5月30日
前回の続きです。
月曜に変な手紙をもらってから、一度不安を掻き立てられてしまった脳と神経が、うまくブレーキが効かなくなって平静に戻らなくなり、火曜、水曜、木曜と、胸が痛いほどの動悸と過緊張がおさまらなかった。
同時に強い不安感で、脳がすごい速さで回転して余計なネガティブなことを考えてしまい、まったく仕事に集中できなかった。顔がほてって腕から手が冷たく痺れ、指が震えて力がはいらない。
私は、怒りが収まらなかったので、(直接の若いスタッフたちではなく)会社の上部に苦情を入れようと思った。
「○ンキューグループ 整骨院」で検索すると、1ページ目の一番上にリジョブ(求人)のサイト、2番目に「○○○○ア○ド○ンキュー株式会社」のサイトが出てくる。
それで、この2番目の会社の患者のアンケート窓口に苦情を書いてしまったのだが、ここは○ンキューグループとはまったく関係ない別物、というお返事をいただき、「勘違いをして大変失礼いたしました。こちらが○ンキューグループとは全く無関係とわかったことだけでもよかったです。ご丁寧にお返事をありがとうございました。 」 と謝罪の返事を出した。
ちなみに、○○○○ア○ド○ンキュー株式会社は、たびたび○ンキューグループへの苦情がきて、困っておられるようだ。
次にリジョブのサイトに電話して、おおもとの会社の連絡先を訪ねると「教えられない」とのこと。
何度検索しても○ンキューグループのおおもとの会社の所在地と電話番号がないのだ。このことに私はたいへん不信感を抱き、イライラした。
それでしかたなく、まず私が通っている整骨院のチーフに電話した。チーフによると、私がもらった手紙に関して、そういうやりかたをすることにはなっているが、いつ誰が直接書いたかはわからないと言う(私は誰が書いたかは問題にしていない)。チーフは、普段とても怒りそうにない大人しそうな私の強い口調に驚いているようだった。
この電話で私は、おおまかな経緯をチーフに話したあと、その日の午後に「××整骨院スタッフ一同様」という手紙を書いて持って行った。その一部を引用すると、こんな感じだ。
。。。。。
××整骨院スタッフ一同様
「5月22日に「××整骨院スタッフ一同より」と書いた封筒をいただきました。
その中に「お困りの際は何でも相談くださいね!!」と書いてありましたので、率直に書かせていただきます。
どのようなつもりで、そのような手紙をくれたのかは、まったく××整骨院スタッフ一同の発案ではなく、M越K一が考えたマニュアルを、スタッフは何も考えずに、ただこなしているだけだと思いますが、私には、このようなやりかたはたいへん苦痛ですので、二度とやらないようにお願いします。
受付でではなく、ベッドに呼ばれた時に、こそこそと糊で封緘した封筒を渡されたため、私はたいへん驚き、何事か、と思いました。
糊で封緘した手書きの手紙というのは、常識的に考えて、それなりの重い用件の時にしかしないものです。
さらに、それについて「いったい何?」と私が聞いた時に、「サンキューレターです」と正直に答えてくれなかったことは、あまりに客への対応として無神経、不適切だと思います。
「スタッフ全員からです。」と真顔で言われたために、私はなにか私への抗議の手紙なのか、と完全に思ってしまいました。
それで、ものすごい不快な緊張、ストレスに襲われ、治療に来ているというのに、リラックスどころか逆に心拍数が酷くあがり、動悸と頭痛と吐き気がして気持ち悪くなりました。
本当に過緊張で体調を崩し、帰宅して封を開けて手紙を読んでからも、酷く具合が悪くなったので、
行きつけのクリニックに行ってリラックスのための神経ブロック注射を打たざるを得ませんでした。
正直、この封書の件で、もう二度とこちらには来たくないと思いました。
私(患者)は仕事をやっていて、仕事にエネルギーを最大限に使い、いつも頭を使って、張りつめて疲れています。
また、私はもともと幼い頃からHSP(もし、皆さんがよりよい治療師になる気があって勉強する気があるなら、HSPという言葉の意味をネットで調べてください)で過緊張な性質です。
それで、少しでも緊張をやわらげたくて、高いお金を使ってでも、整骨院に来ています。
その整骨院で、逆に、酷くストレスを与えるようなことは絶対にやめていただきたいです。
若いスタッフの皆さんには、患者の気質は千差万別であること、世の中には自分より遥かに過敏でいろんなことを考えている人間もいることを想像できないのかもしれませんが、
