写真

2025年11月30日 (日)

御嶽山

11月26日(水)

御嶽山へ行きたいと思っていて、金曜が暖かいらしいので28日にと思ったが、季節はずれの黄砂が来る予報が来ていたので水曜に決行。

寒さが少し心配だったが、晩秋の草木の息吹を吸い込みたいのと、今の自分のからだにどのくらいの力があるのか試したかったから。

運が良ければムササビ、モモンガ、カモシカ、イノシシを見られるかも、と思った。

朝、抹茶ソイプロテインを牛乳で溶いたものと卵粥。

薬一式(チラジン、アルファロール、レットヴィモ、下痢止め、吐き気止め、抗アレルギー薬など)と保険証、限度額認定証、ティッシュたくさん(寒冷アレルギーで鼻水が止まらないので)を持ち、

綿100の下着2枚、長袖Tシャツ、フリース、ジャケット、フェイクレザーのパンツ、使い捨てカイロを下着のお腹の上と腰に貼り、貼らないカイロをポケットに入れ、

いざ出発、と10時過ぎに家を出た瞬間に手足の指にテタニーが出た。なぜ?

おそらく昨晩の食事(ジャガイモ中心)のカルシウムが不十分で、今朝摂ったばかりのソイプロテインはまだ消化されてなく、血中カルシウム濃度が低い状態で涼しいところに出たせいかと思う。

ここで牛乳とアルファロールを多めに摂ると、また高カルシウムになってしまうので、痛みを我慢してそのまま駅へ。

電車に乗って、プロペト(ワセリン)を忘れたことに気づく。私は皮膚がすごく薄いので唇が乾燥して切れやすく、しょっちゅうワセリンをべたべたに塗っている。顔に風が当たらないように大きなマスクをしているのでなんとかやり過ごせるだろう。

私は忘れ物なしに旅行をできたことがない。

電車に揺られていると、食べ物の消化が進んだのかテタニーはおさまった。

三鷹を過ぎ、車窓から見える樹木が多くなり、西立川の辺りや、福生市に入った辺りの野山の色どり、晩秋の草姿の魅力に、北海道の花輪和一さんと歩いた野山を思い出す。

青梅駅についたところで11時、12時台には1時間に1本しか青梅線が無いことを知る。

駅の前にある小学校の周りの紅葉が輝いている。黄色く光る点描の銀杏が青空を無数の蝶のように舞っている。

待合室で30分ぼーっとする。

青梅線に乘ればすぐに田舎らしい景色に変わる。

1時半くらいに澤井駅で降り、すでに下山して一杯やっている人たちでいっぱいの澤乃井酒造のガーデンを通って遊歩道に降り、川沿いを御嶽まで歩く。

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澤井駅から御嶽駅までの沢沿いの道。

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河合玉堂が描いたように、極彩色ではないくすんだ青梅の晩秋。

私は楓の紅葉よりも黄色くなった葛の蔓に惹かれる。私は平面的、直線的な植物よりもねじれて絡まり合う植物の姿に惹かれるからだ。

途中「クマ出没注意」の貼り紙が。

細い道をひとりで行きながら、ここでめまいを起こして沢に落ちたら死ぬのかな、と思う。

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私の好きなかわいい橋。

途中速足で急ぐとけっこう汗をかき、上着を脱いで手に持って行く。からだは熱いが手だけは冷える。

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沢から御嶽駅に上がる急な石段を上がる時にハアハア。

御嶽山ケーブルカー駅行きのバスに乗るが、ここでも運転手さんが来ていなくて30分くらい発車を待つ。

バスの終点滝本駅から目の前に見えているケーブルカー駅までの急坂で息が切れてしまう。かなりハアハア。でも倒れそうな感じではない。

ケーブルカーで山頂駅に上る。イノシシやカモシカはいないかしらと斜面に眼を凝らす。

御岳平駅で自販機の温かいミルクティ―を飲む。

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展望台から。

拡大コピーしてきたムササビマップを見ながらまずはビジターセンターの前まで歩く。

途中の杉林は陽が落ちなくても真っ暗で、ちょっと不安になる。私は新宿で生まれ育ったので灯りのないところがすごく怖い。

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手前に楓の紅葉。その向こうに葛の黄葉。遠くに天空の集落。

ゆっくり歩いて神代ケヤキ。
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神代ケヤキにもムササビがよく来ているらしいが巣箱は見えなかった。

