写真

2019年4月 8日 (月)

新宿御苑の桜(花吹雪)(4月5日)

4月3日(水)

2日に歩いた時にひどく冷えたせいか、胃が痛くなり、夜、嘔吐。朝に食べたものが消化されていずそのまま出る。

小型のミラーレス一眼しか持って行っていない(替えのレンズも置いていっている)のに、帰宅してからの首肩の凝りが尋常ではない。筋力がすごく落ちている。

10年前には大きなデジタル一眼とマクロレンズと動画のカメラを全部背負って、ひとりでドイツで撮影していたのが嘘のよう。身体がきつい。しかし何かを見に歩いて出かけなければもっと体力が落ちてしまう。

4月4日

衣類を入れた袋の中に入って袋の端っこを破って顔を出すチョビ。

Sdsc08221

4月5日(金)

今日は22℃。青空。明るい光の下で白妙を見たかったので新宿御苑へ。

地下鉄の駅から歩道に出たら、強風で街路沿いの桜の花びらが空に激しく吹き上げられていた。

大木戸門から入り、まずは玉藻の池の水中桜を見る。

Sdsc08223

しどけなく散っていた。池の水に溶け込んで透けた薄い薄い桜。眼に見えなくてもそこに咲いているものを描くのはとてつもなく困難だ。

Sdsc08226

白妙は満開。蕾がほとんどない。花も全部紅色が消えて純白に変わっている。

Sdsc08240

手鞠のように咲きそろった白妙。わずかに残る紅。白濁と透明感のバランス。かわいらしくではなく、この戦慄を描くにはどうしたらいいのか。

Sdsc08258

歳をとるにつれて、紅の桜よりも白い桜が好きになっている。大島、白妙、太白、琴平、白雪。

過去に名だたる桜の絵で、私の好きな絵を考えてみると、どうしても江戸時代の図譜が浮かぶ。よく見ながら筆でスケッチ(素描)して、部分的に色をつけたもの。さりげないが動勢があり、写本でさえ臨場感が生々しいもの。

それらは美術というより博物学に分類されてしまうものだ。

いわゆる「美術」として価値が高いものより、なにげなくその時、その瞬間を手で写した生命感のある「絵」に惹かれる。

国宝の長谷川等伯の智積院「桜図」も寺院の障壁画として見たら感動するとは思うが、自分がこのような絵がかけるようになりたいとは思わない。「日本美術」というカテゴリーの中では素敵、たとえば着物の柄にこの絵があったらすごく豪奢できれいだとは思うが、自分が生きていく上で今現在の「絵」を考えていくためにはヒントのひとつでしかない。

桜ほど、よほどの思考と感覚の両方で破らなければ酷たらしいほど嫌らしい絵になってしまう題材の花はない(ステレオタイプの絵の汚らわしさが、実物の桜の透明感や儚さとかけ離れてしまうからだと思う)。

一瞥で激しい嫌悪感を感じたらもう耐えられないのが「桜」の絵。

私が静かに長く見ていたいのは我が師、毛利武彦先生の、戦争で若くして亡くなった友人に捧げる腐れ胡粉の桜。一般的な分類上は毛利先生の絵は「日本画」になるのかと思うが、その絵は「いわゆる「日本画」」とはまったく異なる。

桜を描くのがあまりに難しすぎて私はずっと桜を描きたいとは思わなかったし、自分に描けるとも思わなかったが、もし私が描けるとしたらどんな絵になるのだろうかと思いながらずっと桜を見ていた。


ノジスミレの上に散りかかった花びら。
Sdsc08261

ついに太白も満開。若葉の色がオオシマや白妙よりもずっと渋い鴬茶で、花びらの皺が魅力。この樹も大好き。

Sdsc08268

代々木のドコモタワーを背景にソメイヨシノと枝垂れ桜とカイドウが重なる。

Sdsc08281

上の池の黒緑の森を背景にしたオオシマザクラも満開。(私は虹色の光がはいった写真が好き。)

Sdsc08284_1

白雪も満開。この樹の花は高いところにあって接写できない。

Sdsc08286

非常にすっきりした樹。

Sdsc08288

千駄ヶ谷門近くの桜林。紅色は長州緋桜。

Sdsc08372

Sdsc08380

ソメイヨシノ、オオシマ、すべての花びらが強風に乱舞していた。

Sdsc08384

かつて「わあ、きれい」と言いあいながら一緒に桜を見て笑った、死んでしまった人たちのことを想わずにはいられなかった。

Sdsc08391

Sdsc08403

吹きすさぶ風に池の水面の花びらが増え、波紋が動いている。。

Sdsc08404

Sdsc08405

次に来る時は一葉、普賢象、福禄寿、菊桜、数珠掛桜、鬱金、御衣黄など。駿河台匂と目立たないカスミザクラも見たい。

|

新宿御苑の桜、植物(4月2日)

