ダンス

2025年10月25日 (土)

福山知佐子個展最終日

10月19日(日)

ギャラリー十二社ハイデでの個展も最終日。

この絵は割と最近出来たのだがすごく気に入っている。この絵とも淋しいけどさよなら。
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鬱金香

最初に高校の時の友人タカちゃんや小学校低学年の時の友人マリコが来てくれた。

マリコは茨城に住んでいて、何十年かぶりかに新宿西口に降りたので、新宿が変わり過ぎてまったく方向がわからなくて迷ってしまったと。私も破壊されている新宿が辛い。

6歳の頃、マリコが住んでいたのは十二社通りの野菜市場の2階。そこはマリコが引っ越してすぐに普通のビルになってしまった。

毎回来てくれる音大卒のS.Y君。Twitterでお知り合いになったM.Sさん。

鎌倉で絵を描いているT.Jさん。芸大のデザイン科卒のアキさん。

そして静かに長い時間見てくださるS.Hさん。S.Hさんは佇まいがすごく美しいかた。
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今日は5時から舞踏のパフォーマンスだが、あいにくの降りだしそうな空。

5時、十二社の階段。

村野正徳の挨拶。福山知佐子が愛着がある十二社の記憶、昔あった十二社の大きな池などをテーマに身体表現するそうだ。

村野正徳舞踏パフォーマンス  (youtube)

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吉田文憲さんの(私が一番好きな)詩、「生誕」を暗唱し、そのあとに舞踏パフォーマンス。
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※日本には「舞踏」という日本特有の前衛的な舞踊の形式があります。

西洋の軽やかで流れるようなダンスとは違い、地面に這いつくばるように情念や土着性などを表現するものです。

60年代に土方巽が創始、大野一雄などが発展させたもので、今は世界的にButohとして認知されています。
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途中、ばらばらと大粒の雨が降って来て、けっこうな大降りになる。

スマホが濡れたら壊れるのでは、とコートを頭から被ってスマホを庇いながら撮影。

見てくださっているお客様も濡れて申し訳なかった。傘を最初からお客様に用意するべきだった。

パフォーマンス終了後、村野君の予備校時代からのお友達が来て一緒に録画を見ていた。

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本人はミミズをイメージして踊ったそうだ。

そして私に若いお客様が。友人のサヤカちゃんの息子さんのK君と、その幼馴染のT君。

多摩美の院生のK君。
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レザーベイビーというバンドのドラムスのT君。
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私は何と言ったらいいのかわからないくらい、この若いおふたりに励まされた。

私のデッサンを見て、二人で(私に向かって言うのではなく)「すげえ!全部すげえ!絶対描けない!」って本当に驚いて言ってくれていたので。

「どういうところが?」と質問するとK君は「線の選び方がすごい。こんなふうには誰も描けない」と。

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スケッチブックを一枚ずつめくって見せたら、その一枚ごとのデッサンに、いちいち「すごい。全部すごい」と言ってくれて

そして枯れたチューリップを和紙の上に鉛筆で描いて岩絵の具を散らした絵を見て、「これが一番好きです。生命の揺らぎを感じる」と言ってくれて、画集まで買ってくれた。
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T君は絵をやっている人ではないにも関わらず、私の銀箔の絵を見て「すごい!これ、なんなんですか?」と真剣にくいついてきて、

「銀箔を腐食して、絵の具を使わずに絵を描いたの」と応えたら「すごい!誰もやってない。誰もやってないことを考えるのがすごい」と。

花の部分だけ塗っている紫のチューリップの絵を見て「どうして一部分だけしか色を塗ってないんですか?」と聞かれ

「花は一瞬ごとに動いているから、今の瞬間を描こうとすると全部塗れない。全部塗ると絵が固くなるから。

左のチューリップに比べて右のチューリップは早く無造作に描いているでしょ。無造作に描いた方が運動が描けるから」と応えたら

「すごい!それで動いているように見えるのか」と。
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なんで若い人がこんなに素直に、強く興味を持ってくれているのか、本当に驚いた。

