2024年4月11日 (木)

十二月桜(太白)、レットヴィモの副作用がきつい

4月10日(水)

レットヴィモ320mgを飲み始めて24日目。

きのうくらいから副作用が強く出て体調が悪い。

眠気と倦怠感が酷くなり、顔の浮腫も確実に増し、右目の瞼が眼にかぶってきた。

「十二月桜」(以前は「太白」の札が付いていた)が見たくて新宿御苑へ。

http://chitaneko.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-690bf6.html 

混雑を避けて大木戸門から入場。「今日は予約なしで入場できます」の看板。

もうソメイヨシノはほとんど散っていたがそこそこ混んでいた。

中央広場のすぐ手前の鬱蒼とした林の中の、愛着のあった山桜の古木が無くなっていた。

てんぐ巣病の枯れ枝が増えていたから切られてしまう気はしていたが、淋しい。

池の手前の「琴平」は咲きかけ。「十二月桜」(ほぼ「太白」)は終わりかけ。「駿河台匂い」はまだ莟。
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「十二月桜」(ほぼ「太白」)

好きな桜に会えて嬉しいが、いつものわーっと胸が躍るような快感が湧いてこない。頭の重い靄に圧迫されている。

通常の私なら何種類もの桜を見るためすごい勢いでがんがん歩き回るのだが、とにかく眠くてだるくて早く歩けない。

千鳥足ではないにしろ、まるで泥酔しているような疲労感。

そのあと千駄ヶ谷門の方に行こうとして方角に迷ってしまった。

千駄ヶ谷門近くの高いソメイヨシノの森はほぼ散っていた。

「鬱金」と「一葉」は5分咲きで美しかった。

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「鬱金」

途中、ベンチが空いていなくて座れなくて、太腿や肩も痛いし、本当にちゃんと歩いて帰れるのだろうかと心配になるくらい怠かった。

なんとか新宿門から出て、新宿高校のフェンスの咲き始めたモッコウバラを見ながらヨタヨタと新宿駅へ。

塀の隅のハルノノゲシが美しかった。

4月9日(火)

眠くて怠くてたまらない。むくみで眼が大きく開かない。

16時にWさんにマッサージしてもらったが、Wさんが言うには足は(病的ではなく)普通のむくみかた。これくらいのお客さんはよくいると。

顔はむくんでいるが知らない人が見たら皮膚が張っているから若く見える、と。

ただ頭から額はがちがちに凝っているそうだ。

私としては眼や後頭部が重く痛くて顔も苦しい。

マッサージしていただいたあと、仕事。

とにかく手仕事に集中して少しでも脳の血流をよくしたい。

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2024年3月 2日 (土)

神代植物園 梅園 書肆山田展

3月1日

神代植物園の梅園へ。

正門の近くにある、私の好きな大輪緑萼は散ってしまっていた。

薔薇園の中を通ると、薔薇苗は全部切り詰められた茶色い枝だけ。花も葉もなく棘ばかりが目立つ。

ところどころに赤い新芽が吹き出しているものもあるが、造ン作業で働く人しかいない閑散とした風景。

梅園はもうほとんど花が無いのかと思っていたが、意外にもまだ華やかに咲いている樹が多く、素晴らしい匂い。

メジロたちの天国だった。

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私の好きな「塒出の鷹枝垂」は散っていたが、「輪違い」や「白牡丹」、「見驚」などが満開。

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鳥の声ばかりが響く静かで清涼な花の香りに満ちた空間で、

地面に腰を下ろしてうねっている古木のそばにいると、とても心が落ち着く。
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椿園のほうは「有楽(侘助・太郎冠者)」はもう散ってしまって地面のほうが華やかだった。
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ほかに満開だったのは柔らかな色とぽってりした花弁の「曙」。

ほとんどの椿がまだ莟だったが、光だけはとてもまぶしい一日。

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帰りは吉祥寺に出て、佐藤美奈子(フリーの編集)さんが企画した書肆山田の展示&販売へ。