目の前にいる人間を実際にちゃんと見て、感じて、どういう対応をしたら相手が嫌がるか、想像していただけたら、と思います。
余計なことをやらないで、相手の治療、相手のリラックスのためになることだけをしてほしいのです。
サンキューレターのようなものが、売上げ向上に役立つ、と、M越K一は、客一般の公約数でくくって、おおざっぱにマニュアルをつくっているようですが、私には、このような無神経で不適切なやりかたは耐えられません。
M越K一は、相手の客の感じかたをくみとれ、と口(講演)では言いながら、こういう勘違いの押しつけ、こういう相手をばかにしたやり方に、ひどくストレスを感じる人間(客、患者)がいることを想像することすらできないのでしょう。
または、いたとしても、そういう人間(客、患者)は特殊で少数なので、無視すればいいと考えているのでしょう。
手紙の内容も「○○さんは性格がものすごく明るいです」とか、「これからもそのままの○○さんでいてくださいね」とか、あまりに現実感覚と乖離していて、白々しくて不快です。
はっきり言って、仕事をして疲れ切っているいい大人に対してばかみたいで失礼です。
まるで子どもか老人に向けてつくられたマニュアル文章を、宛名だけをかえてそのまま書いて来ただけの感じです。
あなたたちは、年上の大人相手に、こどもか老人をあやすようなばかにした直筆の手紙を手渡して、本当に自分たちのやっていることがおかしくない、失礼ではない、と思っているのですか?
このような手紙をもらってしまった以上、私が黙っていたら、私がこのような猿芝居を喜んだことになってしまうことに耐えられないので、こうしてはっきり書くことにしました。
(中略)
会社としての上部からのマニュアルがあったとしても、現場で患者(私)が実際に嫌がることは止めていただきたいです。
余計な(不快な、不安にさせる)ことはやらないでください。
これでは本末転倒です。同調圧力は迷惑です。
もし、どうしても押しつけがましいことをやりたいなら、受付で「2017年3月13日が、〇〇さんが初めて来た日です。これからもよろしくお願いします。」と書いた小さなカードを(封はせずにオープンで)渡すくらいのさりげなさが、もっとも適切だと思います。
(中略)
また、相手を大人の社会人として認めていないような発言や言葉づかいは避けていただけたらと思います。
私は雑談が悪いとはまったく思っていませんし、しゃべりたくないのではありません。相手(私)が嫌がるような内容の話題は強要しないでいただきたい、というだけです。
私がどういう話題を嫌がるかわからない場合は、私本人にはっきり聞いてください。私ははっきりお答えします。
(中略)
最後に、若い皆様のこれからの発展を心よりお祈り申し上げます。
患者個人の性質を感覚的に察知する能力と、通り一遍ではなく臨機応変に対処する能力を伸ばしていただけたら、と思います。
2017年5月23日
。。。。。
この手紙を持って私は整骨院に行った。チーフが出迎えてくれて謝ってくれた。チーフもまだ27歳だそうで、なんだか責めて申し訳ない、とかわいそうな気持ちになった。
私は、普通の人ならこんなことくらいで不安にならないのかもしれないが、私は幼い頃に父から虐待を受けていること、そのせいで(自分では望んでいるはずもないが)極度の緊張と不安がくせになってしまい、過緊張と不安になりやすい気質であること、幼稚園や学校ではほとんど言葉を発することができなかった(場面緘黙だった)ことなどを簡単に話した。
チーフも幼い頃にご両親をなくしているそうで、患者の不安、気疲れ、傷つきやすさ、過敏さのような気質については、なんとなくは察しがつくようだった(彼の場合、問題をうやむやにしたいという身を守るために身についた「ことなかれ主義」が根深いような印象を直観的に私は受けたが)。
私が書いてきた手紙を「スタッフ全員に見せて下さい。なんなら掲示板に貼っていただいてもかまいません。」と言ったら、チーフは、私のことを「すごいですね。勇気がありますね」「だいじょうぶですか?」と気にしてくれた。「はっきり言おうと覚悟してきたんで、だいじょうぶです。」と私は答えた。
ついでに若いスタッフのことばづかいで、私が嫌だったことを具体的に聞きたい、と電話の時に言われていたので、それをメモ用紙に箇条書きしたものもチーフに渡した。
たとえば、
「右肩を怪我してから右腕が上がらないので、ここまでしか上がらない、と腕を上げて見せたら「ヒットラーくらいは上がるじゃないですか」と言われた。私はヒットラーに例えられることが不快で耐えられません。ヒットラーが何をした人かわかって言っているのですか?」