大鳥居の前に着いた時に3時。それから本殿に上らずに集落を上がったり下がったり、うろうろする。

萱葺の家にムササビが出入りしているというが、湯気や煙の出る穴の部分は細い木で塞いである。この隙間からは出入りできなさそうなので不思議。

自分の身体を確かめながら歩く。寒いというほどではない。

急な上り坂は息がきれても体中の血液やリンパの循環がよくなって爽快な感じだが、急な下りの時に膝の斜め上の外側の筋肉が攣るのが気になった。

ムササビの巣箱の近くで確認している人には会わなかった。

もしムササビ目的の人がいたとしても、4時過ぎの陽が落ちたあとに巣箱の近くに来て、そのあと山の上の宿に泊まる人だろう。

陽が落ちて真っ暗な中で、巣箱を見ながらひとりでじっと立って待っているのを想像したら怖くなったので、一旦ケーブルカー駅に戻ることにする。

神代ケヤキから急坂を下っている時、膝斜め上の外側の筋が急激にズキッと攣り、これはまずいと思った。

腸脛靭帯なのか、大腿二頭筋なのか、手で押しても細い筋が金属のように拘縮していてすごく痛い。自力で歩けなくなったらたいへん。

冷えているのもあるし、(癌の手術の時に副甲状腺を切除しているので)カルシウム吸収が悪いのも関係ありそう。

無理は禁物なので3:42のケーブルカーで下山することにした。

途中、枯れたオヤマボクチ(ヤマゴボウ、ネンネンボウ、ウラジロ)やノアザミ、ノコンギク、センニンソウ、サルトリイバラ、茶色く乾いて化石のようになった果実のついたヤマユリなどをじっくり眺め、味わいながらゆっくり歩く。

ケーブルカーを降りてから、目下に4:03発御嶽駅行きのバスが待っていてくれるのだが、下りの急坂ががきつい。膝斜め上のすじが痛すぎてうまく歩けない。

まったく柔軟でなく、筋肉もやせているので腸脛靭帯断裂とかあり得るのでは、と不安になるような痛み。

皆がさっさとバスに走って行く中、とろとろと、焦らないことを意識して極めてゆっくり歩いた。

バスで御嶽駅に戻る。

御嶽駅に何か売店が出ているのを見たら、生山葵だったので感激。

ピアスしているおしゃれな20歳くらいの青年。「これ、作っているおうちの人ですか?」と尋ねると

「そうです。父が」

「ええ?!ここらへんで?」

「奥多摩の方です。うちは山3つ持ってるんで」

「すごい!山葵栽培ってたいへんなんですよね。湧き水のある山の斜面でですか?」

「そうです。段々畑にして」

以前に山葵栽培について読んだことがあり、とても微妙でたいへんな仕事と思う。

山葵は100円のから3000円のまで大きさ別になっていた。

かわいらしいのを3本購入。これを摺り下ろして食べるお蕎麦やお刺身は最高。

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ホームの端っこに立って夕焼けに続く線路を見ると、未知の世界への旅情のようなものに襲われる。

錆びた鉄の柵に、私の大好きな紫や空色や青磁色の実のついたノブドウの蔓が絡まっていた。

帰りの御嶽からは接続がよかった。吉祥寺で総武線に乗り換えた。

反省要素としては脱水気味であったこと。途中、御岳平で一本の缶のミルクティしか飲んでいない。

行きの三鷹、青梅、澤井でトイレに寄ったが、もっとこまめに水分を摂って、もっと頻繁にトイレに行かないといけなかった。

帰宅してからほっとしてビールを飲んだら気持ち悪くなったのも脱水のせいだと思う。

お風呂で自分で脚の筋肉を肘でもんでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2025年8月18日 (月)

NEW AUCTIONギャラリー 沢渡朔『NANA』展 / 国立がん研究センター中央病院

8月17日(日)

沢渡朔さんの『NANA』展の最終日で13時から在廊されるとネットで見たので、ご挨拶に行って来た。

沢渡朔さんに撮っていただいた写真と谷川俊太郎さんの詩と私の絵を編集した本、1か月以上前に写真の出版社さんに入稿しているが、まだデータが来ていないことをお伝えした。