4月2日

2日か3日には真冬の天気で雪が降るかも、という予報にもめげず新宿御苑へ。気温13℃の予報だがもっと寒く感じた。

Sdsc08100

玉藻の池の桜の枝は水中まで垂れ下がって水の中で咲いている。よく川やお堀で、水面ぎりぎりまで下がっている桜の枝を美しいと思うが、水中にまで入って咲いているのを初めて見た。

今年生まれたらしいカモのヒナたちと桜。時々、二羽で追いかけっこをするように水面をターーッと勢いよく滑る。うちのちび猫たちと同じ仕草。

Sdsc08162-2

 

白妙がついに満開。。咲いたばかりの花は薄紅がさしていて、その後白く変わる丸い花がなんとも気品があってきれい。

Sdsc08115

寒さを我慢して来た甲斐があった

Sdsc08134

白色大輪一重の太白も咲き始めた。花弁にしわ状のうねりがあるのが魅力。花弁はサクラ類で最も大きいらしい。

Sdsc08124


ソメイヨシノよりもかなり甘い雰囲気の小汐山(コシオヤマ)。今、まさに満開。

Sdsc08152

梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)の赤い蕾。

Sdsc08171

中の池の緑に澱んだ水にせり出したソメイヨシノ。母が元気な頃にここで写真を撮った。

Sdsc08172

オオシマザクラは満開。

Sdsc08176

Sdsc08177

Sdsc08179

手が限界まで冷えてかじかんでしまったので、自動販売機へと向かったが、温かい飲み物はすべて売り切れ。茶店でコーヒーを買っている人が多かったが、胃が痛くてストレートコーヒーは飲めないので諦めた。

青空が掻き曇り、雨が落ちてくるほんの少し前の気配。

Sdsc08184
不穏な空と桜。

Sdsc08185

傘を持っていなかったので急いで帰った。地下鉄を降りたら地面がびしょ濡れだった。
・・・

トイレットペーパーをガラガラ引っ張り、細くちぎってご機嫌なプッフィーちゃん。

Sdsc08096-2

真ん中で気持ちよさそうに眠るのはチョッピ―(チョビ)。

Sdsc08197

最近、ちゅびが深夜3時頃に鳴きだすので困っている。おなかがすいたらしいので食事をあげると、そのあと全員で鬼ごっこを始め、私はなんとか静かにさせようと紐でじゃらしたりして朝7時すぎまで眠れない。7時過ぎに皆も私も疲れてもう一度眠る、の繰り返し。

私が昼間出かけているあいだ、3匹ともあまり食べずに眠っているので、夜になるとやたら元気になる。

とにかくちゅびだけが無駄鳴きする。外を飛び回りたいお年頃なのか。ほかの2匹の兄妹があまりに仲が良すぎて疎外感があるのか。

もしちゅび一匹だけだったら、もっと私にうるさく鳴いていたということか。

朝に眠る時、ちゅびは私にべったり抱きついて眠る。

チョッピ―君よ。お前がちゅびと仲良くけんかしてくれないとちゅびの欲求不満がたまるのよ。もっとちゅびをかまってやってよ。

Sdsc08197-2

|

2019年4月 6日 (土)

新宿御苑の桜、植物(3月29日)・近所の桜

3月29日

気温8℃。曇り。寒いから人が少ないだろうと新宿御苑へ。

年間パスポートを購入(2000円。その場で写真を撮られる。)

玉藻の池の裏側の森から。人気がなくて静か。

Sdsc07974

Sdsc07971

 

芝生広場の近くの大島桜。

Sdsc07981

千駄ヶ谷門近くの源平桃。

Sdsc07986

見頃だが、まだ半分ほど蕾もある。白、紅、桃色、薄桃、斑。

Sdsc07990


私がとても気にかけていた白妙がついに咲き始めた。

Sdsc07991

蕾が紅のぼかし。咲くと真っ白な八重で、ぽーっとするほどきれい。緑色の若葉と大きな船形の萼片。

Sdsc08002

私が桜を描くとしたらどういうふうに描くのか、どの種類の、どの状態の花を描くのか、そんなことを考えてずっと桜の樹を見て回っている。

自分が感じる花の魅力を陳腐でない描き方でかけるだろうか。

茶室に向かう道の途中のコブシ。

Sdsc08006 

茶室「楽羽亭」の前の枝垂れ桜。まだ蕾がいっぱい。
Sdsc08009

寒くて凍えてしまい、温室に入ったら、外気との温度差のせいで水蒸気で一面靄っていた。

湯気でカメラレンズが使い物にならない。 シャッターを切ってもほとんど靄しか映らない。

この日は寒すぎたので早々に引き上げた。

3月31日

近所を散歩。

冬に見つけた廃屋の桜がきれいに咲いていた。この廃屋、年季がいっているようで、商店街に面しているのに、なぜ立て壊されないか不思議だ。この樹が切られたら、また私はすごく淋しさを感じるだろう。