「「ブイブイ言わしてる」などという言葉は東京の人間からするとガラが悪い言葉です。いわゆるオラオラ系の言葉は、中学、高校の時のノリで言っているのだと思いますが、社会人になったら客に対しては失礼なので使わないでほしいです。威嚇されているのかな?と思います。」
「タレントなどの趣味は合わないので、タレントのことを話されても困る。患者側(私)がスタッフの趣味に合わせさせられるのがストレスになる。」
「基本的には、今日の体調、どこが痛いか、それについてのアドバイス中心でいいです。雑談が嫌なわけではないが社会人として感じがよい範囲でお願いします」というようなことを書いて渡した。
(これについても、心理学として、客にしゃべらせるだけではなく自分たちのことをしゃべった方が患者をリラックスさせられると、上部から指導を受けているそうで、私は、その的外れで大雑把なマニュアルにぐったりした。)
チーフは、手紙を皆で読んだあとに、彼が直接接客の指導を受けたという上部の人間にも送ってくれると言った。私はその上部の人とメールが電話で話したいとお願いした。
・・・
金曜の夜、会社のトップM越K一の右腕だというH田K太さんから電話をいただいた。2時間近く話した。
まずは、会社のおおもとの電話、患者が直接、苦情や要望を言える窓口がないことへの抗議をした。(これについては、「事務所がない」と言われた。)
「各整骨院のメールに書いてもらえたら、会社の上部に行く」と言われたので、「それならそのように各整骨院メールの上に○ンキューグループ本社へのご意見、ご要望はこちらまで、と入れてください」と言ったら、「ホームページ制作会社とのつきあいがあるので・・・」と言われた。
「ホームページ制作会社と、実際にお金を払っている客である患者と、どっちがだいじなんですか?そんなにお金を稼いでいるのに、患者に対して気持をくみとる誠実な対応と組織化ができないのですか?」と私が言い、こんな調子の会話で、私の真意がうまく伝わらなくて2時間もかかった。
「M越K一で検索したら、どこを読んでも成功者インタビューしかなく、いかに時短、効率、単価を上げて金を儲けるかのハウツウマニュアルしか出てない。いかに患者の声に耳を傾けるか、がひとことも出て来ない。そういうふうに患者の苦情の声をふさぐのもマニュアルなんですよね?」と私は何度も問いただした。
「M越も、ああ見えて苦労人で、いろいろ試行錯誤して・・・」と言われても「それは経営の効率化についてであって、私(患者側)の気持ちとは関係ない。お友達どうしで苦労を共にした話は私とは無関係です。」と私は言った。
H田K太さんは38歳だそうだが、大きな会社の経営者と言っても、患者は身体の苦痛があるからこそ治療院(整骨院)にお金を払って通うのであり、患者(他人)個人個人が多様であること、単純(で軽薄)なマニュアルで画一的に作業されたら苦痛を強いられる患者もいるということ、を彼は考えられない、彼は非常に考えかたが単純で幼い感じを受けた。
その次の日、M越グループの経営マニュアルを販売しているやりかたと、そのハウツウと、それをとくとくと講演しているH田K太さんの写真画像を見て怒りが再燃したので、もう一度H田K太さんにメールをした。
下記のようなメールです。
。。。
H田さんの講演するお姿をネットで拝見しました。
やはりもう一度書かせていただきます。
今回、私を激怒させている件は、若いスタッフのせいではなく、経営側の気質と人格の程度のせいだと確信しています。
3種のマニュアルを5万円で売っているようですが、
そのマニュアルの宣伝文句は「患者に、整骨院で自分のことを気にかけてくれた」と「思わせる」
こと、
意味としては、
実際は「そう思わせる」だけで、まったく何も考えないで治療師が楽をするマニュアル、とうたっていますよね。
「ひな形を基本にアレンジすればいいだけなので考えなくていい」「患者さんが感動し、一瞬で治療院のファンになる」マニュアルだと、はっきり書いていますよね。
ものすごく患者をばかにした、たかをくくった、傲慢な経営者だと思います。
こういうふうに、個々の患者の苦しみや性質を見ないようにしろ、
(考えると頭が疲れて治療師の時間と労力が無駄になるから、)
なにも考えずにどんどんやれ、いかに効率と単価を上げるかが大事、
とトップが若い子たちに教えているのであれば、