たぶんデータが来てから、私の修正希望がはいるので、今年中に本ができるのかはわからない。

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いつもながら静かでさり気なくてかっこいい沢渡朔さん。その写真は若々しくて生気に満ちる。モデルとの共鳴。

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一日半で一気に撮ったという本当にたくさんの写真。スタイリストがついていたそうで、何十種類もの服を着替えているので、そんなに短い日数で撮ったとは思えない。

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8月15日(金)

NEW AUCTIONギャラリーに11時に見学に行く。篠原さんも来てくださった。

表参道ヒルズの向かい側。裏原宿キャットストリートの側よりは静かな、大きなガラスから優しい光が差し込む地下のスペース。

12時過ぎに篠原さんが30年以上?も毎年企画しているというトキ・アートスペースのブックアート展へと移動。

灼熱の太陽の下、表参道を横切り、裏通りで古い昭和のマンションや夏草繁る廃屋を見つけたりしながら、ワタリウムの前を通り、外苑前のほうへ歩く。

足利市立美術館で11月にやるはずだったコレクション展が、市長がOKを出したのに会計課の人が予算を出さなくて中止になった話、また逆転して、今は市長のほうに分がある、と篠原さんに言われた。ええ?!

もしそうなら、すごく嬉しい(若林奮先生の絵の隣に私の絵を展示してもらえるかもしれない)のだけど、まだわかりません・・。

ブックアート展には、小学生の作った絵本から、製本のプロの作品まで、いろいろなかたちの本があった。

私が一番素敵だと思ったのはこちら。活版印刷の活字のような、しかし文節になっているもの。黒い鉛筆にも文字。入れ替え可能で詩になる。箱も手づくりだそうだ。
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吉田文憲さんの『原子野』(砂子屋書房)の装丁をした時、もう日本にはほとんど残っていない活版印刷の会社に行ったのを懐かしく思い出した。

『銀河鉄道の夜』のジョバンニがアルバイトで活字(これも星のメタファ)を拾う場面を思い出しながら、その時は印刷所にいた。

『原子野』の本の奥付を見たら内外印刷という会社だった。もうないのかもしれない。板橋のトレーニングセンターの近くだったのを覚えている。

・・・

夕方から夜、Mに舞踏の話をきく。

大きな場でなく細部の。

言葉もまた大きな言葉でないほうがいいのだろうと思う。

私の感覚では大きくて壮大な言葉ほど詩でなくなる。

デッサンする身体。

最近、人にデッサンを教えるようになって、私はデッサンのことばかり考えている。

基礎の基礎ととして構造を踏まえることはあるが、その先は

良いデッサンとはどういうものか。それは鈍くないもの、繊細で感情があって、捧げられたもの。

受動体となって、どこ(なに)が残されるのか、なのだが

おそらく身体感覚の強度や繊細にものを見る(あるいは気づく)力、線を選ぶ身体が「絵」であるデッサンを生み出すが、

「絵」になっているか、「絵」になっていない(絵未満)か、を見分けらえる人はあまりにも少なく、機械的で均質な「鉛筆画」のようなものが世間では絶賛され、人気が高い。それはデッサンでも「絵」でもない。

そしていわゆる現代アートをやっている人でデッサンを大切に考えている人は皆無だろう。

8月12日(火)

国立がん研究センター中央病院。

尿と血液検査。結果が出るまで時間がかかった。

若い男性のかたが採血してくれたのだが、「刺すときに痛いか痛くないかは、痛点に当たるかどうかで、技術とは関係ないのですか?」

と質問したら

「そのとおりです。それに針の太さも痛さと関係ないんですよ」と言われて驚いた。

普通に考えれば太いほうが痛点に当たりやすい気がするけど・・?さらに見た目で太い針の方が痛く感じてしまうというのはある。

いや、やはり太い針は痛いと思う。昔は点滴の針が太くて長時間すごく痛かった思い出が・・。

あまり細い針を開発しても、血液の成分が潰れてしまうのでだめだそうだ。

帰りにハイデに行く。

8月10日(日)

