沢渡朔

2026年9月14日 (月)

個展終了しました

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新刊『息の荒野、世界が顫動している: 画家の触発する/される身体』(平凡社)が9月4日に発売されました。

画:福山知佐子、写真:沢渡朔、詩:谷川俊太郎
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9月10日(木)

芳名帳を見たら、昨日、私がダウンして来られなかった日に、けっこうお客様がいらしていた。

絶対に私本人が対応すべきだった画廊のお客様も。

しかし本当に体が無理だった。

9月13日(日)

原宿のNEWでの個展最終日。

今日も大切なお客様がいらしてくださって、嬉しかったのだが、私の脳が疲れすぎてしまい、頭がぐらんぐらんした。

一日に何人ものお客様と対応して、相手に気を使いながら、言われていることを脳が解析する処理が追いつかない。

結論から言ってくれないと、頭ががんがんするほどストレスがかかって、何を言われているのかわからなくて苦しい。

適切に言葉を選んで返すことが、もう限界、というところまで疲労困憊した。

ギャラリーに来る前にあまり食べられていなかったので、撤収の時にはエネルギー切れ。首、肩、腰が痛いし、眠いし。

駅までの道、めまいがしてうまく歩けないくらいまで空腹になった。

原宿駅前のコンビニでサンドイッチと缶ビールを買って、リリリリ・・・と神宮の虫の音が響く横道の廃屋のへりに腰かけて乾杯。

本当にお疲れ様。やっと終わった。

 

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2026年9月12日 (土)

福山知佐子個展 NEW 神宮前 明日最終日 / 谷川俊太郎さんのこと

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個展開催中です。闘病中で体力がとぼしいので4時すぎくらいからの在廊となります。ご了承ください。

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【展覧会ページ】https://newwwauction.com/exhibitions/view/chisako_Fukuyama</p> /p>

会場:NEW(NEW AUCTION)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F 電話03-6419-7577 原宿駅から徒歩5分、表参道駅から徒歩5分

会期::2026年9月2日(水)~9月13日(日) 12:00 - 19:00 

【Google Map|NEW 】https://maps.app.goo.gl/otHEGPVaKQ4Hq31j7

神保町のNew Gallery とは違うのでご注意ください)

newwwgallery NEWでは、9月2日(水)から9月13日(日)まで、福山知佐子の個展「異生の顫動」を開催いたします。

福山知佐子はこれまで、萎れ、枯れ、朽ちへと移ろう植物の時間の運動を追うなど、見過ごされ、遺棄された小さな生命の徴候に応答しながら制作を続けてきました。

本展のタイトルにある「顫動(せんどう)」とは、かすかにふるえ動くこと。

福山が向き合うのは、人間の価値や意味の体系には決して回収されることのない、人ならざる生――「異生」の、微細な顫動の実在です。

踏みしだかれ、名を呼ばれることのないまま消えていく小さな生命の徴候に、絵画はどこまで応答しうるのか。

幾層にも重ねられた絵具と紙の堆積は、その問いに費やされた時間そのものとして画面にあらわれます。

本展にあわせ、写真家・沢渡朔、詩人・谷川俊太郎とのコラボレーションによる書籍『息の荒野、世界が顫動している 画家の触発する/される身体』をはじめ、福山知佐子の画集・著書も会場にて販売いたします。

ぜひ会場に足をお運びいただき、福山知佐子が描き出す「異生の顫動」をご体感ください。

9月8日(火)