Sdsc08062

Sdsc08063

Sdsc08064

図書館へ行く道。いくつもお寺が連なる、墓地の裏の細い道の途中、小学校の桜。

Sdsc08073

Sdsc08077

|

2019年4月 1日 (月)

ジョナス・メカス展、水の塔、新井薬師

ココログのリニューアルにより数々の不明と不具合で、ブログを書くのが面倒になり、ずっとほっていた。新システムのやりかたを調べながら少しずつ書きます。

3月13日

本日は中野駅から、こうの史代『桜の国』に出て来た「水の塔」を訪ねた。

そのあとジョナス・メカス展を見に、中野区新井薬師駅近くのスタジオ35分へ。

中野駅北口。新井交差点のそば。まずは私の大好きな帽子材料と布花材料の店、ニシダさん近くの、駐車場のドアの前で撮影。

Sdsc07355-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中野駅から中野通りをひたすら北上。ビーンズという無農薬野菜の店とカイルズ・グッド・ファインズというアメリカン・パイの店を左手に通り過ぎ、新井天神北野神社の池を左手にに通り過ぎる。

思っていたより遠い(2kmくらい)。強い北風に鼻水が止まらない。

踏切を越し、哲学堂公園を右に通り過ぎ、椿咲く静かな蓮華寺の裏の細道を通って水の塔公園へ。

水の塔は「野方配水塔」というらしい。「空襲時の弾丸の傷跡が残されている配水塔です。関東大震災後、都市化による水の需要に応えるため、この地にあった給水塔に、配水塔がつくられました。この配水塔は1966(昭和41)に配水を止め、その後、災害用給水塔として使われてきました。中野区」と看板にある。

Sdsc07370-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



水の塔公園の中の枯れ蔓が素敵だった。

Sdsc07375-2

複雑に絡まった枯れ蔓を下から眺めながら、どこを切り取るかを考える。

自然にそこに生まれているものを見るほうが、現代美術のオブジェを見るよりはるかに自由な想像力をかきたてられて夢中になる。

Sdsc07382-4

水の塔の弾丸の跡が見られるのは幼稚園の側から。

Sdsc07386-2

 

 

 

 

 

 

 

「桜の国」というように新井薬師の周辺は桜(ソメイヨシノ)がいっぱいだが、まだ固い蕾。すべての開花の直前の寒さが身に沁みる。

古い団地の前にソメイヨシノではない早咲きの桜(マメザクラ?)が満開なのを見つけた。

Sdsc07391

新井薬師まで途中、けっこうな坂を上り、高台から振り返ると水の塔の丸い頭だけが小さく見えた。上高田図書館の横を通る。

スタジオ35分のジョナス・メカス展は18時開場。町は宵闇に包まれつつあった。

Sdsc07416

Sdsc07408-2
静かに見られてよかった。ギャラリーは元写真屋さんらしい。35分の看板を残したのはしゃれている。
Sdsc07424
新井薬師の商店街は古い建物が残っていたのにびっくりした。高円寺でも、ここまで古いのはない。

Sdsc07439 
薬局だったらしい建物。「科」の前の文字は何だったのか。小さく「中野區歯科医〇〇〇」という札。(〇は読めない)

Sdsc07432-3
やたらに懐かしい昭和の雰囲気の商店ばかり。「いげたばち お茶とのり」。
Sdsc07446
金鳥とキンチョールの看板。「ぎふ屋」。

Sdsc07447
新井薬師の踏切を超えて中野駅側へ。
「書籍 雑誌 すばる書店」。

Sdsc07449

Sdsc07452
新井薬師の参道を抜ける。「日本一安い!!皆様の 泥棒 激安 泥棒市場」。。

Sdsc07453

「文化堂金物店」。「傘と履物 叶屋履物店」。
Sdsc07454
お煎餅屋さんがまだけっこうあった。ずいぶん昔に来たきりだが、(敷石は新しくなっていたが)店は昔とほとんど変わっていない印象。