2時に足利市立美術館の篠原さんがNEW AUCTIONギャラリーのAさんとギャラリー十二社ハイデに来られた。

篠原さんはギャラリー工事途中(ダクトレールがつく前)は見ていただいたが、完成してから来られるのは初めて。

Aさんは奈良美智のドローイングなど見ていただいた。

篠原さんは、次の本のために撮影した私の絵の画像をAさんに見せてくれた。

それと紐にクリップで吊るしていた私の鉛筆デッサンを「これ、すごくいいよ」と言ってくださった。

Aさんは私の絵を「錆にこだわった画家が日本にもいたんですね」と言われた。Aさんはキ-ファーや若林奮先生が好きだそうだ。

『デッサンの基本』を見て「懐かしい。これ受験の時に使ってました」と言われたので「この本、私が書いたんですよ」と言ったらすごく驚いていらした。

どこかで誰かが自分の本を読んでいてくださるのがとても不思議だ。

 

 

 

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2025年7月23日 (水)

脳の造影剤MRI、冷房で具合が悪くなる

7月15日(火)ゲリラ豪雨

国立がん研究センター中央病院

最近、不眠でなかなか寝付けないので夜、レキソタンを前より多く飲んでいる。

昼は絶食なので、無理やり8時に起きて、まったく食べたくないのにバナナと牛乳と卵を食べる。それからまた少しウトウト・・

血液と尿検査。

1:45から脳の造影剤MRI。

検査室が寒くてたまらないので、検査着の下に着るアンダーウエアを持参していてよかった。寝不足なので寝てしまう。

終わった時に「気分はだいじょうぶですか?」と造影剤アレルギーについて聞かれる。

「MRIのだったかCTのだったか忘れちゃったんですけど、以前にくしゃみが止まらなくなったことがあって・・」と一応お伝えすると

「それはCTのです。カルテに書いてありますね。MRIとCTの造影剤は全く違うものなんです」

「一度アレルギーが出たら、もう二度と造影剤CTはできないのですか?」

「メーカーを変えてみたりすると、添加物が違うので、できたりします」

3時過ぎ、H先生の診察。

脳に2つある腫瘍(サイバーナイフ後に新しくできたもの)は変わらず。

脳天にあって開頭手術したがっていたほうの腫瘍は、腫瘍のまわりの浮腫(これが質問しても説明がよくわからない)が消えていた。

サイログロブリン(先月採取した結果)は先々月よりは落ちていた。

とりあえず、レットヴィモが効いているということ。

レットヴィモが効かなくなってからは、この2つの腫瘍が活発になるわけではなく、いろんなところに転移が出てくるという。

私はあと2年くらい、レットヴィモが効いているうちに活動的にやりたいことをやって、痛みが出てきたり動けなくなったら、人前から引っ込んでひっそりと暮らしたいと思っている。

自分の人生のタイムリミットが迫ってくる感じ。つまらないものは本当につまらない。熱狂するものはほんの少し。

レットヴィモを2か月分出してもらう。一粒4000円で2か月分で144万円?保険でMRIと合わせて44万?

8丁目の東京画廊まで歩いたら後ろから殴られる大雨で全身びしょ濡れ。

山本豊津さんはもう出かけられていたし、さんざんだった。

1丁目のサイゼリヤでワインを飲み、冷房で凍える。風邪をひきそうだった。

昔プランタンだったところにあるOKストアで買い物。

7月16日(水)曇り 肌寒い

プラトーギャラリーでの瀬戸内逍遥さんの東京での最後の個展を見に行く。瀬戸内さんが上岡さんだったと初めて知った。

そこでその前に個展をしたまむ(万夢)さんと知り合う。

イラストの仕事のこと、デッサンのこと、いろいろ熱心に質問された。まさにコンサル。

このギャラリーでも冷房がきつくて、ものすごく体が冷えて顔と眼の奥が痛くなってしまった。

7月17日(木)

高円寺駅前で川北スぴ子さんの個展。

昔の文化人形たちの世界。服飾の学校を出られたそうで、何とも言えない女の子の人形のかわいらしさとレトロ感がたまらない。

ぜひギャラリー十二社ハイデで個展してほしいのだけど。うちの雰囲気にぴったりだと思う。

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この日も冷房で顔や眼の奥が痛くなり、具合が悪くなった。

レットヴィモを飲んでいるのと関係あると思う。冷えると敵面に血液循環が悪くなってやたらに浮腫む。

 

 

 

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2025年5月20日 (火)

薔薇、薔薇・・・

神代植物公園

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グラハム・トーマス

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新宿区のある住宅地

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とても淡いアプリコット色のピエール・ド・ロンサール。

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2025年4月17日 (木)