谷川俊太郎事務所に、やっとできた本『息の荒野、世界が顫動している: 画家の触発する/される身体』(平凡社)をお渡しに行く。

谷川俊太郎さんが住んでいたお家にお通しくださった。

長く細い廊下、ひとつ、ふたつ、みっつ、と両側の部屋を過ぎる。

それらの部屋の扉は、風通しがいいように、見られてもいいように開けられている。

奥のほうの広い部屋。昔、吉田文憲さんと来た。その時はテレビがあった。

ぼうぼうではなく、短く雑草が生えている庭。北軽井沢に似せて、こうしていたそうだ。

ここから俊太郎さんは鳥を眺めて過ごした。

事務所のスタッフの川口さんが、俊太郎さんの最後の日の様子など、大切なことをお話しくださった。

棚には、とても魅力的な青銅の小さな動物たちが、50体くらいきれいに飾られているガラスケースがあった。

徹三さんと相談されながら、少しずつ買って、集めておられたそうだ。

俊太郎さん愛用の二眼レフカメラ、リコー・フレックスがあった。

そのカメラについて質問すると川口さんが、2023年にやったという谷川さんの写真展の図録を持って来て見せてくださった。

最初に、青年とも少年ともつかない谷川さんがきょとんと丸い目をしている、鏡を使って撮った自分の写真。

それらは、1ページごとにすべてが瑞々しく、純粋で、まっすぐにこちらの胸に届いた。

なぜなら、本当に絵がわかる人の写真、写真のための写真ではない、生の中の一瞬の二度とない光景を切り取った、俊太郎さん自身のための嘘のない絵だったからだ。

実際に、図録のあとがきに、僕は絵がかけないからファインダーで切り取って絵のような写真を撮る、というようなことが書いてあった。

犬が6匹、草の中で戯れている写真。隣の家で飼っていた犬だそうだ。

「この中にネロがいますよ。あとにネロだけ写っている写真がありますよ」と川口さんに言われ、

その写真を見て泣きそうになった。

耳が折れている人懐っこそうな犬がこちらをのぞいている。

このネロと俊太郎さんがじゃれあって、草の上に転げて笑いあっていた姿が見えた。

ああ、本当に俊太郎さんはネロを愛したんだな、

俊太郎さんは本当に絵が好きな、絵がわかる人だったんだな、と再確認出来て、

ここまで絵もわかって、ことばも使えるかたと出会えて、心からの言葉をいただけて、本当に幸せだったと思う。

9月9日(水)曇りのち雨

きょうは体が痛くて、昼過ぎてもふとんから起き上がれなかったのでギャラリーに行けずにずっと寝込んでいた。

午後、ギャラリーから電話があった。

3つよいことがあった。

私がずっと絵を見ていただきたいと望んでいた人に、やっとことばが届いたという知らせ。

これからどうなるかは、まだまったくわからないけれど、とにかく少し進展した。

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2026年9月 9日 (水)

福山知佐子個展 NEW 9月13日まで

私のXが8月8日に外国のメールアドレスに勝手に変更されてのっとられてしまいました。

すぐにX公式フォームに申請し、メールで返事をもらい、そのメールにまたアカウントなどを書いて返信しましたがそれから返事がきません。

解決法がわかるかたは、私のHPの問い合わせか、ギャラリー十二社ハイデのHPの問い合わせからどうかアドバイスをお送りください。

よろしくお願いいたします。

・・・・・・

9月6日(日)

斎藤哲夫さんと。大変な病気のふたりが、元気でまた再会できた記念のフォトです。
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斎藤哲夫さんに「FFA FORK DAYS フォーク夏の陣」のDVDと「昨日・今日・明日」のCDいただきました。
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4年前くらいに私の個展に初めて来られて、黙っていつまでも絵を見つめていらしたSさん。 

その常人ならざる澄明な佇まいが、このかたは何者なのだろう、とずっと心に残った。

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今日は5時にいらして「今日は、来る前に青山でコーヒーを飲んで体調を整えてきたので、とてもよく眼が見えます」とおっしゃられた。

2年前の高円寺での個展でフロランス・ビュルガのことばを壁に貼っていた時もずっと向き合ってくださって「読めば読むほど、迷宮に迷い込んだような気持になって」と言ってくださったことを覚えている。

4年目にして初めて少しお話しできた。

なんと7時までいてくださって、

「ずっと長く見ていられる絵は少ない。そしてこれらの絵はほかの誰にも似ていない絵だから」とのことばをいただき、とても胸に響いた。

少し冷たい雨の中を脚を濡らしながら原宿駅まで歩いた。

ふいに、ひとこと、育った環境のことを、ぽつっと短いことばで投げかけられ、

雑踏の中でかき消されそうなその微かな響きによって、「えっ?」と、胸をずん、と叩かれたような衝撃を感じて声が出てしまった。

静謐という語でも上品という語でもでも届かない、このかたの由縁が、ふと輪郭を帯びたように思われた。

9月7日(月)

沢渡朔さんの事務所に新刊『息の荒野、世界が顫動している: 画家の触発する/される身体』(平凡社)をお届けに上がる。

たいへん喜んでくださって、「この写真を撮っている時には、まさかいいこんな本にできるなんて思っていなかった。本にできて本当に良かった。」と。

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「平凡社というのがまたいいね。それにこんなふうに写真と絵と詩が一緒になっている本はほかにないもの」
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「すごくいい本は、俺は本当に売れてほしいと思う。海外にも誰か持って行ってほしいし、若い人たちに知ってほしい。」とおっしゃられた。

「今、本を売るのはほんとうにたいへんだ。でもこの本は本当にたくさんの人に知られてほしい。若くて感性の鋭いライターに書いてほしい」と切実なほどに言ってくださった。

若くして枯れ蔓や廃墟に感応してくれる物書きを私は知らない。

有名で影響力のある人は感性がマイナーではないから、この作品集と感性が合う人がどこにいるのかわからない。
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微細な震えに呼応し、寄り添う感性が、いったいどこにいるのか、私にはまだわからない。

この本は、一流のスターでありながら、私のような無名な人間にも静かに心を寄せ、撮影してくださった沢渡朔さんの

その自由さ、

さらには谷川俊太郎さんの、

そのおふたりの稀有なひらかれ。

その奇跡によって生まれた本です。

・・・・・・

個展開催中です。闘病中で体力がとぼしいので4時すぎくらいからの在廊となります。ご了承ください。

【展覧会ページ】https://newwwauction.com/exhibitions/view/chisako_Fukuyama</p> /p>

会場:NEW(NEW AUCTION)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F 電話03-6419-7577 原宿駅から徒歩5分、表参道駅から徒歩5分

会期::2026年9月2日(水)~9月13日(日) 12:00 - 19:00 ※月曜休廊

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(神保町のNew Gallery とは違うのでご注意ください)

newwwgallery NEWでは、9月2日(水)から9月13日(日)まで、福山知佐子の個展「異生の顫動」を開催いたします。

福山知佐子はこれまで、萎れ、枯れ、朽ちへと移ろう植物の時間の運動を追うなど、見過ごされ、遺棄された小さな生命の徴候に応答しながら制作を続けてきました。

本展のタイトルにある「顫動(せんどう)」とは、かすかにふるえ動くこと。

福山が向き合うのは、人間の価値や意味の体系には決して回収されることのない、人ならざる生――「異生」の、微細な顫動の実在です。

踏みしだかれ、名を呼ばれることのないまま消えていく小さな生命の徴候に、絵画はどこまで応答しうるのか。

幾層にも重ねられた絵具と紙の堆積は、その問いに費やされた時間そのものとして画面にあらわれます。

本展にあわせ、写真家・沢渡朔、詩人・谷川俊太郎とのコラボレーションによる書籍『息の荒野、世界が顫動している 画家の触発する/される身体』をはじめ、福山知佐子の画集・著書も会場にて販売いたします。