若い子たちは、一番重要な「思いやり」をなくしていくのは当然ですよね。
こういうものをトップが売りにしていて、若い子を健全な考える力と配慮する力のあるスタッフに育て上げるのは無理だと思います。
患者の苦しみ、患者の気質、感じ方はそれぞれ違います。
これは、厳然とした事実です。
そもそも、思いやること自体が治療なのです。
思いやりをなくすように指導しておいて、
今さら、私(患者)に指摘されて言葉づかいの教育に気をつけると言われても、
知的レヴェルというより、人間的に品がない経営者だと思います。
以下にもう一度、私が書いた手紙のテキストデータをコピペしますので、このメールをM越K一氏に送ってください。
。。。。。
上記のようなメールを送ったあとも、不安と過緊張による体調不良はおさまらなかった。抗議したこと自体がひどい不安を起こし、相手が大きな会社でお金を持っているのだから、ブログに書いたら訴えられるのではないか、という不安も大きかった。
(その不安は今もあります。なにかクレームをもらったら、ブログを削除せざるを得ないのか、と思っています)
今日(5月30日)、H田K太さんから下記のメールをいただいた。
。。。。。
メールをいただきましてありがとうございます。
M越にはメールを送り、読ませました。
仰られることをしっかりと受け止めて
スタッフを含めて社内全員で患者様に対応をしていけるようにしなければいけないと
言っておりました。
○○様のように貴重な意見を直接言っていただけることは少ないと思います。
○○様が勇気を出して言ってくださったことを
真摯に受け止め改善に努めていく次第です。
この度は私たちのことで不快な思いをさせてしまい
申し訳ございませんでした。
お仕事も大変お忙しいとも聞いておりますので
どうぞお体だけはご自愛ください
H田K太
。。。。。
本日(5月30日)、またこの整骨院に行ったのだが、チーフの話によると、客(患者)への言葉づかいなどに関しては、H田K太さんから指導がはいったようだ。
私の真意である「ちょっとしたことでも不安や緊張を感じやすく、嫌なことがあってもそれに対して嫌と言うことができないで酷いストレスで苦しむ人もいる。そういう人に対して配慮してほしい」ということを、どれだけ理解してくれたのかは疑問だ。
不安症、恐怖症、緘黙気質の人に対して配慮してほしい、ということに関しては、もう一度くらいは言ってみようと思う。
緘黙気質の人たち、不安症、恐怖症傾向の、緊張しやすい気質のかたたちへ。
緘黙気質の人たち、元場面緘黙や、今現在緘黙で苦しんでいる人たち、他人に対する恐怖や不安で押し潰されそうになっている人たちには、私のように面と向かってはっきりと抗議するようなことはおすすめできません(それができないからこそ苦しんでおられることも、自分自身の経験から、嫌というほどわかっています)。
(たとえどのような社会的関係の立場からであっても)はっきりと自分の意思
を表明して抗議すること自体が、その次に起きることに対しての、ものすごい恐怖と不安を引き起こし、頭がおかしくなり身体が滅茶苦茶になるほどの緊張を引き起こすのですよね。
私も、まったく平静で、今回のような、たったひとりの抗議をしたわけではありません。心臓が破裂するのではないか、と思うくらい苦しみました。こんなことを抗議すること自体がおかしい、と言われることを覚悟で臨みました。
ただ、私も過緊張と対人恐怖症に苦しむ元場面緘黙少女であり、自分の勇気をふりしぼって自分の言いたいことを何とか言うように努力する経験を、何千回、何万回と繰り返してきて、やっとこさ生きてきて、今現在、このような生き方に至る、ということを知っていただけたら、と思います。
今、緘黙で悩んでいるかたたちも、ご自分のペースで、ご自分にできるやさしいこと、小さなことから始めて、だんだんと勇気を強く持っていけば、いつか必ず自分の意志表示ができるようになり、自分が本当に好きなこと、楽しいことなどについて気軽にしゃべることや、理不尽なことに対する批判もできるようになります。
だから、絶望しないで、少しずつ、時には楽な方に逃避しながらでも、諦めずにやっていってほしいと願うばかりです。
今、近くには誰も理解してくれる人がいなかったとしても、長い人生のなかで、必ず理解してくれる人、懐の深い人、思いやりのある人、あなたと気が合う人に出会えます。それは確かなのでくじけないでください。
そういう思いをこめて、なににつけても泣き寝入りだけは嫌なので、今回も、辛いけれど闘ってみました。