Sdsc07455

「天然温泉 中野寿湯温泉」。中野にも天然温泉があったとは。

Sdsc07456
私の故郷、西新宿の十二社(じゅうにそう)天然温泉は、気づいたら2009年に営業を終えていて、すごく淋しい。

幼児の頃、よく祖母に連れられて行った黒い昆布が溶けたようなぬるぬるの十二社温泉が大好きだった。

上がってからは宴会場でサイダーを飲んで、ステージの上で浴衣で日本舞踊を踊る人たちを眺めながら、何時間もぼーっとすごしたのが夢のような思い出。

やっと中野ブロードウェイに着き、いつもの天ぷら屋さんで天ぷらと熱燗。空腹で冷え切ったからだを温める。

私の好きな天ぷら屋のご主人がお元気で揚げていらしたことに感激。たしか今年で81歳くらいだ。しばらくお顔を見ていなかったので心配だったが、きょうはすごく嬉しかった。

ノスタルジックな旅。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

|

2019年1月27日 (日)

北風の中の散歩、高円寺、西新宿

1月26日

友人が西新宿の角筈図書館に取り寄せ依頼していたヘラクレイトス関連の本をとりに行くというので、付き合って、一緒に私の生まれ故郷、西新宿界隈を散歩。

きょうの中央公園は暗い灰色と欅の裸木の細枝。モンドリアンやベルギー象徴派の描いたなんとも不可思議な樹のある風景を連想する。

Sdsc05693

赤紫のアネモネ。

Sdsc05704

セントラルパークタワー ラ・トゥール新宿の庭。
Sdsc05709

品川亭。毎年春に、この五色の椿が咲くのを素敵だなあと思いながらこの坂を通ったものだ。この花が満開の頃、もう一度撮りに来たい。

Sdsc05717

玄関の電灯の傘が素敵。私の生まれた家と同じくらいの古さの木の家。

Sdsc05752

品川亭の隣の飲み屋が無くなって、駐車場になっていた。寒さにも負けず元気なハルノノゲシと。錆びた階段と古い井戸のポンプが剥き出しになっていた。
Sdsc05737

私の大好きな最後の料亭の風情をとどめていた木造の「旅館一直(いちなお)」が、以前来た時は改築されてシェアハウスになっていたのが、さらに改築されて全く違う黒い建物になっていた。

もう木の欄干もない。山茶花の樹も、母がここのお手伝いさんにもらったと喜んでいた紫陽花もない。

はるか昔、この「いちなお」の前でドラマの撮影中の松田優作を見た。「今、「いっちょく」っていう旅館の前です」とトランシーバーで話していた、「いちなお」を「いっちょく」とよんでいた松田優作の声が、コミカルでかわいいようで、もの悲しいようで、その黒っぽい服を着た痩身の姿がずっと忘れられない。

「旅館一直」という名前が今も残されているだけで奇跡かもしれない。

Sdsc05774

十二社(西新宿)の階段。

幼い(5~7歳くらいの)頃の私はこの階段にしゃがみこんで、セメントの段と段の隙間から伸びてくる小さなサギゴケやツメクサ(シロツメクサとは違う)、それにまとわりつく銀と朱のシジミ蝶を見ながら何時間も飽きることなく過ごした。

この階段の横は大きな空き地で、ジュズダマやアカザ、シロザ、オオヨモギ、メヒシバ、オヒシバ、ギシギシ、イヌタデ、シソ、ヤブカラシ、オニタビラコ、ヒルガオなどが、それはそれはぼうぼうで、黄色のオニヤンマ、水灰色のシオカラトンボ、瑠璃色のイトトンボがすーいすーいと舞っていた。

植物の名前を夢中で覚えたのもその頃(5~7歳)。

わたしにとってはとても愛おしく大切な階段。

Sdsc05779

近くの放送専門学校の生徒だろうか、大きなカメラを携えた若い人が4、5人たむろしていた。「昔の料亭みたいですごく雰囲気があって・・」「いいですね~」と話していたのは品川亭のことだろうか。

周りは言葉にできないほど変わってしまったのに、この階段だけはほとんど変わらない。

この階段を登りつめたところに、かつて赤い椿の木があり、その頃から花が好きでたまらなかった小学1年の小さな私に、その家の奥さんがたくさんの椿を切ってくれたのを忘れることができない。今は椿の木も、その家もない。

階段の途中にあった私の大好きだった大きな桜の樹が切られたのはいつだったのだろう。

桜の樹のすぐ後ろにあった料亭が「ホテルニュー寿」になり、それが廃屋になり、今は・・・。

今、誰とこの階段を語れるのだろう。私の記憶は、どこにいくのだろう。
Sdsc05782

私が幼い頃、ここ十二社(じゅうにそう)はどこもかしこも皆、料亭で、たえず三味線の音が聞こえていた。私が生まれた家は古い料亭の離れを住居として売り出されたもの。うちの前も後ろも斜めも皆、料亭だった。