ぜひ会場に足をお運びいただき、福山知佐子が描き出す「異生の顫動」をご体感ください。

 

 

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2026年9月 5日 (土)

福山知佐子個展 原宿NEW トーク概要とレセプションの様子

8月8日に私のXがのっとられて(メールアドレスを勝手に変更されて)しまいました。すぐにX公式フォームに申請し、メールで返事をもらい、そのメールにまたアカウントなどを書いて返信しましたがそれから返事がきません。

解決法がわかるかたは、私のHPの問い合わせか、ギャラリー十二社ハイデのHPの問い合わせからどうかアドバイスをお送りください。

よろしくお願いいたします。

9月4日(金)

トークとレセプションの様子です。

立って司会しているのがギャラリーのスタッフさん。真ん中に座っているのが私。私の隣が現代美術史研究家の篠原さん。

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トークの概要:

○今回の展示「異生の顫動」とは

「異生」とは人間でない者の生命です。

私はずっと、絵というのは自分の内側だけで閉じて作るものではなくて、自分の外に在るものと自分との関係のなかで、手を通して立ち上がってくるものだと感じています。

最初に観念や概念を置いて構成するという人間中心主義の考えよりも、人間ではない生命のかすかなふるえや、ごく微細な気配にこちらも感応して、自分自身もふるえるようにして線を引き、そこから絵画が派生していくことを大切にしています。

現代は概念や人工物や経済の論理がとても強い時代だと思います。
だからこそ、自分の外に在る生の気配に触れようとする絵は、古いのではなく、むしろ今あらためて重要なのではないかと感じています。

○若林奮さんの「振動」と、今回の「顫動」との違いは

若林奮先生には、人間でないものの生命をテーマにするという点で、本当に大きな影響を受けてきました。

若林奮先生の「振動尺」の「振動」は、難しいのですけど、自分と人間でないものとの間を行き来する振動、反響、そのあいだの(固定しない)距離、といったようなものかと思います。

私が今回使った「顫動」は、かすかにずっと震えている状態、怯え、過敏さ、はかなさ、わからなさ、見過ごされている息づかいや気配、というようなものです。

○どのようなものを見つめる中で生まれてきたのか 前の画集について

まずは植物の運動、変容の時間です。

私は物心ついたときから動植物に強く惹かれてきましたが、ある時期から、花瓶の中の植物が萎れて枯れて、ついには粉になっていくまでの時間の運動を、何度もデッサンするようになりました。

ここに、30年、植物の衰弱していく運動を描くのを繰り返しやって来たのをまとめた画集『花裂ける、廃絵逆めぐり』があります。

皆がその名前を知っていても実は見ていない植物の運動の時間、変化しつづける存在としての、時間を描きたかった。
私の絵を見た人から「これは想像の花ですか」「宇宙の花ですか」と言われることがあります。

けれど私にとってそれは空想ではなく、むしろ徹底して私の身体の体験の証言なのです。

つまり、私の絵が既存のイメージから外れて見えるのは、作為的に型を壊しているからではなくて、
人々の側の固定化された概念では捉えきれない、そこにむき出しで晒されているものが変容して動いている時間を描こうとしているからです。

私は最初からステレオタイプを崩すことを目的にした方法には、あまり惹かれません。
それは既存の意味や概念を別の意味や概念で置き換えているだけで、画家の身体や眼が何を見たのかということには、必ずしも触れていないと感じるからです。
もちろん、そうした作品には説明可能性があります。
聞けば理解できるし、意味として受け取ることもできる。

でも私には、その理解のしやすさ自体が、見ることの深さとは別の次元にあるように思えます。

私は、壊すために壊すのではなく、見ることの精度、というのか、自分の眼の力によって、結果的に壊す、結果的にステレオタイプから抜け出るということをやりたかったのです。

陳腐なものから抜け出るために「デッサン」というものには身体を開く革命の可能性があると思っています。
今の時代のアートの傾向ではデッサンは重要視されていませんが、概念ではなく身体の直接性と結びつくのがデッサンだと思っています。
画家とは本来、ふつうの人には見えていないものを見る眼をもつ存在で、
その眼は、奇をてらうためではなく、見慣れた名前の奥に隠れてしまった現実を、もう一度見えるようにするためにあるのだと思っています。

私が絵画に求めているのは、概念の巧みさではなく、見ることの切実さです。
本当に見た者にしか描けないものがあり、その痕跡こそが画面に現れるべきだと思っています。
だから私は、最初から意味を設計して成り立つ表現よりも、眼と身体が現実にさらされた結果として立ち上がってくる絵画に、より強く価値を感じます。

○「証言」について

私は「証言」の問題や「当事者性」の問題、つまり誰がそれを表現する立場にあるのかという点が重要と考えています。

たとえば、「人間中心主義を批判する」というコンセプトでアートを制作したとします。
けれども、その過程で人間ではない小さな生き物の命を利用したり、危害を加えたりする可能性があるなら、それはむしろ人間中心主義の再生産です。そうした行為は、「収奪」や「搾取」と呼ぶべきものだと思います。