なにか表現している特に若い人は、自分のやっていることが一番と思っていて、私のデッサンに興味を持ってくれる人などほとんどいないから。

現代アートをやっている人は設計図は描くかもしれないが、自分の外にある小さな生き物をよく見て鉛筆で描くことなど必要ないと思っているし、

絵をやっている人でも自分の絵のスタイルを作るのに熱心で、ものを見てものに寄りそうデッサンの質には興味がなかったり・・

私の絵を見て敵愾心丸出しで、私から話しかけても「ふん!」とそっぽを向いた同じ美大の同じ学科の10年も15年も後輩の女の子が何人もいたし、

だから、絵の世界とはそういう嫌な感情が渦巻く世界だとずっと昔から認識していたので、ふたりの素直さに愕然とした。

私は萎れて枯れていく植物の運動に寄り添って描くこと、そしていわゆる美大受験用の画一的なデッサンを抜け出て線で描くことを目指して30年やって来たのだけど

きょうは馬鹿の一念で続けて来たことが無駄ではなかったと思えた幸せな日だった。

7時に個展終了。すぐに絵5点を梱包して足利市立美術館に送る準備をした。

そのあと打上げ。昨日H.Mさんにごちそうしていただいたちょっと高級なイタリアンへ。

私がごちそうすると言っているのに、二人はすごく遠慮していた。今日ばかりはごちそうさせて欲しい。

シャブリのグラスで乾杯。マグロと紫玉ねぎのカルパッチョ。スモークサーモンのサラダ。ウニのクリームソースレモン添え。

アケミさんが、「花輪和一展と福山知佐子展を手伝えて、すごくたくさんのお客様と会えて楽しかった。それと知佐子さんのお客様がみんな優しくて素敵な人ばかりでびっくりした」と言ってくれたのが嬉しかった。

「芸術家ってみんなおかしな人ばかりかと思ってたから」と言われ、

「そんなことはないよ。一流の人は優しいよ。変な人って自己顕示欲がおかしくなってるんだと思う」

9日間、たくさんのかたとの出会いがあり、すごく目まぐるしくて体力的に大変だったけれど、幸せでした。

お運びくださった皆様、絵や本や絵葉書をご購入くださった皆様、本当にありがとうございました。

10月25日からは足利市立美術館でのコレクション展「いのちの寓話」に8点が展示されます。

新宿から2時間。空気も澄んでいて、とても良い美術館ですので、お近くのかた、興味がおありのかた、よろしくお願いいたします。

 

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2022年3月23日 (水)

笠井久子様より、ご著書『畑の中の 野うさぎの滑走 一匹のトカゲが 焼けた石の上を 過った 昭和・平成・令和を笠井叡と共に生きる』をいただいた

笠井久子様より、ご著書『畑の中の 野うさぎの滑走 一匹のトカゲが 焼けた石の上を 過った 昭和・平成・令和を笠井叡と共に生きる』をご恵投いただきました。

先日、私の画集をお送りして、笠井 爾示さんの新しい写真集『Stuttgart』をご恵投いただいたばかりなのに、またいただいてしまいました。

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2008年から2021年までの笠井久子さんの日記だ。

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何年も前、久子さんは極度の鬱病を患い、死の世界を生き、その回復のきっかけとなったのが水仙の花の黄色だったそうで、それが表紙裏の色になっている。

庭の植物のこと、舞踏のこと、出会った人々のこと、家族のこと、病気のこと、シュトゥットガルトのこと、好きな詩や言葉・・・

過去も未来もなく、自由に生き生きと綴られたエッセイ。

2018年に、その二十数年前に頸椎固定手術を受けた時の思い出を書いておられる。私はその頸椎固定手術後に、三井記念病院にお見舞いに行ったのだ。あれは「土方巽メモリアル」のあとだった気がする。

「頸椎を開けて頭蓋骨を正常な位置に戻し」「お尻から軟骨をとって頸椎に埋め込んだ」・・・「脳みそはお豆腐屋さんの豆腐のように水の中に浮いている」・・・そうそう、その脳みその状態のお話を覚えている。「ええ~?」と驚いたことも。

「頭には鉄の冠(?)のようなものをビスで直接埋め込んで」いらしたことも。当然、痛くないのか心配したが「(血も出ないし痛くもない)」と言ってらしたことも。

成功率50パーセントの手術と言ってらしたと思う。とにかくたいへんな手術で、見た目がすごく痛そうなのに笑っていらして、軽妙にお話しくださって、本当にすごいかただなあと思った。