「福助」という蕎麦屋の前の乳銀杏。この樹は私がもの心ついた頃にはもう巨樹で、「乳」があったおばあさん。「福助」のテラスは十二社の大きな池に張り出していた。

Sdsc05802

この巨樹の向かいも黒塀の料亭で、塀の上から真っ赤な椿の花がせり出して、道にびっしり落ちていた。幼い私は、その花の芯から垂れて冷えた赤い舌のような花弁の上にぬるりと流れ出ている金色の濃い蜜をなめるのが好きだった。

今、思えば、料亭には椿がつきものだったのかもしれない。そのほかに黒塀に映えていた記憶に残っているのは梅と南天と観音竹と姫笹。時々万年青(おもと)。

うちから角筈図書館へ行く道の途中にある黄色いペンキが剥がれた四角いセメント。

この四角は何に使うものなのかわからないが、昔からあった。さらにこの四角がまだない頃、ここには白い髪を結ったおばあさんが営む、幼い私が大好きな駄菓子屋があった。好きだったのは爪楊枝で刺して食べる小さな碁盤の目のような四角くて薄いピンクの「桜餅」。
Sdsc05803

角筈図書館に行った後、中学、高校の頃、よくジーパンを買った「万年作業服店」を物色。木綿の紫の手袋(110円)を購入。

寒くて、身体が冷えて特に手が凍え、少し具合が悪くなったのでNSビルで休んだ。

レストランからの眺め。遠くの半濁した緑のガラスのような山々と地平線ぎりぎりの光る雲がきれいに見えた。

Sdsc05827

1月24日

陽が眩しい日。自転車で近所を散歩。風はびりびり痛いほど冷たくて震えあがった。

正月に見たほとんど廃屋になりかけた古いアパートの1階、「1月4日から営業します」という貼り紙が出ていた店が本当に営業しているか気になったので見に行ってみた。

「アトリエ魅迎留」(ミゲイル?)という看板が前から気になっていたところ。お店ではないが人に使われているようだ。

Sdsc05576

「アトリエ魅迎留」の隣の「ビューティ美容室みき」という店は、貼り紙の予告通り、営業していた!
Sdsc05577_2

その並びにもう一軒、「Hair Reffine Artemis」という美容院も営業中。
Sdsc05584

さらにもう一軒、「明治牛乳」の看板があるところは事務所として営業していた。

崩落して苔と寄生植物が生えている美しい柱。

Sdsc05580

裏の公園では日の当たるところの梅はほころんでいた。日陰の梅は、まだぎゅっと身を固くしていた。

なめらかなオブジェの遊具を撮ろうと立ち止まると、一斉に鳩が舞い降りて寄ってきた。ごめんね。なにもあげられる食べ物を持っていない。

Sdsc05586

次に川沿いの、以前に流星を見たグラウンドの方まで、植物の様子を見に行った。

母と何度か通った墓地と墓地の間の細い道。セメントの塀を破って伸びている数百年生きていそうな欅は健在。

途中、昔からある建物(銭湯かと思っていたがよくわからない)に、ついに1月28日から解体のお知らせの紙が貼っているのを発見。この建物が無くなるのはとても残念だ。

Sdsc05589

ドアも、木枠の欄間も、郵便受けもとても素敵。
Sdsc05600
わんちゃんが中からこちらを見ていた。
Sdsc05595

川沿いのグラウンドには子供たちがいなかった。白椿の蕾も固かった。

柔らかな若い草の生えた土手を崩してセメントで固めている護岸工事を見ると、ものすごく憂鬱になるので、あまり見ないように来た道を戻った。

小学校の近く、「椿屋敷」の庭の大輪椿はいくつか開いていたがまだまだ蕾。ミモザもまだ固い蕾。

満開だったのは蠟梅、黄色いカタバミ、パンジー、ヴィオラ、白水仙、クリスマスローズ、アネモネ、黄色い桜草など。

枯れ姿が美しいのは去年の黄カラスウリ、セイタカアワダチソウ。

|

2018年11月13日 (火)

ちゅびとチョビ、プフ初対面

11月10日

きょう、ついに、ちゅびとちびっこ猫たちとの対面。

ちゅびを昼1時に私とチョビとプフのいる部屋に連れて来た。

先住猫と新入り猫との対面は慎重にやらないといけないという記事を読んで、ここ数日は緊張していた。

まずはチョビとプフにケージの中に入っていてもらって、ニャアニャア騒ぐちゅびをキャリーから部屋に放す。

チョビ、プフは初めて会う大きなちゅびをまったく怖がらず、「出して!出して!」と手作りケージを壊して外へ。いつも通り、ふたりで無邪気にじゃれ合い、もつれ合い、平気でお昼寝。