同様に、「戦争」や「虐殺」、「差別」といった題材を扱う作品についても、それらの歴史や現実と長く向き合い、学び、自らの生き方とどのように照応しているのかを問い続ける必要があると思います。
そのうえで、その作品によって誰が利益を得るのかまで思慮されていない表現は、「収奪」と言いうるのではないかと思います。

私がもっとも忌避する人間中心主義とは、他者の痛みを表象の資源として用いながら、自らは安全圏にとどまる態度です。

私が見つめているのは、そのような人間的な暴力に先立ってある、ごく微細で持続する生の徴候です。
それは、出来事として強く語られるものではなく、むしろ見過ごされやすく、しかし消えきることなく続いている気配です。
私は、強い意味を与えることよりも、そのかすかな顫動を壊さずにとどめることのほうに、制作の必然を感じています。

人間の外にあるものは、人間の解釈や都合とは無関係に生きています。
私にとって重要なのは、まずその事実です。
だから、強い物語やわかりやすいメッセージによって対象をすぐ理解可能なものとして整理し、人間の意味の体系のなかに回収してしまうことに、私は強い違和感があります。

そうした解釈や語りは、何かを捉えたように見えて、実際には生の複雑さや沈黙を取りこぼしてしまうことが多い。
私が向かいたいのは、そのような把握の手前にある、ごく微細で持続する気配です。
簡単に説明できないもの、言葉にした瞬間にこぼれ落ちてしまうものを、できるだけ壊さずにとどめたいと思っています。

私にとって絵は、何かをわからせるための道具ではなく、人間の思惑の外でふるえているものに、こちらもまた感応しながら応答するための場です。

○新作について

朽ちていくものの時間と気配そのものを主題にした作品です。
植物の衰弱の運動に興味を抱くと同時に、錆や剥落、亀裂、黴、かすれ、古色のように、時間とともに立ち顕れてくるものにも動植物的なものを見て、感応してきました。
何かが完成された姿でそこにあるというより、時間のなかで傷み、衰え、変化しながら現れてくるもののほうに、私はより深い実在を感じています。

最初から明確な形を与えようとはしていません。むしろ、まだ形になりきっていない、ごくかすかな気配のようなものに、できるだけ長く留まろうとしていました。
存在と不在のあわいというのも、何かがはっきりそこにあると断言できる状態ではなく、たしかに触れた気がするのに、すぐに見失ってしまうような、その不安定さのこととして感じています。

なので今回の作品では、それを強く説明したり、象徴として固定したりするのではなく、消えそうで消えない震えとして、できるだけ壊さずに置くことを大事にしました。
形は、その気配を支えるためにあとから必要になってくるものであって、最初に結論としてあるものではありませんでした。私にとっては、何かをはっきり示すことよりも、まだ言い切れないものがかすかにとどまる状態を守ることのほうが重要でした。

○新刊について

この新刊は、私にとって本当に特別な本です。
子どものころから沢渡朔さんの写真に強く惹かれていて、とくに『少女アリス』と『ナディア』には心酔してきました。『少女アリス』には谷川俊太郎さんの詩も添えられていて、その世界にも深く魅せられていました。

最初の個展をしたとき、思い切って沢渡さんにご案内をお送りしたら、実際にいらしてくださったんです。
そこで撮影をしようというお話までいただいたのですが、私にはあまりに畏れ多くて、すぐにはご連絡できませんでした。結局、実際に撮っていただいたのは、それから7年くらい経ってからでした。
そのとき沢渡さんが、あなたの好きな場所で撮ろう、そしてあなたの絵の隣に置けるような、絵の世界と通じあう写真にしようと言ってくださって。
それで私は、自分の好きな、秘密の廃墟にお連れしました。

谷川俊太郎先生とのご縁も、最初の個展がきっかけでした。
ご案内をお送りしたら会場に来てくださって、その後、一冊目の本『デッサンの基本』では帯のために三つも詩をくださり、
二冊目の『反絵、触れる、けだもののフラボン』のときにも、私の身体感覚や仕事に対して深く理解してくださっていることばを寄せてくださいました。

そういう、長く遠くから支えていただくようなご縁がずっと続いていたのだと思います。
二、三年前に私が右肺の中葉を摘出したときには、その傷を沢渡さんが撮影してくださいました。

そしてその後、沢渡さんから、昔撮った写真とこの傷の写真をあわせて本にしたいと言っていただいたんです。
そこに私の絵を入れて、さらに谷川俊太郎さんから三篇の詩をいただいて、この一冊ができました。

谷川俊太郎さんは2024年11月13日に亡くなられて、この本はなおさら大切なものになっています。
この本は、私の人間中心主義への違和に、沢渡朔さんと谷川俊太郎さんが共振してくださった記録です。
枯れていく植物たちとの共振としての顫動と、ふたりの先輩芸術家との顫動が、一冊の本のかたちをとったのだと思っています。

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Galerie412の渡部千鶴香さんと。今日初めてお目にかかったのに、私と会ったことがあるとおっしゃられて。