誰かが持ってきた蜜林檎のチョコレートがけを私にすすめてくださり、 笠井爾示さんの赤ちゃんの写真アルバムを見せてくださった。

その赤ちゃんのお顔があまりにもきりっと、しっかりされているんで男の子かと思ったら女の子だと言われ、「ええ?あまりにもしっかりしすぎてる・・」と私が言うと、笑いながら「 爾示に言っとくわ~」と言われたのだ。

またお目にかかりたいなあ。久子さんのお庭も見てみたい。

 

 

 

 

 

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2018年8月15日 (水)

ダンス

8月15日

5月末にいきなり始めたダンスの記録。

昨年の10月と11月に母とちゃびが亡くなった。亡くなるまでの激しい緊張感と、失われてからの悲しみで、すっかり疲弊してしまっていた。

一時、体重が40kg(身長162cm)まで落ちた。

このままでは心身ともにだめになる。運動して食欲増進して、少しずつでも筋肉をつけなければ、と焦った。

ほとんど座りっぱなしで運動に縁がない私。もちろんジムなどにも行ったことがなく、体重計の筋肉量は常に標準にみたず「少ない」を示す。

気を紛らわすためにも、無理やりにでも身体を動かしてみようかと思い、5月末にダンススタジオに入会した。

ダンスは18歳の頃、新宿の店で踊りまくっていた(無料券をやたらにもらっていたので、また、深夜でも歩いて帰れるところに家があったので)以来だ。

5月30日(水)

ヒップホップをやろうと思ったのは、私のイメージに反するジャンルをやってみたかったからだ(ヒップホップの音楽自体は好きではない)。

しかし、初めてのダンスレッスン体験に、若くてはじけたTM先生のヒップホップを選んで、すぐに後悔。

30分以上かけて歩いてスタジオに着いた時にはすでに滝の汗。なのに飲み水も持参し忘れ、すごく疲れる(外の自販機で買えばよかったのに買わなかった。今思えば危険すぎる行為だ)。

ほかの皆さんは3年以上やって慣れている人たち。

私は初めてなのに真面目にマネしてついて行こうとしたのが大失敗だった。

とにかくジャンプしっぱなし(いきなりの有酸素運動)で、息があがってしまい、気持ち悪くなる。

TM先生からは「初めてにしてはうまいですね」とほめられる。ほかの生徒さんにも「からだが柔らかい。運動神経がいい。」と言われて、え??と驚く。

使ったことがない筋肉を使い、全身が熱を持ってかっかした。3、4日は筋肉痛でひいひい。

6月4日(月)

ダンススクールの代表、S先生のヒップホップ(私ひとり)。

芸能人ぽいギラついた人だったらどうしよう、と思ったが(笑)、穏やかで誠実そうな先生でほっとする。

TM先生よりは初心者に丁寧。「リズム感はいい」と言われる。

アイソレーションで首の前後左右の動きを真面目にやりすぎ、翌日、むち打ちのような痛みで嘔吐。この首の運動がいやでヒップホップを断念。

6月7日(木)

TK先生のLock(Rockではない)。私のほかのメンバーは団塊の世代っぽいおじ様がふたり。

トゥエル(腕を回す)が楽しすぎる。

さっそく整骨院の若い踊り好きの子にやって見せて「すごい。本格的ですね。」と言われる。

6月14日(木)

うちにちゅび(ぴょんすけ)がやってきた!片時も目を離さずに世話が必要なので、しばらくダンスはお休み。

7月30日(月)

ちゅびも授乳しなくてよくなり、友人にちゅびを見ていてもらえる夕方に、ダンス再開。日焼けを気にしないで自転車で行けるのは楽だ。

M先生のジャズの基本レッスン(私ひとり)。

M先生は小さくてかわいい女性だが、筋肉の強さ、しなやかさ、特におしりの筋肉の盛り上がりがすごい。

1時間もやる柔軟体操が辛い。特に左の太ももが固いので痛い。

そのあとはバレエのタンジュ、プリエ、パッセ。これは辛くなくて楽しい。

M先生にも「からだが柔らかい」と言われる。バレエをやっている先生に言われるんだから、私はこれでも柔らかいほうなのか?