2024年 3月1日(金)~3月10日(日)「凝て、触れて、読む――『書肆山田の本』展」 | Gallery ナベサン

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2024年1月14日 (日)

寒中お見舞い申し上げます

1月14日(日)

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アネモネ(鉛筆、水彩)花弁はほぼ白い地にきれぎれの紫の線が脈に添って現れていた

寒中お見舞い申し上げます。

年末はエネルギーが切れてしまい、今年は1枚も年賀状を書くことができませんでした。

年賀状をくださったかた、ありがとうございます。申し訳ありません。

今年は私にとっては益々厳しい闘病の年になると思う。

 

 

 

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2023年11月 7日 (火)

GALLERY工での個展の記録 9日目(11月2日)

11月2日(木)

12時オープンの少し前に着いたら、中で味戸ケイコさんが待っていてくださって大感激。今日もいきなり泣きそうになる。

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私が少女の頃、味戸ケイコさんの絵が掲載された本を見ることができたこと、その当時はもちろん、それから年月を経ても少しずつでもそれらを集めることができたことが、どれほど今の私を支えていてくれるかしれない。

味戸さんの画集と一番好きな絵本『あの子が見える』を用意してお話ししていただいた。

味戸さんはご自分の絵を暗いとおっしゃったりするのだが、私はそう感じたことは一度もない。

「前にもそう言ってくれたわね。」

「はい。全然暗いとは感じなくて、むしろ感覚的にすごくしっくりと共感出来て、限りなく温かい闇とか。靄とか、霧とか・・。」

「私も霧や靄が好き。雨の日とか。」

「そう!私もカンカン照りは苦手で雨の日が好きです。植物が濡れて、雫がこぼれたり風に散ったり。」

味戸ケイコさんは本当に鉛筆の感触を大切に描かれていて、そのタッチにすごい深みと陰影と、すぐ近くに在るのによくわからない、見えそうで見えないけれど確かなものが激しく顕われていて。

自分が死んだときに絵がどうなってしまうのか、廃棄されるのが虚しくて怖くて、大きな作品を作れなくなったりした、とお話したら

「自分が死んだあとは誰かが考えてくれるのよ。それは本人は気にしないでどんどん描いていいのよ。私も今あるものを函館の美術館が収蔵してくれることになったり、そういうのは決まる時は急にとんとんと決まるのよ。なるべくひとつのところに収蔵してもらったほうがいいとは思うけど。大切な作品が誰かに買ってもらって散っていても、それはその人が大切にしてくれるんだし。生活のためだったんだからそれもいいのよ」と言われた。

味戸さんはJR高円寺駅からお帰りになるというので途中までお送りした。私の好きな古着屋Ivy Storeで2900円の明るいベージュのニットワンピースを見つけて、「これすごくきれいだし、安いわ~。いいわね」

雑貨屋MALTOでは「こういうのひとつ買ったら限りなく買っちゃいそうになるわね」と。

平凡社の「太陽」などの編集長だった清水壽明さん。
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画集の時にお世話になったカメラマンの糸井康友さん。

そしてミュージシャンの斉藤哲夫さん。ずっと前に個展に来てくださった時は、介護施設のバスの運転手をされていたり、お父様の介護をされていたり。それから私も両親の介護があり。哲夫さんは2度も脳梗塞になられたり。

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そんなこんなで本当に久しぶりの再会。住所がわからなくなって昨年の個展のご案内は事務所に出した。そのハガキを持って哲夫さんは吉祥寺のギャラリーまで来てくれようとしたのに、場所を間違えて会えなかったと知ってびっくり。

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「グッドタイムミュージック」を途中まで歌ってくださり、私もハモった。

「はい、ここから先はギャラが発生します(笑)。なんてのは嘘だけどさ。ちゃんと練習してないからできないや。この前のエンケンの追悼コンサートの時は、つわものぞろいだったからすごく練習したからね。」