沢渡朔さん「AWA no HIBI]」内覧会

4月10日(木)曇りのち雨

少女の頃から大好きな沢渡朔さんの写真展「AWA no HIBI」の内覧会に、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaへ。おはがきをいただいていたので伺わせていただく。

青山骨董通りを散歩。ちょっと脇道に入ると、素晴らしくきれいな花々が飾られているウインドウに思わず駆け寄る。

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「青山フラワーマーケット」の本店だった。

6時から内覧会だが、5時半くらいに伺ったら立木義浩さんはもういらしていた。

それで私は27年も前のガーディアンガーデンとクリエイションギャラリーG8の「検証・沢渡朔の写真美学」展の時のことを思い出していた。
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6時を過ぎた頃からすごい数のお客様。ひとりひとりと話す沢渡朔さん。

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この日は少し肌寒くて、私は浮腫が酷く出てしまっていたので人に顔を見られたくなかった。

そうっと沢渡さんの近くに寄って、2.3m離れたところからお客様となにを話しているのか、わずかに聞こえてくる会話を伺ったりしていた。

「30歳の沢渡朔はまさにアンファンテリブル。『少女アリス』と『ナディア』は沢渡朔にしか撮れない。篠山紀信にもアラーキーにも撮れない」

と沢渡さんに熱弁しているお客様がいて、私がいつも沢渡さんに心からお伝えしていることと同じなので、

無言で沢渡さんに「本当にそのとおりですね」とにっこり目線を送ると

沢渡さんは昔から同じ仕草で、ちょっと困ったような恥ずかしそうな顔を私に返してくれる。

「いや、みんなもっとすごいの撮ってるわけだからさあ」と謙遜する沢渡さんは本当に繊細で気取りがなくて素敵な人。

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私を撮ってくださった時もそうだったが、ポーズをとらせるのではなく、自然な感じで女性を自由にさせて撮っていく。

その場所で、現場で、撮られる側と撮る側がなにか感じれば自然に絵になっていく感じが、沢渡さん特有の、女性を柔らかく自由にしていく無言の感応力、その信頼感が素晴らしいのです。

そして靄のような、小さく震える片隅の植物のような、その一瞬の場で出会うとらえがたいものを撮ってくださるから、私は沢渡朔さんの詩的な写真が大好きなのだ。

会場ではとても素敵なソムリエ(?)さんがワインなどの飲み物を配ってくれていた。

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この日はこのあとローソンのイートインで休んでいたら急に強い雨となり、傘を買って帰った。

・・

1998年「検証・沢渡朔の写真美学」展(Guardian Garden ガーディアンガーデンとクリエイションギャラリーG8の二会場)の時の沢渡朔さんと私。
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詩人の白石和子さんと沢渡朔さんと。
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この時のモノクロ写真は当時のアシスタントさんが撮ってくださっていた会場写真だと思うが、わざわざ自宅にお送りくださって、なんて丁寧なのかしらとたいへん感激したものだ。

この時、金子功ご夫妻が全身カネコイサオの服で現れて、うわ!すごい!ユリさんきれい!って衝撃を受けたのを覚えている。

今思うと、なんでお二方を撮れなかったのだろうと残念でたまらないのだが、緊張して慌てていたのか撮ることができなかった。

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写真家さんたちのトークがありました。女性を撮ることについてだったと思う。

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今も昔もかっこいい沢渡朔さんと立木義浩さん。

「検証・沢渡朔の写真美学」 この本は沢渡朔さんのお生まれの時のことから、「女性を撮ることに独自の美学を貫きとおす」沢渡朔さんのデビューから約20年の写真人生をまとめた素晴らしい本なのです。

当時いただいたサインも入っていて、とても大切にして時々読み返している。
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この本と2004年の「Natural Glow 特集沢渡朔 「NADIA 究極の愛との出会い」」は沢渡さんの感性のありかたがよくわかる。私の宝物。

今、私が編集制作中の本は、沢渡朔さんが撮ってくださった写真(20年前に廃墟で撮影、一昨年に癌で右肺葉を摘出した時の手術痕を撮影、昨年に枯れ野原で撮影)と、谷川俊太郎さんがくださった詩と、私の(1冊目の画集にはいらなかった)絵をまとめた本です。

 

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2025年4月11日 (金)