7月31日(火)

「ほぐし」のMさんに全身筋肉痛をほぐしてもらう。(店長のOさんは暑さで体調を崩してお休み。)

Mさんもバレエをやっていた人で、身体が柔らかすぎて、腰痛、肩こりなどは経験したことがないのでわからないというツワモノだ。

やはり腰などはほかの人より柔らかいと言われた。異常に固いのは首だけだと。

8月6日(月)

ジャズの2回目。

やはり柔軟体操が長くてきつい。誰も痛いと言わないのに私だけが、床にかかとやおしりをつけると骨があたって痛い。

ディズニーのアラジンの中の「friend like me」という曲に合わせて振り付けを踊る。

もうひとりの生徒Kさんに、「きょうで2回目です」と言ったら驚かれた。Kさんも3年以上やっているそうで、「私は初めの頃はぜんぜん踊れなかった」と言われた。

一回のレッスンで振りを覚えきれなくても普通なのか、とちょっと安心した。

8月11日(土)

受付でスタジオ代表のS先生に「福山さん、久しぶり!あれからどうしてたの?」と声をかけられた。

「Lockやって、ジャズやって、きょうはアニメです。ヒップホップは首のアイソレーションがきつくて、翌日、むち打ちみたいになって吐きましたよ~。」

夜9時からH先生のアニメーションのレッスン(私ひとり)。

H先生は21歳。イベント企画の仕事もしていて最先端のダンスに詳しい。私と身長は同じくらいなのに顔がすごく小さい。

私のやりたいのは「飛んだり跳ねたりの元気系ではなく、不気味で気持ち悪い系」だと訴える。

ウエイブを教えてもらう。ウエイブはすごく楽しい。それからポップの基礎の腕で叩く動き。

短い振り付けを踊る。「これはそうとう気持ち悪いポーズ。」という止めかたを教わる。

H先生がやっているのは、最近は「アーバン」と呼ばれているジャンルだそう。

きれい系のジャズか、ストリート系か、選んだほうがいいと助言を受ける。どっちかを一生懸命やるともう一方はできなくなる、と。

8月13日(月)

ジャズ3回目。きょうはKさんのほかに、お盆休みだという男性も来ていた。

身体作りの基礎としてはいいのかもしれないが、ジャズダンスは私のやりたいダンスとは違う気がする。

わたしのやりたいのは軸を崩した変則的なダンス。

8月14日(火)

J先生のソウル、パンキング、ワッキングのレッスン(私ひとり)。

曲としてはソウルに合わせて踊るのが一番慣れているし、好きだ。

カウボーイステップ(ステップの最後に投げ縄)、ティルト。

腕のワッキング(腕を後ろから大きく回して、手の甲が顔のすぐ前をかすめるように後ろに回転させ、肘を上げ、背中に曲げた手を、また前に投げる)を教わる。「初めてでできるなんてすごい」とほめられる。

J先生は気どりがなくてダイナマイトボディの女性。鞭のような力強い動きが黒人のよう。黒人とのクォーターで、黒人になりたくてたまらなかったのだという。

スマホで音楽を検索している時、「私はスマホもケイタイも一度も使ったことがないんですよ」と言ったらすごく驚かれた。

「メールとかラインとかしょっちゅう来たり返事したりするのめんどくさいじゃないですか。駅で待ち合わせして会えない時は呼び出し放送。手紙でしか連絡できない友達も多いです。」と言ったら、「すごい。ほんとの自由人ですね。」と言われて、ちょっと嬉しかった。

スマホで検索して、昔のダンスナンバーを見せ、「うわ、楽しい~」と盛り上がる。昔の新宿の話も。

「福山さん面白すぎる。もっと話聞きたいからまた来て。」と言われる。

夜更けの裏通りを自転車で走るのがとても楽しい。

暗闇の中の薄紫の百日紅(さるすべり)。しおれた向日葵。黄花コスモス。しぼんだ白い槿(ムクゲ)。旺盛なヨウシュヤマゴボウ。エノコログサ。アカザ。メヒシバ。オヒシバ。

しばらく計っていなかった体重は44.7gだった。少しずつ筋肉がつきますように。

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