西新宿

2020年4月22日 (水)

昔の(昔からの)西新宿、淀橋、十二社(じゅうにそう)

4月19日(日)

所用で届け物をするために自転車で新宿方面へ。先日とは逆に善福寺川を下る。

東京立正のグラウンド横あたりから善福寺川沿いの遊歩道へ入る。新緑と菜の花。川には鳥がいっぱい。

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環七を渡り、中野通りを渡って弥生町に入ると「散歩コースです」の看板いくつか立っていた。古い素敵な日本家屋がある裏通り。この辺はゆっくり周ると面白そう。

車道に出ると既に前方に都庁や新宿パークタワーの建物が日に光って見えた。

山手通りを渡って細い裏道を入ると急に懐かしい空気に包まれる。そして驚いて一瞬、眼を疑った。

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ずっと探していた場所。私が5歳くらいの時、母に手を引かれて上った崖の坂道。幼い私には巨大に感じられたこの草ぼうぼうの崖が忘れられなくて、あれはどこだったのだろう、とずっと切なく思っていた場所がだしぬけに顕われた。
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この崖の上の小さなアパートの2階に、おとなしい女の人と小さな女の子が二人いた。母が洋裁の仕事の関係で訪ねた家だったのか、よくわからない。

私はその家で「月をいる」という不思議な絵柄の絵本に見入っていたら、女の人にその本を持って帰っていいわよ、と言われた。今の子供の本なら考えられないほど子ども向けにしては渋い絵柄。今、調べると絵は瀬川康男。その奇妙な絵柄の本とあいまって、この崖を母に連れられて上ったのは奇妙な夢なのかと思っていたが、その崖は確かに存在していた。

崖の向いにあるこの木の家も、私の生家と同じくらい歳を重ねていそう。

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その崖から少し進むと羽衣湯。姿は大きく変わっていたが、まだここに銭湯が存在していたことにびっくり!かつで西新宿(淀橋、十二社)にはいくつも銭湯があった。うちがよく通ったのは西新宿4丁目の吉野湯。吉野湯も梅月湯も無くなったのに、なんと羽衣湯はまた営業していた!

すぐに懐かしい暗渠と商店街の細道に出た。商店街と崖がこんなに近くの位置関係だったのに、気づかずにいた。はるか昔と変わらぬ崖とまた会えたことに涙(こんなにもこの崖に涙するのは、この世に私くらいしかいないだろうが)。崖が破壊されぬうちにまた来よう。


懐かしい暗渠に、以前に来た時は気づかなかった看板。「柳橋睦青年部 柳橋會」とある。

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この柳橋は昭和7年に完成し、昭和38年の東京オリンピック前年に暗渠化されるまでここには水が流れていたそうだ。

「この先の暗渠では伊丹十三監督の映画「タンポポ」(1985年公開)のラストシーンのロケ地に使われました」

「さらに日本の伝説のロックバンド「はっぴいえんど」の1stアルバム(1970年)のジャケットに使われた『ゆでめん風間商店』はこの地で撮影されたものです」

橋の左側の柳の樹の後ろのオレンジベージュの建物が「ゆでめん風間商店」跡。子どもの頃、ここに麺屋さんがあったことはに気づかなかったが、橋の右側のブロック塀の上に植物の生えた溶岩みたいなものが乗っかっているアパートは、中一の時に同級生が住んでいた家だ。驚くべきことだが当時と変わっていない!

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そこから連なる細い商店街、

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真冬の寒い夜に一度だけ入ったことのある「盤寅」という飲み屋、・・そして母がとても好きで通っていた「むろ美容室」!私も何度かお世話になった。「むろ美容室」の看板がまだあったことに涙。。

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道の分岐点にある淀橋庚申堂。小1の頃、ここで庚申の日に並んでお菓子をもらったことがあった。右の細い道を入ったところに友人の家があった。この庚申堂の向かいにはエビハラというパン屋さんがあった。
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「新鮮なくだものヤマキ」の看板の前に座り込んで花の世話をしているふたりのご婦人。
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母が生きていたら知り合いの人たちかもしれないと思い、涙が出そうになった。四角いセメントの飛び石と階段も時を経てまだあった。

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新宿中央公園の南の橋の道からワシントンホテルの前を通り、代々木方面へ。中央公園の子ども広場はけっこうな人数が遊んでいてびっくり。

5時前に目的地に到着。

帰路。橋の上から住友三角ビルのテラスなど高層ビル街の道を見下ろすと、レストランやカフェが閉鎖されているようで、日曜なのにほとんど人がいない。子どもの頃から大好きだった西新宿の欅並木の新緑。

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桜が散る頃によく母と歩いた中央公園脇の思い出の散歩道。

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熊野神社の前の植え込みにレンゲが咲いていたのでびっくり。レンゲの花を見たのは数十年ぶり。

福山家がどうなっているか久しぶりに見たら、どこから種子が飛んで来たのか2階部分が蔦に覆われ始めていた。

いろんなところで興奮して写真を撮りまくっていたので帰宅したのは7時頃。慣れたのか、この前、善福寺川を源流に遡って行った時ほど脚腰は疲れなかった。この調子なら川に沿ってさらに下って文京区の肥後細川庭園の方まで行けそう。

 

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