まったく緊張せずリラックスのチョビちゃん。

Sdsc03179

ちゅびのほうは大きな図体にも関わらず、初めて接する猫たちに緊張。怯えて棚の上に上がっている。

ちゅびは恐る恐るちびっこ猫たちに近づいて匂いをかぎ、顔と顔が合うと「シャーッ」と威嚇して走って逃げるのをくり返す。ちびっこたちは怯えることもなくマイペース。

Sdsc03102
友だちになりたいのに、どうしても「シャーッ」と威嚇してしまうちゅび。
Sdsc03137

怖がりなちゅびはチョビやプフがトイレしている最中や、眠っている時に、ここぞとばかりに匂いをかぎに行ってはダッと逃げていた。

玄関の方まで逃げてから、追いかけて来てほしそうにちびっこを見つめるちゅび。

ちゅびはまだ眼も見えないうちにひとりぼっちで落ちていたので、ほかの猫と接触したことがないかわいそうな子だ。生まれて初めて見る子猫たちが気になってたまらない様子。

遊んでもらいたいポーズをとるちゅび。

Sdsc03169_2

ちゅびがボール紙の影に隠れて手だけ出して、チョビ、プフにじゃれてもらったり、逆にチョビ、プフが隠れてガサガサしてちゅびにじゃれてもらったり。

猫たちはお互い、どうしても目の前の動くものにじゃれてしまう習性をうまく利用して、遊びながら距離を縮めていく賢さに感心した。

私が紐を走らせると皆がその紐を追いかけて走り、勢い余ってからだがぶつかる時にはまったく威嚇しない。

この日、チョビとプフは私のふとんで一緒に寝、ちゅびはひとり離れて高いところで寝た。

11月11日

怖いもの知らずのプフがちゅびに超接近。

Sdsc03195

Sdsc03206
後ろから、「えい!」
Sdsc03208

Sdsc03209

ちゅびとチョビも、だいぶ仲良くなる。(遠近法により同じくらいの大きさに見えるが、実際のちゅびのからだはチョビの3倍ある。)
Sdsc03215_2

物陰に隠れて(手だけ出して)チョビとキャッチボールするちゅび。

Sdsc03246

Sdsc01473

深夜まで遊び続けていた。

11月12日

朝5時過ぎ、目が覚めたら、ちゅびは私の右脇にべったりくっついて寝ていた。ちゅびのおしりにプフがくっついて、チョビは私の左肩で眠っていた。

6時に食事。4か月未満のベビー用ロイヤルカナンのウエットとカリカリ。3匹とも同じものを食べたがり、ほかの子のお椀が気になって、ぐるぐる交代しながら全部きれいに食べる。

ちゅびはプフに勢いよく押されてお椀をとられても、怒ったりしない。いっぱい食べたくてウーウー言うのはプフのほう。

朝から激しく追いかけっこ遊び。

二本足で立って万歳のように両手を上げて相手をやっつける仕草をしてからダダダッと一目散に逃げて追いかけてもらう。追いかけるほうは追いついたら「つかまえた!」というタッチをして、一目散に逃げる。その繰り返し。

ちゅびは6月の初めに生まれ、もう5ヶ月。ちゅびは今、乳歯と永久歯が同時に生えている。

上下左右のキバが2本づつ、計8本あるちゅび。ちょっと魔物っぽい。

Sdsc01449

Sdsc03384_2

もうすっかり仲良く、3匹で一緒に寝ている。

Sdsc03393

お友達ができてよかったね、ちゅび。

Sdsc03400



|

2018年11月 8日 (木)

ちゅびとチョビとプフの記録 / 新聞記者さんと話す

11月7日(水)

私の股の間にチョビ。私の左腿の横にプフ。紐に結んだパイルヘアゴムを取り合って遊ぶ。

Sdsc02805

Sdsc02829

かわいくて、くすぐったくて、あたたかくて、動けない。

Sdsc02839

毛もすっかり生えそろい、少したくましくなってきたチョビ。
Sdsc02845

いたずらっぽい眼のプフ。ルイス・ウェインの描く微笑んだ猫に似ている。
Sdsc02799

11月6日(火)

雨が降っていた。

明治神宮の暗い深緑も白くけぶり、その向こうに見える渋谷の高層ビルも、きょうは見えない。

なんとも幻想的な風景。

ここはいつも静かだが、すべての音が雨粒に吸い取られて、きょうは一層静か。

Sdsc02722

夕方、朝日新聞社会部のM永さんから電話があり、1時間以上もお話しさせていただいた。

11月1日の記事についての情報提供のメールをしたのが2日前。電話をいただけるとは期待していなかったが、丁寧な対応だった。

・・・

眠っているチョビを優しくなめるプフ。

Sdsc02724

あんなにか弱くて死にそうだったのに、チョビは日増しに腕白になっている。

プフの足を噛んでは、プフが「にゃ!にゃ!(痛い!痛い!)」と言い続けていることが多い。

Sdsc02733

11月5日(月)

