ると急勾配に下る長い階段。いろんな鳥のさえずり。澄んだ空気。

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絡まり合う植物を抜けるきれいな光。

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奇妙で魅力的なかたちの樹をさがしてゆっくり歩いた。

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目立つ蔓のほとんどはヤマフジだった。
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枯れかけてわずかに残るハルジョオンの花を見つけてとまるキタテハ。
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期待が大きすぎたせいか、それほど強烈に目を奪われるものもなく、やや物足りない。

散策路から一歩も外に出てはいけないので、素敵な樹があっても近づくことができないからだ。

私は風景としてものを見るのが好きではない。ぎりぎりまで近づくのが好きだ。

森を抜けてふらふらと近辺を散歩。すごく気になる古く黒ずんだ石塀を発見。これに私は夢中になった。

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近所のお爺さんが話しかけてくれたところによると、ここは戦前、大きなお屋敷だったそうだ。

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この階段の上から桟橋がかけられており、伝馬船が着いたのだという。

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お爺さんは宮城で兵役を終えたという。特攻に行って、帰って来た、とおっしゃっていた。

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どこにもつながっていない階段や、かつてなにかだった建物、そこに寄り添う植物は最高に魅惑する。

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潮風にさらされて美しいマチエールになった白い木の壁の家。

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静かな路地ではちっちゃな女の子と退屈そうなお兄ちゃんが遊んでいた。お兄ちゃんは私が塀の写真を撮っているのに気づくと、珍しそうにずっと後をくっついてきていた。
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近くに咲いていたニゲラ(黒種草)。緑の果実がいっぱい。
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おしゃれな緑色のゴミ箱。
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古くからやっていそうな魚屋さん。
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波止場に降りる道の途中の、剥げた貼り紙の跡のある不思議な劇場のような塀。

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日射しに熟してきた桑の実。
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三崎口駅前にいつもいる大きくておっとりした猫。2年前の春にもいた。オスのさくらねこ(避妊した印に耳をカットしている地域猫)だ。

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夕方の三浦海岸の波打ち際はあまりの強風で、全身に砂がびしびし打ちつけるのが痛くて、5分ほどしか歩けなかった。犬の散歩の人たちも早々に引き上げていた。

きょうはほとんど貝殻は無く、ナミマガシワも拾えなかったが、欠けていないイタヤガイを2枚拾った。

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2018年5月13日 (日)

りんごが好きなソラ、倒木と枯れ蔓

5月12日

薄曇り。25℃。きょうもカメラをしょってラテたちに会いに出かけた。

きょうはラテ(男の子)は外に出たくないようで、早めに宿舎に入ってしまった。

3時頃になるとりんごをおねだりなのか、飼育員さんのほうに猛烈にアピールするソラ(女の子)。

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りんごをもらって上機嫌なソラ。
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ソラはとてもよく食べる。ラテよりも顔の毛が白っぽくて眉毛のような部分がはっきりしていず、ほんわかした顔。

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左耳が少し寝ているのが特徴。

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りんごを2切れいっぺんに持って食べようとしたソラ。1切れ床に落としたが、落としたりんごもちゃんと拾って食べました。

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多摩川へと歩く。

道すがら咲いていたヤクルマギク。ルドンの「グランブーケ」の花瓶の色。

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私がもっとも惹かれる情景、苔に覆われた倒木や絡まり合った蔓草を見つけた。

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スイカズラ(金銀花、忍冬、ハニーサクル)が満開。スイカズラはなぜかニセアカシアの樹が好きで、ニセアカシアにばかり絡んで高く枝をのぼっていた。
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森の中のそこここに私の大好きなスイカズラの香りが満ちていた。

幹から垂直に空に向かって何本も枝が伸びているのを見ると、ここに倒れてからかなり時を経ていることがわかる。

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この場所はまだまだハルジョオンが全盛だった。街中ではハルジョオン(春女苑)の細い花びらが乾いて茎も枯れかかって、ヒメジオン(姫紫苑)の花が満開になってきたのだが。
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もうひとつ満開だったのは白い野茨。棘がびっしりで手足を傷つける。

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最高に私の好きな蔓草の絡まった樹を見つけた。

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小さな沼が外国の風景のようだった。
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「牛枠の羽」というところ。

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「牛枠」とは牛を繋いだ枠ではなくて、古来からの川の水流の衝突部に設置して減勢、導流を行う設備。丸太材でつくり、牛のように見えるからそう呼ぶらしい。上の写真の上部、川べりに並んでいるこれ。