「遠藤賢司さん、本当に優しくて。個展にも来てくれたし、私が出したアネモネの絵を描いたはがきに「美しいなあ~ずっと机の上に飾ってるよ」って言ってくれて」と言ったら「今度、エンケンのうちに一緒に行こうか。素敵な木の家だよ。」と。

斉藤哲夫さん、ぜんぜん変わっていない。気取りが無くて正直で温かい。

JRの駅の方から帰ると言われたので送って行った。

「古着屋好きで、高円寺によく来るのよ。でもこっち(新高円寺駅のほう)までは来たことなかったなあ」

私の好きな古着屋を紹介しながら歩いた。花輪和一さんに興味があると言うので、歩きながら彼の話をしたり。

高円寺パル商店街にて。
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そのほかもたくさんのお客様がお見えになった。

新聞社のMさん。お忙しいかたなので初めてお会いできたが、とても謙虚で優しいかた。

 

昨年の個展で猫の絵を買ってくださったYさん。大学で仏文を学ばれたそうだが、メールの文章を読んだだけでも、そうとうの教養と思慮のあるかたとわかる。

そのYさんが大きなアネモネの絵をじっと見ていてくださって、

「今、京都のお寺なんかで若い日本画家に襖絵を描かせたりしてるらしいんですけど、みんな絵が軽い。私は今、若冲に匹敵する人は福山さんしかいないと思っています」と言われて、本当に胸がずきゅーんと打たれるように感激した。

Yさんは2点を選んですごく迷われて、最後に「古い本」という絵をご購入くださった。お父様の思い出に添うように。

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2023年11月 6日 (月)

GALLERY工での個展の記録 8日目(11月1日)

11月1日(水)

今日は一番に、フリーの編集者のM子さんがいらしてくれて感激。とても久しぶりにお会いできた。ずっとお話ししたかった人。

M子さんは本当に真摯でていねいで心の通じるかた。

昔、図書新聞で私と稲川方人さんとの対談をやってくれたかたでもある。

M子さんは長くギャラリーにいてくださって(涙)、この絵を買ってくださった。「鬱金香」(チューリップの和名です)
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それから高校時代の部活時の大先輩、K田さん。私は美術系ではなく音楽系の部活で、K田さんには音階のことなどいろいろ教わった楽しい思い出が。

S出版のS原さん。彼は浩瀚な『舞踏大全』を持っていたり、現代音楽にも詳しい芸術好きなかた。

 

そして筑摩書房の大山悦子さんが、出来上がったばかりのちくま学芸文庫『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』(ジャック・デリダ著、鵜飼哲訳)を持って来てくれました!

この本の巻末に私のエッセイが載っています。学者ではない私が、デリダが最期に訴えていたことに応鳴(鳴き声で応答)したものです。

ついに、ついに出来上がった!と大山さんと乾杯。デリダの奥様が亡くなり・・・いろいろあって3年くらい、どうなるんだろうとずっと心配していましたが、ついに!

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そしてやはり何年も遠く離れて会えていなかったNちゃん。血はつながらないけど私の実の妹のような人。新幹線で日帰りで来てくれた。まわりにお客様がいなかったら私は号泣していた。

彼女が欲しいといってくれた絵たち。連作「薔薇の散策」

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「薔薇の触手」
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今日も個人的には嬉しくてありがたくて泣き崩れてしまいそうなことがたくさんあって、私は自分を冷静に保つのに必死だった。

見に来てくださったすべてのお客様に感謝です。

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GALLERY工での個展の記録 7日目(10月31日)

10月31日(火)

今日1番は、我が家のプフが保護されたばかりの時(当時の名前はユキ)に預かっていてくださったT木さん。

あの時、うちにはちゅびとチョッピーという真菌感染した赤ちゃんが2匹、隔離して必死に治療中で、3匹目を迎えることができなかった。

2匹の真菌がやっとこさ治り、あわやほかのうちにもらわれそうになったプフを(そのお宅のおじいさまが反対したおかげで)、もらい受けることができて幸せだった。

そしてなんと高校1年の時の担任のA井先生が現れて絶句。もう高校の名簿も紛失してしまっていたのだが、私の映画の時にいらしてくださっていたらしく、その時のメモが発見されてご案内を出して奇跡の再会。
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なぜか恐ろしいほどお変わりなく、背筋まっすぐで白髪もなくてびっくり。先生からも「そちらも変わってないじゃないか」と言われた。