O川さんのマッサージを受けに高円寺へ。

終わって暗くなった道をちゅびの待っている部屋へ急ぐ。

きょうは暖かくて闇がなまめいていた、と思ったら、うちの建物のすぐ前の、梅雨の頃になるとたくさんのヒキガエルがたむろしている細道に、13cmくらいのヒキガエルが一匹出て来ていた。

きょうのちゅび。

Sdsc01183

きょうのチョビとプフ。

Sdsc02685

Sdsc02699

11月4日(日)

きょうのちゅび。

Sdsc01044

水道から出る水を手でちょんちょんして遊ぶのが好き。

Sdsc01049

へへっ。足が濡れちゃった。
Sdsc01075

きょうのチョビとプフ。

Sdsc02620

もう、大好き~。
Sdsc02629

チョビを優しくなめるプフ。チョビは目が覚めたらプフをかじってばかり。
Sdsc02667

|

2018年11月 3日 (土)

ちゅびとチョビとプフの記録

11月1日(木)

きょうのちゅび(ふとんの中)。

Sdsc00883

・・・・

きょう、とてもショックなことがあった。右上腕の筋膜を痛めて硬結ができてから、ずっと週に2回、お世話になっていたもみほぐしのプロ、O川マネージャーがお店を辞めると言う。

O川さんが少しずつ丹念に上腕と肩をもみほぐしてくれたおかげで、硬結の激痛で90度も上げることができなかった右腕がほぼ完全に治癒した。

右手で髪を梳かすことも、お風呂に入りながら右手で水道の蛇口をひねることもできなかった苦しみは忘れがたい。

大きな病院の整形外科も、小さな町の整形クリニックも、痛い時に無理に動かせと言ってきて、結果として悪化しかしなかった。

O川さんがいなくなったら、もう酷い肩凝りをどうしたらいいかわからない。

11月2日(金)

きょうのちゅび。抱いて体重計に乗ったら47.9kg。私だけ乗ったら44.7kgだった。

ちゅび、3.2kg。抱いた感じのしっかりした感覚、もっとあるように感じる。

私はイタリアに行く前と、帰国直後と、今と体重が変わっていなかった。料理できない部屋に来てもう20日が過ぎた。野菜不足なので増えたかと思ったのに。疲れやすいので、もっと筋肉をつけたい。

Sdsc00916

腕が同じくらいの太さの人形(ライトスタンド)の腕をちょんちょん。
Sdsc00921

ひとりでいる時、さみしげな神秘的な瞳のプフ。右目が湖の色、左はヘーゼル、デヴィッド・ボウイと同じだ。

Sdsc02551

チョビのことが大好きなプフ。
Sdsc02564

夜中、ふと目が覚めたら、私の横に二匹でくっついて眠っていた。こりゃ、たまらん。魂とろけてダメになりそう。

Sdsc02530

21年前、ちゃびとコナがくっついて寝ていたときのことを思い出してしまう。

11月3日(土)

午前中、チョビ、ワクチン2回目接種。

1050g。いつのまにか1kgを超えていた。

真菌の皮膚病、まったくわからないくらい良くなったが、一応、あと2回、残っているトラコナをきっちり飲ませて、とのこと。

「そろそろちゅびと対面させたいんですけど、オス同士なのでちゅびが噛みつきますか?」との質問には「噛みつかないよ。」と言われた。

夕方、プフ、今までの緊張と怯え、躊躇の分を取り戻したいかのように、椅子に座っている私の膝の上で甘えまくり。甘える時、「ニャァァア~ン」という悶え声を出してゴロゴロ言う。

Sdsc02587

今までプフの前でチョビだけがこれみよがしに私に甘えて来て、それをプフがじっと見ていることが多かったのだが、プフもやっと慣れたみたい。
Sdsc02589

|

2018年10月31日 (水)