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この場所は地面が斜めに作られていた。

はるか遠くに来てしまったように感じさせる場所。ひとつの建物もない。人っ子一人いない。チガヤの白くツヤツヤした穂が光っていた。

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空と雲が映る水。
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2018年5月10日 (木)

ルドン、ハゴロモジャスミンの匂い、柑橘の花の匂い、タンポポの散種

5月10日

きのうは関東でも雪が降った。今朝は雷を伴う冷たい雨だったのが、午後にはきれいに晴れた。

しぼんだタンポポを摘んで硝子瓶に生けていたのが全部丸い穂綿に変わったのを持って出かけた。

ほかの雑草(ハルジョオンやキュウリグサ、ハルノノゲシ、オニタビラコ、ジシバリなどなど)が生えていてタンポポが生えていない土の上に持っていって、ふっふっと吹いた。

いろんな場所に散種した。来年の春、生えてくるのか、それらの場所がどうなっているのか。

風媒花なのに動物媒している。タンポポはヒトが飛ばすことをわかってその美しいかたちをとっているのだろうか?

4月の半ば、近所の飲食店と喫茶店の間の、人が入っていけない僅かな隙間から、風が変わる瞬間に飛ばされてくる白く光るシフォンのような粉っぽく甘い匂いを感じた。

ハゴロモジャスミンの匂いだ。けれど花は見えなかった。

隙間の向こうは建物と建物で挟まれた小さな裏庭のようなところらしいのだが、角にある飲食店の側面に廻っても人が通行できる幅はなくて、そこに到達できる道はなかった。

そのあたりを通るたびに、目には見えないその花の香りを確かめた。私は花の姿をこの目で見たくて何度も細くて真っ暗な隙間の向こうの明るい光を覗き込んだ。

「ここに立ってみて。ジャスミンの香り、わかる?」と、そこに友人を引っ張って行って立たせてみた。

数十秒待機するあいだに閃くシフォンが通り過ぎ、「ほんとだ。」と友人は言った。

暗い隙間の向こうの明るい場所に在った花は4月の12日頃に咲き始めて、4月の終わりに枯れた。

街ではジャスミンを追いかけてニセアカシアの白い花が香った。それに続いて柑橘(蜜柑、柚子、朱欒)の白い花の匂い(ネロリ)が、幾度も街路を帯状に抜けた。

柑橘の花の匂いはジャスミンの匂いよりも金色を帯びている。

ニセアカシアの花も柑橘の花もほろほろと地面に落ち、今はアイリス、スイカズラ、ヤグルマギク、モジズリ(ネジバナ)、ドクダミ、ホタルブクロや早咲きのバラが満開。

きょう、今年最初のツバメの巣を見た。毎年ツバメが巣をつくるしゃれた古着屋さんの軒先だ。「頭上注意!ツバメの巣があります」の貼り紙。下にはフンがたくさん落ちている。

春から夏へ。

5月9日

夕方からルドンを見に東京駅へ。5時ちょっと過ぎに着いたらけっこう行列していたのでどきっとしたが、展示会場内はそんなに混んではいなかったのでよかった。

昔、ヨーロッパを旅行雑誌と電車の時刻表だけを頼りに2か月間旅をした時、フランスのオルセーで見たルドンの花々。

特に「黄色い花咲く枝」、「黄色い背景の樹」、「人物(黄色い花)」・・・このあたりの黄色い連作が一番記憶に残っているので、もう一度間近で見て、どう感じるか確かめたかった。

やはり黄色をはじめとする色の使い方、一筆ごとに筆触が物質化されていく、その色ごとの質に激しい快感を覚えた。

抵抗感を持ち壁のように前に出てくるグレー、それよりさらに前に出てくる黄色、あるいは地として背後に引っ込む薄茶、透明な空間として後ろに遠ざかる青(ヤグルマギク色)の物質感、それぞれの筆触を見ていた。

アカデミックでないこと。柔らかく重厚。たどりつけない謎を含むこと。あらゆる色の質のモザイク。植物の動物化。

今回の展覧会のメインである「グラン・ブーケ」。私は今回初めて見た。確かによい作品だ。

仏画に譬えたり、御神木に譬えたりして崇めるのは勝手だけれど、しかし、これ、三菱地所の美術館が買い取ったの?フランスに置いておくべきなんじゃないの?という複雑な思い。

小さなことかもしれないが、「花々(赤い芥子)」という画題が気になった。フランス語の原題は「Fleurs(Vase de fleurs)」で芥子とは書いていない。私の眼では、この赤い花はどう見ても芥子ではない。シャクナゲやツツジの類だ。