足利市立美術館の私の展示を見に行ってくださったA子ちゃんのお姉さま。

卓球の友人のU田さん。S井さん。

水墨画家の新倉章子さん。
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新倉さんのように高度の技術を持っているかたに、意外にも私があまり自信がない作品をほめられて驚く。作者のわからないところに、見る側が何かを感じてくださる。

作者の意図を超えた偶然の色、かすれ、傷、錆、歪みのようなものに感応してくださるかたがいてくださることが幸せと思う。

 

そして山梨県の白州に住んでいるデザイナーのカズミさん(私の『反絵、触れる、けだもののフラボン』と『花裂ける、廃絵逆めぐり』のエディトリアルデザインをしてくれた古くからの友人)が来てくれたので本当にびっくり!

カズミさんは足などの血管に炎症が起きる難病なので、遠出は慎重にされている。何十年ぶりかに東京に出て来たという。しかもひとりで。

カズミさんは水彩の「薔薇の散策2」を選んでくださった。

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荻窪の古書店のNさんは、再びいらして何度も吟味された結果、この「秋野」をお買い上げくださった。
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私の大好きな卓球のM原先生。82歳になられるよき指導者。先生のお父様も油絵の画家で、昔、山で亡くなられたそうだ。
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水声社の編集長で私の『花裂ける、廃絵逆めぐり』に辛抱強く関わってくださった飛田陽子さん(一緒に写真を撮るのを忘れて残念)。

英文学者の佐藤亨さん。

画家の高須賀優さん。

歌人の天草季紅さん。

足利市立美術館まで見に来てくださったダンサーの藤本美喜子さんとご主人。私のブログと本『反絵、触れる、けだもののフラボン』を読んだのが先で、そのあとに絵を知って、絵を好きになってくださったそうだ。
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2023年11月 5日 (日)

GALLERY工での個展の記録 5日目(10月29日)

10月29日(日)

最初は、つい最近卓球で知り合った若い友人。私がお菓子を食べないので日本酒を持って来てくださる。お酒を飲みそうにない若い方なのに恐縮。

そして水墨画家の渡辺友一さん。

Twitterで応援してくださるぼけっとふるねすさん。

近所の方々。

私が尊敬するフジヤ薬局の澄子さん。緑道側の窓から、中の私と大きく手を振りあって「来たわよ~!」「ありがとうございます~!」の合図。

高円寺が誇る100年超のお蔵の薬局の薬剤師さん。「あなたのためにとっておいたのよ。これかわいいでしょう?」と枝に並んだ小鳥の写真(新聞の切り抜き)をプレゼントしてくれたりする。
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澄子さんは薬学、植物に詳しくて、とてもたくさんの雑草の名前を知っているのだが「あなたほど雑草の名前を知っている人はいないわ」と私に言う。

これは11月4日に撮影したフジヤ薬局。小さく映っていますがモデルは私が敬愛する天才です。

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古書店勤務のNさんとTwitter仲間のMさん。熱心に見ていただいて感謝。

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個展の2日目に届いた五木玲子さんからのピンクの百合がどんどん開花してきて、建物の玄関まで甘い香りがたゆたっている。

五木玲子さんはちょっと暗くて強烈な花の絵を描かれていて、1999年の銀座の個展で「同じ感覚を持つ同志の出合いということで」とおっしゃって絵を買ってくださった。その絵は灰色の丘の風になびく白いコスモスの絵だった。

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五木玲子さんは小説家の五木寛之さんの奥様でもあります。

 

 

 

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2023年8月15日 (火)