新緑、椿、枝垂桜、浮腫がましな日

4月9日(水)23.8℃

今朝は眼が覚めた時に顔が冷えていなくて、眼の奥と瞼の痛みが少なかった。明け方の最低気温が11℃で寒く無かったせいか。

きのう、マッサージ師のWさんに「頭ががっちがち!びっくりするくらい!頭痛が酷いレヴェル」と言われて、こめかみを思いっきりもんでもらったおかげか。

最近のうちでは浮腫(鬱血)が軽いほうだ。浮腫の調子は日によってすごく差がある。

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ソメイヨシノ。私の好きな緑の光の帯が出た。

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私の大好きな去年の立ち枯れと、点描の新芽と、緑の光の帯。
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この緑の光の帯はレンズの汚れのせい?


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白い八重椿。「白雪」だったろうか・・?
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枝垂桜。

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井之頭公園の池。残照ぎりぎりに間に合った。

なんとなく感傷的な風景だが、毛利武彦先生がこの池を森閑とした風景として描いていたのを思って、桜の季節にはつい来てしまう。

 

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2025年2月21日 (金)

忙しい。 ギャラリーのかたが絵を見に来られる

2月10日(月)

ドアを入ったところの引き出しの上で待っていて、家に帰って来た瞬間にぐねぐねがっつんと甘えてくるちゅび。
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本日の私の顔の浮腫は、最悪の時よりはだいぶましなほう。

2月14日(金)

新宿眼科画廊の展示『影の分際』の初日を見に行く。河口梨奈さんに挨拶。

新宿ゴールデン街にある昔のグループサウンズのお店。入ったことはないけれど、この写真がいっぱい飾ってある窓が健在だったことが嬉しい。

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2月15日(土)

新宿眼科画廊の展示『影の分際』の2日目を見に行き、菊井崇史さんとお話しできた。

藤本哲明さんともZOOMでお話しできた。

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写真家の河口梨奈さん

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けれど今日はギャラリーの人が絵を見に来られる約束があるので、菊井さんのトーク(ZOOMで藤本哲明さんと村津蘭さんとつながっている)の時間までいることができず、残念だが17時すぎに失礼した。

・・・

ギャラリーのかたが絵を見に来られた。

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鉛筆デッサンまで熱心に見ておられた。

「すごくいい」と言ってくださった。私のことを「インテリすぎて淋しい絵なのかと思ったけど、ぜんぜん違ってて、明るくて強い」と。

相当に絵が好きなかたのようで、私がピサネロが好きだと言ったら「ヴェローナ」という町の名前が出てきたり・・。

けっこう話が弾んで夜11時過ぎまでおられた。

まあ、この先どうなるかわからず・・。

体力と時間のこともあるので、今までのように根を詰めてやるのではないかたちで、いろいろおまかせできたら嬉しい。

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2024年3月20日 (水)