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展示の最後のほうの部屋にあった「装飾プロジェクト」。

「装飾」という言葉は重要な芸術ではないような軽い響きがあるが、私はこの部屋の作品を夢中で見た。ほとんど熱心に見る人がいなかったので空いていてよかった。

「装飾」と言ってもルドンの描いたものは薄っぺらで単純なものではなく、花や葉のひとつひとつが謎めいて想像力をかきたて、胸がかき乱されるほど素敵なものだ。

それが刺繍になり、椅子になっても魔力は消えていない。

むしろ古い少し色褪せた椅子(1911-1913)の艶のない刺繍糸の盛り上がりとしてルドンの色やかたちを見たことで、私の想像力は大きくひろがった。

若林奮先生が「装飾という言葉を見直さなければならない」というようなことを言われていたことを思い出していた。

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2018年5月 2日 (水)

タンポポの穂綿、ハルジョオン(春女苑)

4月29日

真夏を思わせるような日射しの強い日。

みゆきちゃんに頼まれていた絵を渡すために高円寺で会う。

イタリアンで食事。毎年恒例の大道芸の人込みの中を歩き、私の好きな古着屋を一緒に廻った。彼女は「これから服はすべて高円寺で買おう。」と言った。

赤い薔薇の柄のネルと綿と絹をつぎはぎしたシャツを相当気に入っていたが、「これは私向きじゃなくてふっこ向きだよ。」と言った。

みゆきちゃんはヴィンテージのキャシャレルの小花模様のスカートを見つけた。小花の描き方が黒一色のペン画のようなしゃれた柄だ。

16、17歳の頃、なわばりのように徘徊していた新宿のファッションビルの中の店で、70パーセントオフの掘り出し物を見つけては「これ、いいんじゃない?」「これはかわいいんだけど、ふっこ向きだよ。」と試着しては笑い転げていた頃と同じだ。

みゆきちゃんは西新宿7丁目、私は4丁目で育った。西新宿の変遷を知っている友達でもある。

今のみゆきちゃんの家から少し離れたところに、古いお屋敷跡のようなところがあるそうだ。「そこの森のようなところがすごく気になるの。一緒に行かない?」と言われて嬉しかった。

高校生の頃、彼女とふたりで、数々の冒険をした。古いフェンスによじ登ったり、北風の吹きすさぶ浜や田舎の線路の上をどこまでも歩いたりした。

彼女もすごい人見知りだ。私は彼女と一緒に、ありきたりのものでない、多くの人にとっては価値がないが自分にとっては特別に素敵なものを見つけるのが楽しくてたまらなかった。

彼女は私がなにを見ているか。いつもなにを探しているのか、わかっている。だから一緒に歩いていてもペースの合う数少ない友達だ。

みゆきちゃんは3時から用事があり、きょうは2時過ぎに帰宅した。

・・・

4時過ぎにGと阿佐ヶ谷方面に散歩。Gも私が好きなものをよくわかっていて、先回りして見つけるのが好きだ。

狭い猫道。

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陽の当るところのハゴロモジャスミンはほとんど花が終わってしまったが、まだ残っているものは特有の強い香りを放つので、だいぶ離れていてもすぐにわかる。

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線路沿いにある古いアパート。外についているらせん階段が絵になる。

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もう終わりかけの春女苑と。

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萎れてちぢれ、斑点ができて美しくなった薔薇。Sdsc00778

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Gが先に見つけて私に指さした猫の広告イラスト。
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4月28日

朝、ガラス瓶に生けて観察していたしぼんだタンポポの一輪がきれいに開き、丸い穂綿になった。

踊り場のところで陽にあてて撮影。

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野の花をヨーグルトやジャムの空き瓶に挿すのが好きだ。この花たちを見ながら絵を描いている。ほかにキュウリグサも。
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青空の下で光を受けると、穂綿は内側から光を発するように輝く。Sdsc00663

・・・

昼過ぎ、先週に引き続き、Iさんと学習院の古い建物を見た。

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皇族の昔の寮の建物は修復中。

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ここでもタンポポはほとんど全部穂綿になってしまっていたが、4、5輪だけ残っていた黄色い摘んで茎を水につけて持ち帰った。

廃棄するのではないと思うが、古いベンチが集積されているのがすごく気になる。白いペンキの禿げたのが欲しい。

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その後、世界堂に私の(木のパネルに貼った)絵に合う額縁を見に行った。

縁の種類は以前来た時よりもずいぶん増えていた。毛利先生の使っていたアンティーク風のものもあった。

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2018年4月27日 (金)