足利市立美術館特別展示室での福山知佐子展「異貌の花々」のお知らせ

足利市立美術館の特別展示室で、
9月12日から10月1日まで福山知佐子展「異貌の花々」を開催していただけます。
大作を含め、12点ほどの展示です。

私の特別展示室での個展は観覧無料です。
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足利市立美術館コレクション展2023「色彩散歩」(8月26日~10月22日)と同時開催される、
「色彩の手ざわり」と題する特別展示の一部です。

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「色彩散歩」では加納光於、若林奮、中西夏之、清水晃、難波田龍起など23名の作品110点あまりを観ることができます。

こちらは一般710円の観覧料です。

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皆様、機会がございましたらぜひお立ち寄りください。

なお、10月25日から11月3日まで、丸の内線新高円寺駅2分のギャラリー工(こう)で個展をします。

こちらは、私は毎日在廊する予定ですので、ぜひご高覧いただけたら幸いです。

 

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2023年7月19日 (水)

ボリジ、ノラニンジン、刑務所の中の日記

7月11日(火)雨

ここは札幌よりは高い位置にあるのでだいぶ涼しい。

夜、トイレに行くと窓の外の空気はしんしんと冷えていて寒いくらい。体感14℃くらい。

家の前に植えてある青紫の優美な花。田中未知さんがオランダから種を送って来たという。
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調べてみたらボリジ(瑠璃萵苣、ルリヂシャ)という植物らしい。

私もこの花を初めて行った時のベルリンの原っぱで見て忘れられなかった。聖母マリアの青い衣を描くときに使われ、マドンナブルーと言われるそうだ。

北海道の天気は目まぐるしく変わる。雷が鳴ってざあっと降って、晴れて曇って、また降って。

夕方、ひとりで家の周りを散歩した。どの家も植物を植えている。

ラベンダー、薔薇、ウマゴヤシ、マツムシソウ、タイマツバナ(ベルガモット・モナルダ)が満開。

そして道端に勝手に生えている美しいノラニンジン。初めてこのレースフラワーを道端で見た時、さすが北海道、とすごく感動した。Sdsc04585

ひとり、集落の端っこの階段を降りると、去年ふたりで歩いた最初に花輪さんが発見したイケマの道に出る。今はその道が破壊されていて、広大な農地にブルドーザーが入っているので泣きそうになる。

野生のフキの茎を折って齧ると、苦い懐かしい味に胸がつーんとする。

・・

「これ刑務所の中で書いてた日記。」と、私がねだったわけでもなく花輪さんが大学ノートを持ってきて見せてくれた。

あの名作『刑務所の中』が描かれる前のリアルなデッサン、スケッチと日々の記録。見た夢の記述も多い。

あまりに明確にデッサンした建物の中の絵は、刑務官によってきれいに切り取られて無くなっている。

しかしリアルに細かくデッサンしたことで建物内部の構造すべてが記憶に鮮明に残っていたから、あの漫画を描けたのだなあ、と感動。

『刑務所の中』のまんがに描かれたコマより数段繊細かつ劇的に、赤と青と黒のボールペンの線で描かれた風呂場の窓からの陽の光。光の中になにかがいる。(画像の無断転載は固くお断りします)

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ほかにも毎日、部屋から見える白樺の樹の成長と変容を描いたデッサン、読んだ雑誌の中にあった顔写真や絵(なぜかベルト・モリゾの絵)のスケッチ、見開きの記事ひとつそのまま写したもの(立花隆が書いているオウム関連の記事)・・・。

「なんでこんなに根気があるの?すごすぎる。こんなに根気がある人はいない。」と言うと

「だってやることがないんだもん。しかたないんだよ。」と。

ほかの皆がだらだら寝ている時に、ひとり絵を描かずにはいられなかった、すべてを克明に記録せずにはいられなかった、根っからの掛け値なしの表現者。

それは誰に見せることも意識していない純粋なノートで、天才過ぎて涙が出てくる。

しかし白樺の樹の変容を定点から描いたものを見ても、一般の人は何の感動もないのだろうな、結局、絵を描く人間どうしでしか感動しないのだろうな、と思ってしまう自分もいる。