沢渡朔さんに選んでいただいた写真を見る / レットヴィモ開始

3月19日(火)曇りのち晴れ

7時に目が覚めた時、少し瞼に違和感。目を開けようとすると押さえつけられる感じ。

微かだがレットヴィモのむくみと倦怠感が始まっている感覚。

昨日と同じ雑炊。9時にレットヴィモ80mg×2。

・・

沢渡朔さんの事務所に行って、選んでくださった写真をPCで見る。

正直、ずっと私の動きが美しくなくて失敗だったという悔恨に苦しんでいたのだけれど、

写真を見てびっくり。本当にすごかった。

さすが、写真の詩人、沢渡朔さん。

私が撮られているので、決して顔がきれいなわけでもなく、スタイルもまったく色気がないのだが、

まさに私らしくて、私ではない誰か

細い蔓の無数の曲線がうねる隙間から微かに見える誰か

髪の毛がなびく瞬間、身体がしなる瞬間、跳躍する瞬間、くずおれる瞬間、

森の中の移ろう黒いシルエットになったり

突然、森が白く燃え上がったり・・・

私の知っている大好きな枯れ蔓の森の世界でありながら、完全に「もうひとつの世界」になっていた。

すべてがさり気なく、まったくありきたりではないことに激しく打たれた。

そして「すごく自然でしょう。植物と一体になってるし。今回はすごく動いてくれたので、前に撮った時にはなかった写真が撮れた」と言ってくださった。

「福山さんがどうしても嫌だと言うのがあったら、それははずすから言って。」と言われ、

あまり距離が近いもの、顔や皮膚がはっきりしすぎているものは恥ずかしくて嫌だったのだが

「これ?だいじょうぶだよ。これいい写真だよ。」と。

「若く見えるし、子供が遊んでいるみたいでいいよ。」

きわめつけは「俺は福山さんが絶対気に入るものだけを選んだんだから。」と言われ・・・

沢渡さんが私の感覚を理解していると言いきってくださった、

あまりのかっこいい言葉に胸が詰まって、もう何も言葉が出なかった。

すべては沢渡朔さんのおかげ。

・・

そのあとローズヒップティーを飲みながらお話した。

最近製造中止になったチェルシーの昔のCM(私の大大大好きなサマンサが弟と出ていた)は沢渡さんが撮られたのですか、と質問すると、

あのCMは動画ではなくスチールを撮った、と。(ああ、見てみたい・・)

床に積んであった昔(70年くらい)のたくさんの写真パネル
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(私が子供の頃に恋焦がれて、今も胸しめつけられる失われた情景)を少し見せていただいたり

お父様、沢渡恒(ひさし)さんのお話を伺ったりした。

上は沢渡恒さんが1934年に描かれた絵。下は1980年頃の沢渡朔さんの写真。
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沢渡恒さんは文学者を志し、石川淳や稲垣足穂と交流があったが、

戦争末期に駆り出され、肺結核になり、35歳で亡くなられたそうだ。

「35歳って言ったら、まだ自分が何者かもわからない頃だよね・・・あの頃は酷かったね。戦争で負けるってわかってるのに日本全体が流されて・・・」ととても悲しそうに静かに言われた。

私の癌についても「福山さんはすごく夢中になれるものがあるからだいじょうぶだよ。」と言ってくださった。

 

3月18日(月)夕方強風 とても寒い

朝、8時頃雑炊を食べ、9時に初めてのレットヴィモ。80mg×2。

雑炊は玄米少々に卵、昆布出汁、紀州南高梅、鮭フレーク、三つ葉、海苔、わさび。

2時半に沢渡朔さんに電話。「写真を選ったので明日1時に事務所に見に来て。」と言われる。

夕方5時半に家を出て卓球へ。分子標的薬を始めるのでもしかしたら参加できないかも、とあらかじめメールでお伝えしていたS井さんに

「わあ、福山さん!来たんだ~」と喜んでいただけた。

まだなんの副作用も無し。

卓球はもうてきぱき動けなくなるかもしれない、とがんばって今日は試合で1番になった。

卓球が終わって自転車で帰宅する時間が強風でものすごく寒くて、指も顔も耳も冷えてがんがんした。

身体が冷えすぎると癌に悪い・・と不安になる。

夜8時頃にまた朝と同じあっさり雑炊。+イワシの南蛮漬け。

9時にレットヴィモ80mg×2。

 

 

 

 

 

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2024年3月18日 (月)

沢渡朔さんと撮影

3月17日(日)21℃ 風やや強い

緊張して何度も目が覚めた。

7時すぎに起床。昨夜のリゾットの残りを茶碗に半分くらい食べ、お風呂に入る。

9時半に家を出て沢渡さんの事務所へ。

そこからアシスタントのS原さんの運転で沢渡さん宅へお迎えに行き、高速に乗って目的地へ。

「なかなか暖かい日がなかったけど、今日は暖かくなって本当に良かった。風もあるし。」と沢渡さんが窓を開けて手のひらで風を確かめながらおっしゃった。

沢渡さんのケイタイに電話が来て「ああ、カズオちゃん?」とお話されていた。

電話を切ってから「従兄弟。こないだ山形に行ったんで会ったんだよ。向こうの新聞に俺の親父のことが載ってね。」と。

沢渡さんのお父様は詩人だったと聞いている。

明日から分子標的薬を始めること、そうしたら副作用でむくみが出、倦怠感や吐き気、頭痛などで元気に走り回れなくなりそうなことをお伝えする。

「今日みたいなのは楽しいから病気にはいいんでしょ。」と沢渡さんはわかってくださっている。

現地には12時頃着。

朽ちた樹と枯れ蔓の絡まる中で撮影。

少し撮ってから「自分で写真を作っていって。」と言われ、じゅうじゅうわかっているはずなのに

すごく緊張してしまって、きれいな動きができない。

うまくできない自分がもどかしく、苦しい。

私はこれほどの憧れの人と相互作用で奇跡を起こせない自分を憎んでしまう。

けれど、とても楽しい、生きている感覚に充ちた一日。

 