サクランボの樹と鸚哥、エレモフィラ・ニベア(ホワイトツリー)、雨の日のタンポポ

4月27日

近所のサクランボの樹にインコが来てついばんでいた。

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樹の上のほうのサクランボを摘み取って電線の上に移ってから食べていた。
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4月26日

もうほとんど終わりのたんぽぽの花を探して、夕方から自転車で走った。

図書館に続く細い道の方に何本かまだ咲いていた。

私の好きな墓場の脇の細い道。

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うろうろ散歩していたらとても素敵な花を見つけた。

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けぶるような白銀色の葉と薄紫の釣り鐘形の花が夢のようにきれいなエレモフィラ・ニベア。(別名ホワイトツリー。ハマジンチョウ科)

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愛子ちゃんが花の画像を送ってきては「これなんていう花?」と私にたずねる。

例えば最初に送られてきたのは、(おそらく)チャイニーズ・フリンジ・ツリー。次に送られてきたのは紫色のオーニソガラム。

愛子ちゃんは役者さんの着物のデザインをしている。役者さんがご祝儀の1万円札で作った扇をいくつもびっしり着物につけて、着物の柄がまったく見えなくなっている画像を送ってきた。

1ステージで1千万円以上もらう人もいるという。

「これだけご祝儀もらうなら愛子ちゃんにも少しくれていいね。」と言ったら

「くれない。私は、ささやかに仕事していければ、充分。余計なもの持つと、濁るよ。知らない花の名前教えてくれる友達がいるだけで、幸せ。(ここは泣くところ!)」と返事が来た。

私も花の名を教えて喜んでくれる友達がいて幸せだ。

.4月24日

夕方4時半頃、雨の中を傘をさしてハルジョオンやタンポポ、キュウリクサの花をさがして歩いた。雨の中で草を摘んでいると、とても気持ちが落ち着く。

大きな2本の桜の樹がある社宅の生け垣の近くに、タンポポが5輪咲いていた。

買い物をすませてから同じ場所に行くと、ほんの10分の間に花が摘まれて無くなっていた。

一番端っこに咲いていた一輪は折られてその場に捨ててあったので、持ち帰って、氷水に挿した。

閉じている時のタンポポ、開きかけのタンポポを描きたい。

タンポポは光を受けて開き、夕方閉じるのを3、4日繰り返し、そのあとはじっと閉じたまま穂綿をつくる。何日で穂綿が開くのか見てみたい。

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2018年4月22日 (日)

鎌ヶ谷の森喪失・学習院の森

4月20日

久しぶりに鎌ヶ谷の病院へ。

もとの予約の日よりずいぶん日にちがあいてしまったが、なぜか薬が余っていたので、薬を飲み切るまで予約を取らなかった。冬の寒い時期、遠くの病院に行くのがしんどかったのだ。

「何日くらい薬(チラジンとアルファロール)を飲まないと死にますか?」と先生に質問したら、1か月も飲まなければ動けなくなるけれど、そこまで行ったら電車に乗ることすらできないから、早めに、と言われた。

きょうはけっこう会計と薬に時間がかかり、病院を出るのが4時過ぎになった。

帰りに、昨年の3月に写真を撮った森に行ってみたら、大通りに面した側にスーパー建設中で、森の東側7割が失われていたので大ショック!

かろうじて残っていた森の端っこの木々。

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私がすごく魅力的だと思う枝ぶりが個性的で蔓に覆われた樹が、ほんのわずかに残っていた。
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大通りに面していた森は開放的で、樹が密集していなくて地面に陽がよく当たるために、様々な種類の植物が自由に育っていて素晴らしかったのに、失われて本当にがっかりした。

森の端には素敵なお家がある。
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森の奥の畑はそのまま残っていた。

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いろんな種類のチューリップが育っていた。

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チューリップの奥の雑木林は残っていたが、ここの植生は失われた森よりずっと単純で、すんなりしすぎていて、私が惹かれる樹はない。

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鎌ヶ谷駅の近くの原っぱはタンポポの穂綿も終わりかけていた。

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ハルジョオンの花に名前がよくわからない虫がいた。
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4月21日

学習院で授業を持っているY子さんのお誘いで学習院大学の奥の森を探訪。

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西1号館の横には桐の木の花が咲いていた。

築80年を超える南1号館。

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校舎の奥の昼なお暗い斜面を下る。

大きなスダジイの樹。斜面の土にはほとんど陽がささない。蔓植物は見られない。

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鬱蒼とした斜面を下りきると馬術場があった。
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「高田の馬場の決闘」で堀部安兵衛が血刀を洗ったという伝説の「血洗いの池。」水は黒ずんでいて、土色の鯉ばかりがうごめいていた。