7月12日(水)曇り

朝7時に起きて、深紅のラズベリージャムをこんもりつけたパンと紅茶。

8時45分発のバスで花輪さんに駅まで一緒に乗ってもらう。

駅で花輪さんに「いろいろお世話になりました。パソコンまで直してもらって。」と言われ、

「ええ?たいへんお世話になったのはこっちでしょう?いろいろすみませんでした。」

「福山さんは精神が強すぎるんだよね~。」

「ええ?どこが?」

「ものすごく精神が強すぎて、それにからだがついていけなくて、すごくやせちゃってて。俺なんてついていくのがやっとだよ。」

11:40発羽田行きの飛行機に、10:30にチェックインしたら、1席だけ残っていた窓際の席がとれた。

千歳の原生林と支笏湖が光るのを空の上から見るのをすごく楽しみにしていたのに・・・今日は厚い曇に覆われていて残念。

新千歳を飛び立ってから窓の外は真っ白。まあ、雨で雷雲の中に入ってしまったりしたら2、3時間も遅れることもあるらしいので、順調に飛行できて幸運と思わないといけない。

30分くらいしてからカーッと晴れて山脈が見え来て、東京に着く頃は36℃。

品川で電車を乗り換える時、温度差に順応できずに吐き気がした。

 

 

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2023年7月18日 (火)

花輪和一と江別、石狩川へ

7月10日(月)蒸し暑い日。

昨年の秋にあんなに感激したイケマでいっぱいの野原が今は失われてしまい、悲しすぎるので、どこか人のいない原っぱに行きたい、と言うと、

花輪さんが「ずっと前に江別の石狩川の岸辺に行った時、原っぱがあったような気がする。」と言うので、行ってみることにした。

江別駅で降りると、本当に何もないところ。店が無く、廃屋ばかり。川への道を駅前交番で尋ねて歩き出すが迷ってしまう。

煙突のある廃屋。ドアを塞いでいる桑の木の実を食べる花輪和一。

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道端に私の好きなビロードモウズイカ。寂しい風景。
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歩けど歩けど川が見えない。30分以上歩き、ジーパンまで汗でぐしょぐしょ。ほとんど人と会わず、途中、やっと出会った人に道を聞く。

そのあと王子製紙の巨大な工場から出てきた人に聞いて、ようやく石狩大橋。
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石狩大橋の周辺はカワヤナギが繁っていて、入って行ける野原はほとんどなかった。樹が刈り取られたほんの少しの場所をたどって岸に降りる。

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花輪さんは木切れを拾って川に投げていた。

「なんで何度もやるの?」と聞くと

「川の流れを調べてる。」

「どっちからどっちに流れてるの?」

「左から右。」

「逆だよ。左のほうが海だもん。」

青紫のクサフジが満開。
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ふと、一生出会えるとは思っていなかったクジャクチョウがひらひらと寄ってきたことに気づき、大興奮。

目の前の礫にとまって羽を閉じたり開いたり。警戒心の強い蝶と聞いていたのに、夢じゃないかと思う。
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クジャクチョウはまとわりつくように何度もひらひら舞ってはまた近くにとまり、花輪さんのリュックにとまった。

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時折、強く差す陽が眩しい。

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帰りも閑散としたアスファルトの道を行くと、またクジャクチョウに出会った。なぜ二度も出会えたのだろう。

「さっきのじゃないの?」と花輪さん。

「まさか。もうずいぶん離れてるもに。」

またも迷いながら30分以上歩き、やっとこさ駅に帰り着く。途中、一軒だけポツンとあったコンビニで飲み物を買い、干上がった喉をうるおす。

江別駅近く「コーポ高島 高島商店江別交換市場」と書いてある不思議な建物。かつてはリサイクル業だったところ?Sdsc04710

駅に入ったらかわいい車が停留していた。この赤と白のはレールを運ぶ車。

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この黄色いのはドクターイエローと言って、レールの診断をする車だと花輪さんが教えてくれた。
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