これは手伝ってくれた友人が撮った休憩時の写真。
Sdsc07718 

きれいな蔓を見つけたらイケマの名残の鞘がついていたので歓喜。さっそく身に絡めた。

草原はまだまだノイバラの蔓が渦を巻くようにはびこっていて、もこもこちくちくして足を取られて小走りにも走ることができない。

樹の枝は棘だらけのサイカチが多く、それに絡まったカナムグラの蔓の細かい棘もやられ、

撮影が終わった時には手も腕も脚も足も引掻き傷だらけ。血だらけ。

イガイガトゲトゲだらけの草の上に倒れこんだりもしたのでもうたいへん。

一歩一歩が絡み取られるようなぼこぼこの草地を無理やり走ったので、帰り道ではふくらはぎが痙攣。

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沢渡朔さんはいつでも自由でそよそよしていて、気取りのない芸術家で、ほんとうにかっこいい。

19年前にこことは別の廃墟(私がほれ込んだ場所)で撮っていただいてから、また沢渡さんと一緒に作業できた夢のような一日。

 

 

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2024年3月16日 (土)

野イバラの棘 / 傷つけられる言葉

3月15日(金)

沢渡朔さんに午後1時半に電話して打ち合わせの約束をしていたのに、急にうちの電話が不通になる。

(電話代を少しでも安くしようとプロバイダなどが複雑になってしまい)ルータを3つもつないであるので、どこが抜けたのか調べるのもたいへん。

とりあえずフヂヤ薬局さんで電話を貸していただいて、沢渡さんとお話しできた。

その後、ゆっくりコードを確認して電話とPC復活。

3時過ぎにT・Hが電話をくれた。

彼女は私の病気の不安や対人で負う傷をすごくわかってくれる人。

それでだいぶ落ち着くことができた。

3月14日(木)

もうすぐ沢渡朔さんと撮影する予定の現場に、棘でいっぱいのイバラの蔓を切りに行った。

通り道が野イバラで塞がれていてとても危険だったからだ。

前回来た時は野イバラはまだあまり芽吹いておらず、枯れ枝に棘がいっぱいで、ジーパンの上からもたくさんの棘が喰い込んで脚が血だらけになった。

今は枯れ枝から緑の棘と新芽でいっぱいの蔓がしゅる~と伸びている。

前に来た時は気づかなかったが、大きいものは3メートル以上のしなった蔓がびっしり出て、高い樹に絡まっている。

もうひとつ怖いのはサイカチの棘。枯れた枝が突っ立っていて、茶色くて目立たないがぎょっとするほど大きく固く鋭い棘だ。

5時に高円寺に戻らなければならなかったので急いで作業。

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3月13日(水)

レットヴィモ(セルベルカチニブ)を服用しているかたのブログを読んでいた。

夜、眠れないほどの口内乾燥、口内炎、発熱、頭痛、

酷いむくみ、そして肝臓の値の急上昇(倦怠感)や皮疹(アレルギー)が出たら休薬しなければならず、

休薬したらすぐにまた腫瘍が増大。

個人差はあると思うが、怖いことに変わりない。

これから耐えていかなければならないことが重くて、不安で神経が張りつめてしまった。

肝臓の値が大きく上がったら安静と言われるらしい(卓球なんてとんでもない)。

経済的なことも不安。

なによりも効かなくなったら終わり、もう使えなくなることが怖い。

友人に短いメールを送ったら、「薬がおいしいといいね」という返事が来て、ものすごくイライラしてしまった。

命に関わる病気でない人が命の不安ではりつめている相手に、まるで高みの見物発言。

彼女は「笑わそうとした」と言う。

まったく笑えないし、笑わそうとしてほしくなんかない。

ただ「たいへんだね」と言ってくれればそれでいいのに。

気持ちが暗く張りつめている時に投げかけられた不用意なひとことで体調が滅茶苦茶になった。

マッサージの人に「つい2日前に、柔らかくしたのに、どうしてまた首や肩や頭ががちがちになってるのかと思ったら、ストレスですね」と言われた。

友人に悪気はないのはわかっている。私は悪気が無い人がすごく怖い。

感覚的なものが通じない相手がすごく怖いのだ。

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