手術日決定 / 毛利武彦先生の絵、 新倉章子さん宅 / 遠藤さんと会う
新倉章子さんに私の恩師、毛利武彦先生の画集を買ったと言われてすごく嬉しくなって、久しぶりに先生の画集を開いて見ている。やはりこの深淵さはすごい。
『毛利武彦画集』(求龍堂)より 「花ー鎮魂」1986 188.0×285.0
毛利先生は本当に厳しくて、愛情深くて、すべてにおいて際立っていて、先生に教わったことが私の一生の宝だ。
もうずいぶん昔、初めて国立がんセンターで甲状腺摘出の手術を受ける前日、同級生のTがお見舞いに来てくれて「毛利先生に電話しなさいよ。」と言ってくれた。
それで病院の公衆電話から電話して、先生の声を聞いたら、それまで平気だったのに急に泣いてしまった。
次の朝、私の頭頸科とは関係ない科の外科部長先生が病室に来て「〇〇科の外科部長の▽▽です!」と言われてびっくりしたが、
「慶応高校の毛利先生の教え子です!昨日、毛利先生から電話がかかってきて、励ましてやってくれって言われたから来ました。頑張って!元気出して!」と言われた。
とてもとてもありがたい思い出。
3月7日(火)
頭頸科でY本先生にPETの結果を聞いてから、呼吸器外科のY倉先生と面談。
手術の日について、年度末で人が入れ替わる時期なので不安定だが、やはり早い方がいいだろうということで24日、と言われる。
帰りに銀座の有楽町近くの花屋で紫とオペラ色のアネモネを買う。
帰宅したらY倉先生から電話があり、24日に確定しました、とのこと。「一緒にがんばりましょう!」と言われた。
3月9日(木)
遠藤さんと久しぶりに会う。一緒にお寿司を食べた。
12月に突然、左目が見えなくなり、失明すると言われ、いろんな病院に行ってたいへんだったとのこと。しかし何度か通って点滴を受けたら治ってきたという。眼底の動脈が詰まっていたとか。
手術の話をして、それから遠藤さんが高等小学校に入ったころの、戦争を話を聞いた。
遠藤さんは疎開をしていないので、空襲のリアルな話を。
それから私のふるさと、十二社(西新宿)に遠藤さんがお嫁に来た頃の新宿の様子を。新宿駅はまだ木の駅舎で、闇市がそこここに立ち、やくざが多かったそうだ。
遠藤さんは今年93歳だ。お互い腰が痛いのに、新しくできた阿佐ヶ谷区民センターに行ってみようということになり、結構な距離を歩いた。帰路は桃園川緑道を歩き、桃や早咲きの桜、沈丁花、雪柳などを見た。
3月10日(金)
水墨画家、新倉章子さんの中野のお宅の庭を見せていただきに行く。
スミレ、アネモネ、ムスカリ、アミガサユリ・・・さりげなく自然な感じで植えてあるのが素敵。
春が来たんだなあ。もう梅は散って椿が満開。
ベンチに座ってお庭で摘んだミントのお茶をいただく。
病気の話、絵の話などいろいろ。
私の恩師、毛利武彦先生のことを拙著で知って興味を持ち、毛利先生の画集を購入されたと聞いて感激。
毛利武彦先生のことを「絵がすごい」「頭がいい」「いい先生」と言ってもらえるのは何より嬉しく誇らしい。
| 固定リンク