「若林さんのお葬式の時にすごく泣いていた人。あの写真集を見てすぐにわかったわ」と言われ、思わず反射的に渡部さんに抱きついて涙ぐんでしまった。

思い出して悲しくなったからではない。

あの時の私を、否定的にではなく、はっきり覚えてくださっていた人がこの世にいてくれたことが、信じられないほど嬉しかったからだ。

「あの時、吐くほど泣いて・・・吉増さんから「あんまり泣いちゃだめ。隠し女だって思われる」って言われて」

「いいのよ。画家は、泣きたいときは思いっきり泣いて」

渡部さんからは本当にありがたいお言葉をいただいた。

「若林さんの遺志をここまで継いでいる人はいない。銀箔を使ってやっている人も何人も知ってるけれど、あなたは全然違う」と。

「初めての個展の時に若林先生が来てくださって、銀箔の絵を見て「これは現代美術になっている。この方向で展開していったほうがいい」とおっしゃられて。それで私は銀箔を使って現代美術としてやっていきたいと心が決まったんです」

「それは若林さんもすごくいいこと言ったわね」

「今も振動尺の話しているの私くらいしかいないし・・」

「若林さんの話も、矢内原伊作さんの話も、本当に通じる人がいなくなってきたわね」

渡部さんは絵を見ただけで本当に私のことを理解してくださっているようで、胸がいっぱいになった。

【展覧会ページ】https://newwwauction.com/exhibitions/view/chisako_Fukuyama

会期:2026年9月2日(水)~9月13日(日) 12:00 - 19:00 ※月曜休廊

会場:NEW(NEW AUCTION)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F 

電話03-6419-7577 原宿駅から徒歩5分、表参道駅から徒歩5分

【Google Map|NEW AUCTION 】https://maps.app.goo.gl/otHEGPVaKQ4Hq31j7
 
(神保町のNew Gallery とは違うのでご注意ください)

皆様のご来場をお待ち申し上げます。

【Instagram|NEW 】https://www.instagram.com/newwwgallery/

9月4日、新刊『息の荒野、世界が顫動している: 画家の触発する/される身体』(平凡社)が発売されます。
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https://www.heibonsha.co.jp/book/b677102.html

よろしくお願いいたします。

 

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2026年8月24日 (月)

福山知佐子個展 NEW(NEW AUCTION) 渋谷区神宮前で9月2日~9月13日 

福山知佐子個展のお知らせ

NEW(NEW AUCTION)で個展が開催されます。

会期:2026年9月2日(水)~9月13日(日)
時間:12:00 - 19:00 ※月曜休廊
会場:NEW
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F 原宿駅から徒歩5分、表参道駅から徒歩5分

【Google Map|NEW 】
https://maps.app.goo.gl/otHEGPVaKQ4Hq31j7
 
(神保町のNew Gallery とは違うのでご注意ください)

レセプション:
2026年9月4日(金)
時間:18:00 - 20:00
会場:NEW

レセプションの中で足利市立美術館の篠原誠司さんと30分くらいトークをする予定です。

皆様のご来場をお待ち申し上げます。

【展覧会ページ】
https://newwwauction.com/exhibitions/view/chisako_Fukuyama
【Instagram|NEW 】
https://www.instagram.com/newwwgallery/

 

8月22日 激しい雷雨

朝8時に起きたが首が痛くてまた眠ってしまった。

午後、急にざーっと雨音がした。雨音が止んでしばらくしてまた雨音。

小降りになった隙にアトリエに向かおうとしたが、雷も雨もどんどん激しくなる。

信号の前の銀杏の木の下にいたが、傘をさしていてもスカートがずぶ濡れ。

怖くなって家に引き返そうかと思うほどのゲリラ豪雨。

上から直線で叩きつける雨。金属的な破壊音で近くに落雷。

5分歩いたら寒気がするほど身体が濡れそぼった。

からだがだるいまま少し仕事して、また少し眠る。

起きた時に急に記憶が開いて目まぐるしく回転し、一気に絵が出現した。

自分で目を見張るようなものが3点出来た。

集中と興奮でエネルギーを使ったらしく、気がつけばいつになく空腹。

外に出ると雨は止んでいてスーパーの時計が8時半だった。

 

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2026年8月 8日 (土)

新刊『息の荒野、世界が振動している:画家の触発する/される身体』/ 個展

8月8日(土)
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新刊『息の荒野、世界が振動している:画家の触発する/される身体』の予約告知がアマゾンに出ました。