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池の周りの陽の当たる小道には、まだ若いクサフジの蔓が絡んでいたが、花は見えなかった。二羽のカモがつーっと泳いできたので、レストランでナプキンに包んできたパンをちぎって放った。

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私が強烈に惹かれる樹のある森はどこにあるのだろう。

たしか山手メディカルセンターの裏手にも、すごく惹かれる樹があった。近所の墓場にもある。そうとう年月を経て、奇妙な形で、蔓植物に覆われた樹だ。けれど森ではない。

森ではないが、西新宿や阿佐ヶ谷の古い団地では素晴らしく入り乱れた植生を見ることができた。それももうない。

都会の近くで、水と光がうまく手入れされている生き生きした森に出会えることはなかなかない。

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2018年4月14日 (土)

新緑 盛りを過ぎた八重桜

4月13日

友人と新宿御苑内のレストハウスで待ち合わせ。地下鉄の階段を降りると、丸の内線が停電で止まっていた。

急遽、JRの駅まで走った。JR新宿南口からレストハウス(新宿門から一番遠い休憩所)までけっこうな距離を汗だくで走った。(千駄ヶ谷門から入るべきだった。)

今年の八重桜はもうほとんど散ってしまっていたが、今日の目的は、今までどうしても見つからなかった「太白」などの樹の位置を探して記憶すること。

今年最後の遅咲きの八重桜「梅護寺数珠掛桜」。小冊子によると「新潟県京ヶ瀬村の梅護寺に国の天然記念物に指定された原木があった」そうだ。

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かろうじて散っていない花もすべてくったりと色褪せているが、サクランボのような花のかたちがかわいい。細長い花びらを百枚もつけるところは「菊桜」と似ているが、萼片のかたちが異なるそうだ。

御苑に一本しかない「兼六園菊桜」はフランス庭園の脇にあった。萼片が広三角形で、「菊桜」と異なる点は、開花期に葉が開いていることだそうだ。

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来年こそ花の盛りの時期に蕾のかたちや微妙な色の特徴をこの目で見たい。

兼六園菊桜のうしろのオーニソガラムとたんぽぽの花園。
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ツマキチョウの雌がたんぽぽの蜜を吸っていた。前翅がきれいな曲線を描いて尖っている。
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後翅の裏側は斑模様。

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オーニソガラムの蜜を吸うアゲハチョウ。キアゲハとの見分け方は前翅の中室に筋があることと黄色が薄いこと。

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オーニソガラムはハナニラに似るが、茎が枝分かれしているので区別がつく。ユリ科なのでハナニラのようにネギの匂いがしない。

暗い森から漏れる光が微妙な色をつくっていた。

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池のほとりの藤。
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旧御涼亭の前の藤棚は日陰だが、近くに寄って撮ることができる。

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「上の池」近くのもうひとつの藤棚は光が差していたが、囲いの中なので近くに寄ることはできない。
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「上の池」の橋を渡り、今まで花を見たことがない「太白」(「早咲きの白色大輪。花弁はしわ状のうねりを持った円形で、サクラ類で最も大きいことが特徴」だそうだ。)の樹を発見。シャガの群生が眩しかった。
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「上の池」からオドリコソウの群生のある森を抜け、小さな流れのある場所へ。ここらへんは御苑の中でも一番人が少なく静かな一角。

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今が花盛りのハンカチノキ。思ったよりずっと大きな樹で驚いた。

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「幽霊の樹」とも呼ばれるらしい。

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真ん中の丸い部分が花で、大小2枚の白いひらひらは苞葉。
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もう一度中央の広場に戻り、細い枝が優しく垂れたハルニレ(エルム)の樹を見る。

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この明るい鵲色の粒粒は新芽ではなく果実らしい。
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4時前になってハルニレの影が長く伸びて来た。

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誰かが忘れた黄色い三輪車とハルニレ。
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管理事務所の前に咲いていたジャノメエリカ(クロシベエリカ)。
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このエリカは、私がドイツでリューネブルガーハイデを探しに行った時のハイデ(ハイデクラウト)で、『嵐が丘』のヒースでもある。
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4月13日

近所のアスファルトの隅のスミレ。こちらは濃い紫ではない赤紫のアカネスミレ。

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アスファルトの隙間から健気に咲くスミレたちの種を、どこか土の上に蒔いてあげたいと思う。









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