ちゅびとチョビとプフの記録

10月31日

きょうのちゅび。

コウモリか、ネズミか、この生きものはいったい何?と思うシルエットはちゅびがカーテンレールまで飛び移ろうとして失敗して片手で宙ぶらりんになっている図。

Sdsc00771_2


きょうのチョビとプフ。

プフがチョビの弱点、(つい最近までずる剥けで真っ赤で痛々しかった)しっぽばかりを噛むので、チョビは怒る。

チョビはちょっとストレスが溜まって、避難して私に甘えてきたりしていた。

Sdsc02352

プフもきのうから私に触られるとゴロゴロ、ウニャア!ウニャア!すぐに慣れて甘えるようになった。

Sdsc02311

プフが来てから、激しく走り回り、一日中遊んでいるせいか、急に食欲が出てベビー用ウエットとカリカリをたくさん食べるチョビ。

プフが来る前は異常に離乳が遅く(ウエットやカリカリをあげても食べ物と認識できなかった?)、お湯で溶くタイプの粉末離乳食を一日に4、5スプーンしか食べられなくて心配だったのが嘘のよう。

仲良く、一緒に、健やかにね。

夕方7時過ぎ。チョビが眠っている棚でつかず離れず一緒に眠りながら距離を縮めるプフ。
Sdsc02366_2

寝ぼけてうとうとしているチョビを襲って耳を噛むプフ。チョビのことが好きでたまらないみたい。
Sdsc02381

プフの眼の色の神秘。すごいね。この瞳を描きたい。
Sdsc02268_2

|

2018年10月30日 (火)

ちゅびとチョビとプフの記録 / 素晴らしい夕焼け

10月30日

次に出す本の編集、ゲラの修正。

ちかちかと明滅して暗闇に消えていく命。

一瞬と一瞬の錯綜する重なりあい、淡くて脆くて気まぐれで激しい記憶。自分もそのなかのひとつでしかない。

弱くて儚くて、誰もかえりみない小さなものの命ほど、愛おしく守りたく思う。

誰も興味を持たないが私は美しいと思ったもの、人間の自己愛からの妄想(自分に都合よく粉飾した世界)ではなく、「自分の外に在る」命の姿を見つめていきたい。

そのための本。

・・・・・

きょうのちゅび。

Sdsc00697_2

きょうのチョビとプフ。

きのうはお互い警戒してウー、シャーッと威嚇し合っていたが、一晩寝たら今朝からは距離がぐっと縮まり、興味を持って触れ合い、遊びだした。

きょうは「ウー」と怒っているのはチョビのほうだけ。プフは威嚇していない。

自分よりずっとからだの大きいプフがどこにでもくっついて来て、マネしてくるのでチョビがちょっと警戒して怒っている。

チョビがトイレでうんこしようと紙砂を掘っている時も、プフが一緒にトイレに入ってくるのでチョビは怒っていた(誰にも邪魔されずにひとりで集中したい時間だよね)。

かまって、かまって、とチョビにくっついてくるプフ。

「えいっ!」「ウッ、やられた。」

Sdsc02084

「お返しだ!」「ウッ。。」(のけぞるプフ。)
Sdsc02089_2

「それならこうだ!」「ワッ!」
Sdsc02093

ツッパリ同士の握手のような光景(逆光)。
Dsc02096_2


パイルヘアゴムを結んだ紐に夢中でじゃれるプフをじっと物陰で見つめるチョビ。Sdsc02133_2

プフが紐のほうに夢中になっている時にダッと後ろから襲いかかってバシッとパンチをしては、さっと逃げてまた物陰に隠れるチョビ。
Sdsc02134

チョビはこの戦法を何度もやっていた。まるで自分よりずっと大きい相手を爽快に打ちのめすツッパリのギャグまんがの主人公のように、狡い頓智を生み出したチョビ(おりこうさん)。

チョビが大好きなペンギン(チョビが生後一週で拾われた時から与えられているお気に入り)のぬいぐるみで遊んでいるのをじ~っと見ているプフ。
Sdsc02170

じ~っと見ていたけど、相手にしてくれないなら「ええい!」と襲うプフ。
Sdsc02171

なんで邪魔するの~?!も~!。。
Sdsc02182

チョビのペンギンのぬいぐるみを奪い取って大事に抱きかかえるプフ。
Sdsc02184

結局、チョビに相手にしてもらいたいだけのプフ。
Sdsc02186

窓辺の眩しい光の中でうっとり。
Sdsc02212

幸せ。
Sdsc02213

きょうは素晴らしい夕焼けだった。

Sdsc02228_2

金色、枇杷色、銀鼠から少しずつ薔薇色と紫に変わっていく雲を、ずっと12階の非常階段から見ていた。
Sdsc02237_2_2

紺色の空に淡い薔薇が散っていた。
Sdsc02241_2

ふわふわと風に浮かんで蒸発していくうたかたの薔薇。

Sdsc02242_2

Sdsc02246_2

最後は柿色の地平線に沿って、紫鼠色の雲が長く伸びる。納戸色の空。
Sdsc02252



|

より以前の記事一覧