『息の荒野、世界が顫動している:画家の触発する/ される身体』アマゾン

アマゾンでは9月7日以降の発送となっています。

おそらく全国のどこかの本屋さんで注文いただければ8月末か9月の頭には本屋さんで購入できると思います。

9月2日から原宿で個展をしますので、もしお越しいただける方はそこでお買い求めいただけたら心よりありがたく存じます。

この本は沢渡朔さんが(21年前と2年前に)私を撮ってくださった写真が中心で、それと私の絵、そのコラボに対して谷川俊太郎さんが寄せてくださった詩を合わせた本です。

・・

今朝、Xから私のメルアドが変更されたとのメールが来ていて、つまり乗っ取られたらしい。

ログインできなくなったのでXのヘルプセンターから問い合わせのメールを出した。

こういう余計な悩み、冷汗が出るような嫌なストレスに苦しめられなければならない奇妙な世の中に、私が生きているうちになってしまったことが信じられない。

日本の今の政治の状況にしてもそうだが、スマホ農場や生成AIなどがなければここまで歪んだ独裁はされなかったはずなのに。

入院する前もデモに行こうとしていて、元気になったらデモに行こうと思っているが、なかなか余裕がなくて行けない。

身体のあちこちが痛いのと眠くてだるくて頭がよく回らない。

・・・

6月9日に退院してから今日で2か月。体重がやっと39㎏から43㎏に増加。

途中、一日中とろろそばを食べていたらなぜか42㎏から41㎏に減ってしまったこともあったが、1か月に2㎏、2か月で4㎏の増加はなんとか達成できたみたい。

まだ胃腸が痛くてすぐにおなかがこわれるし、朝は食欲がない。

抗生物質がものすごく腸内環境に悪いことは知っていたが、それを3カ月も毎日摂取していたのだから、1年くらいは腸がよくならないのだろう。

1日に3食食べるのは無理なので、朝抜いて昼ゆっくりパスタを食べる。最近は完熟トマトとニンニクをオリーブオイルでいためてシラスを入れたパスタ。

桃も8月になるともう終わりだが、生の桃を食べると胃腸の調子がよく7月は桃に助けられた。

ここ20年くらい、果物のほかは甘いものを食べなかったのだが、体重増加のために最近は毎日「久保田」のいちごアイスクリームを食べていた。

8月4日(火)

10年以上前に買ったエアコンがガタガタ言ったりしていたので、省エネ基準を満たすエアコンに買い替えた。

4日に工事の人が来るので、1週間くらい前から家の中の整理と掃除をしていた。

一日4、5時間休み休みやっていたが、立ったり座ったりを数百回繰り返していたら、太腿の筋肉が鍛えられてだいぶ元に戻って来た。

大きな袋に詰めた荷物を高いところに上げたり窓の汚れを拭いたりしていたら、ガリガリに痩せてフニャフニャだった上腕二頭筋が少し復活してきた。

ものすごい全身筋肉痛と疲労感。4日の朝にはもうくたくた。

2時~4時に来るという連絡だったが、昼過ぎにはもう全身疲労と眠気がピークで横になって眠ってしまった。

4時少し前に荷物を運んでくるような異音がしたら、2匹が急にパッと押し入れの奥に隠れて完全に気配を消してしまった。

工事中、ベランダへの戸を開けるので、まさか急に出てきて飛び出すことはないだろうが、万が一のためにずっと戸の前に立って工事を見ていた。

工事が終わってからは気が遠くなるほど疲れ、Wさんのマッサージ。

明らかに先週より太く固くなった太腿を触ってみてもらった。

2匹は夜はいっぱい食べた。

プフは私が電気を消して横になると必ず私のおなかの上を渡ってきて、いっときフミフミしたあと私の顔の左側に寝てくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2026年7月17日 (金)

次の本のモニター校正

7月15日(水)35℃

印刷会社でモニター校正のため、真昼間に家を出る。

35℃予想だったので危険だと思い、昨日から凍らせておいた500mlのお茶を持って行き、首や額につけながら歩いたが、すぐに息が上がってしまう。

1時に神田の会社に到着。オペレーターしてくださるのは以前にもたいへんお世話になったK.Cさん。

PCを手早く操ってとても繊細に色調整してくださる。

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鬱金香(Tulips)。これは印刷ではなくてスマホで撮った画像。

今回は絵を印刷したものが全体に彩度とコントラストが高すぎる傾向にあったので、見た目のリアルな印象に近づける作業。

モニターを見た時よりも印刷のほうがインクが沈んで暗くなるので加減を注意しながら調整。

3時頃に終了。

そのあと久しぶりに神田の街を歩いた。前の画集を作っていた時以来だ。

コオニユリの花が満開。百合は茎が細くて花が下を向いているのが好き。上を向いたスカシユリはあまり好きでない。
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昔の文士たちの写真が飾ってあるハチマキという天ぷら屋さんが健在だった。

ハチマキで休んでからボヘミアンズギルドギャラリーを見る。

2階には大正時代の素敵な装丁の本や60年代の美術などが飾られている。感心するものやホッとするものもあるし、自分だったら捨てるだろうと思うものもある。

ホルスト・ヤンセンの版画は小さいのしかなくて高くなっていた。自分が昔購入したものは全部気に入っているしお得だったと思う。

神保町の古書店街で古い雑誌を探したりして散歩。

帰路、昔ながらの食塩入りのトマトジュースを飲みたかったのに、コンビニには食塩無添加のトマトジュースしか無かった。

私は分子標的薬の副作用で浮腫が出ているので、極力塩分は控えめにしているのだが、今日みたいに暑い日は身体が塩分を欲していた。

疲れて神保町の駅の階段が限りなく長く感じられた。

帰宅したら日焼け止めも落とさず倒れるように横になって眠ってしまった。

夜、起きて冷奴とアイスクリームを食べた。

7月14日(火)35℃

やはり朝起きられない。暑いせいか食欲がない。

Wさんにマッサージしてっもらい、首と頭ががちがちと言われる。

明日、印刷会社さんに行く大切な仕事があるのでスタミナをつけるため、夜はまた鰻1匹と卵2個を煮たものをご飯にかけて無理やり食べた。

7月13日(月)曇り30℃

水曜にモニター校正をする前に、本物の絵を見て写真を撮っておく。

帰宅して夜、卓球。

坂道を自転車で上がることはできたが、いつになく頬がほてる。

冷房を20℃に下げられて、いつもなら震えあがるのに今日は顔が熱かった。熱中症気味?

あまり食欲もない。

7月11日(土)31℃

きのう結構歩いたり、屋根修理のことでものすごく思い悩んだせいか、心身ともに疲れ果て午後まで起きられなかった。

昼過ぎに起きると一食抜けてしまう。

デッサン教室。

赤紫のブッドレアの花と深い赤のスモモ。

昨年、毎日たくさんのアオスジアゲハがブッドレアの蜜を吸うのを見たのは秋だった。

その頃はまだ空腹感があり、デッサン教室が終わる8時に眩暈がして、西新宿の駅まで飲み物なしでおにぎりを齧りながら歩いたりしていた。

今はただすごい疲労感があり、あまり食べられない。

7月10日(金)晴れ32℃

部屋の2015年製のエアコンがカタカタ言い出したので、新宿の家電量販店に見に行く。

エアコン内部だけでなく空気中に浮遊している黴も殺してくれるというナノEに惹かれる。

4機種くらい説明してもらっていたが3時半になってしまい、いったん西新宿のギャラリー十二社ハイデへ徒歩で向かう。

4時と5時に屋根修理の会社の人に調査をお願いしていた。

4時の人、神奈川の会社の営業さん。屋根を張り替えれば20年は持つ、と言われる。

5時の人、池袋の会社の社長さん。長い竿の上にカメラをつけて屋根の上を撮影。サーモカメラも使用。建て替えとかいろいろ勧められる。

十二社の家を、私が死んだ後に守ってくれる人がいるなら、今、百数十万円出して屋根を全部直すのは高くはないと思う。

でも誰もあの家を継いでくれないなら、あの家はあと数年で潰れるのだから修理しても仕方ない。

品川亭の屋根の上に乗っているビニルシートと土嚢を見せて「うちもああいうふうにしたいんです」と言ったが無視される。

6時に話が終わってから再び新宿まで歩き、エアコンを購入。

急に暑くなったので8月の頭まで工事の予約が取れなかった。

帰宅してエアコンをつけてみると、なんとカタカタいう音が無くなっている。正常運転。

だがあまり効いてないような・・・。

7月9日(木)晴れ 32℃

退院してひと月。

体重はここ3日、朝計ると41.3kgしかなかった。

1か月で3㎏増量とはいかなかった。しかし2㎏は増えた。

まだ胃酸過多が治らないし、下痢も完全には治らない。

体重が戻っていない割には動けてるような気がするが、やはり疲れやすい。てきぱき動けない。

胃酸過多が酷い日は一日800kcalくらいしか食べられない。特にお米を食べる気がしない。

1000Kcal を割ればまた痩せてしまう。

調子のよい時は少し無理してでも食べる。麺類のあとにアイスクリームを食べている。

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2026年5月25日 (月)

右腹部のドレーン抜ける / 次の本の絵の再校ゲラを見る / 腹帯がはずれる 5.9~5.13

5月9日(土)

外科のK先生がドレーン洗浄。

右の細く短いドレーンが抜かれる。絆創膏のみ。

次の本の絵の再校ゲラを見る。

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本物の絵(3号、SM)を3点持って来てくれて、デイルームで比べてみると、印刷のほうが彩度が上がりすぎていたり、

やはり私が印刷所でモニター校正しないと伝わらないと思う。

いつ退院できるのかわからないことが本当に辛い。

私が4月の最初にモニター校正に行けていれば6月刊行だったのにと思うとやりきれない。

5月10日(日)

0時スルバシリン、1時バンコマイシンの点滴、2時過ぎ、点滴終了時のルートにヘパリン水を流すので必ず起きてしまう。

だいたい0時から2時半前は眠れない。

ここ4、5日、ずっと毎日している腹帯の下の皮膚がかぶれてかゆくてたまらない。

綿とはいえ厚いキルティングで締め付けているのだからむれて当たり前だし、もう一月以上手術創やドレーンの傷の周りをシャワーしていないのだから。

がんセンターで右肺中葉を摘出した時、早い段階(何日か忘れた)で傷を洗えと言われてびっくりしたような・・。

一昨日のシャンプーでなぜかかぶれてしまい、かゆくてしかたないので、お湯だけで洗っていただく。

5月11日(月)

採血

10時K先生ドレーン洗浄の時に、ドレーンの周りの皮膚がかゆくてたまらないと訴えたら

「もう腹帯はずしていい」と言われる。

腹帯は手術創を安定させるためのもので、腹筋に力がはいると傷が痛むのを和らげるものらしいが、私の場合は常に上にずれてしまってたのであまり役に立っていなかったと思う。

CRP 1.92、WBC 4.7、γ‐GTP309

CRPすごく下がった。が、気持ち的には安心できない。

夕方からスルバシリンとバンコマイシンの点滴をやめて、錠剤のバクタとオーグメンチンに替えるとO先生に言われる。

2種類の点滴で、短くても5時間拘束されていたのが無くなったので、そうとう楽になった。

これで深夜起こされずに眠れる、と思ったが腹帯の中がかゆくて深夜2時間くらい目覚めてしまった。

5月12日(火)

右手についていた点滴のルートを抜く。

この日は割と安定。

深夜0時に左下腹部のドレーン液をボトルから抜きに来る時に目が覚めて、

そのあとおなかがかゆくてレスタミンを塗ってものでずっと掻いていた。

5月13日(水)

この日も割と安定。

最近、飢えがおさまってから病院の食事を完食するのがきつくなってきた。

味付けが、ほとんど味がないか甘いので。

それとずっと下痢なので空腹感がない。

 

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2026年5月24日 (日)

次の本の写真の再校を見る / 透視 ドレーンの先端の位置替え 5.5~5.8

5月5日(火)

7:30 セレコキシブ

今日は行事食。昼は天ぷらと豆ご飯、お吸い物が出た。

・・・

次の本の写真のゲラの再校を見る。

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地面に張り付いている花のようなロゼッタ(寒さに耐えようとして平になっている植物)。ハルノノゲシやタンポポやヨモギの赤ちゃん。

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21年前に撮ったものをデータ化したら、私が最初にもらったプリント(確かポジ専門の業者に出した)より植物が明確に出ていなかったので、

そこだけ「遺言だから」と言って、校正の時に印刷屋さんに少し明確に出していただくようお願いした。

あの時は3月の初め。気温8度でどんより曇りから雨。 

それでも沢渡さんに撮られているとどんどん自由になっていく。

凍える雨の中で春の最初の息吹の草たちの上に寝転ぶのも、沢渡さんに撮られたからとても自然に楽しくできた。

地面にぺったりはりついているハルノノゲシやタンポポのロゼッタが本当に緻密で美しくて。

雨と土と早春の若い芽吹きの匂いに涙が出そうで。

沢渡さんは私が喜ぶこと(草木との絡み合い)を知っていて、「こうしてみて」と言ってくれるから。

(私に似合わない濃い化粧をさせて言いたくない嘘のセリフを言わせた人とは大違い)

昔、撮影した時は、ポジだった。大きなカメラを使っていた記憶がある。

反射板を持ったアシスタントさんが二人いた。

その時はみんながデジタルカメラに移行していて、フィルムを使う人は少なくなっていたが、

沢渡朔さんはフィルムにこだわりたい、と言っていた。

丘の斜面で「こちらに向けて走ってきて」と言われた時はコンパクトで、シャッターと同時に撮れるカメラを使って、ファインダーを覗かずに手で被写体に角度を合わせていた。

この昔の写真と、2年前に撮っていただいた写真と、右肺中葉摘出後の写真と、それに私の前の画集に入らなかった絵のセレクトと

これらの写真を見て谷川俊太郎さんが書いてくださった詩を合わせて本に作っています。

・・・

15:30 アセトアミノフェン 左痛む

17:25 36.9℃ 148‐108 下が高い

19:20 セレコキシブ 痛み15時頃からずっとひかない

5月6日(水)曇り 21℃

6:40 血圧 170‐109 高すぎ 痛みのせい?

アムロジピン

5階の屋上庭園に16時頃行ってみた。

カードタッチでガラスの扉ががーッと空いた時、すぐに庭園は見えず右側に壁がある通路を行くのだが、

少し湿った外の空気に触れたとたん、ふわっと花の香りがして泣きそうになった。

ネロリだ。

庭園の真ん中のオリーブの樹のうしろにひっそり咲いていた。レモンの花。

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うちの近所に何本かザボン(朱欒、文旦)の大きな樹があって、それは素晴らしい香りなのだが、

それとも少し違う、甘いのだけど瑞々しく透明な、本当に感動する香り。

花びらは実のように細長い。鋭く長く固い棘があるので安易に顔を寄せて嗅ぐことができない。

5月7日(木)

6:30 採血

14時 造影剤CT

白血球 3.04 CRP 3.37 Γ‐GTP 371 アルブミン2.5 だいぶ下がった

樹村みのり『冬の蕾 ベアテ・シロタと女性の権利』を読んでいた。

すごくあっさり描いてある本。戦争の描写もなし、日本の女性活動家の描写もなし。

田島陽子が解説を書いていたが日本の女性差別は大化の改新以降だと。

5月8日(金)

7時 140-80 アムロジピン

9:30 洗髪 仰向けでIさんがやってくれたがシャンプーでかぶれる

13時 アセトアミノフェン

13:30 透視室

ドレーンに造影剤を注入。

左のドレーンの先端ピッグテール(丸くなっている)そのままにし、洗浄でやっていく。

右のドレーン、浅く、短くする。中の腫瘍が縮んでいるため

 

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2026年4月 4日 (土)

入院中 / 次の本の制作(希望)

3月31日(火)雨

禁食

10時 痛み止めの点滴

担当医のO先生から

「二週間はかかる。手術にならないとは言い切れない状態。

しかし炎症と抗生物質で内臓、腸などすべて脆くなっている状態で全身麻酔手術は身体に負担がありすぎて危険」と言われてショック。

腰痛もひどいので少し無理して歩いてみる。

脚の筋肉も萎えて、完全にしゃがんでしまうと脚だけで立ち上がれない状態。

デイルームの窓から斜めに雨に濡れた桜並木を見る。

風が枝に伝播していく様子を見ている。

写真の修正説明した(私の悲願)ゲラを印刷所に持って行ってもらえたそうででありがたい。

4時 痛み止めの点滴

9:40ジブロフェナク

11:50 痛みどめの点滴

熱が上がってきて、弾性ストッキングの圧迫感が気持ち悪くて眠れないので就寝時ははずさせてもらう。

3:40ジブロフェナク

3月30日(月)

禁食

がんセンターのH先生に電話して明日のMRIに伺えないことを伝える。

四月中に予約を取ろうとしたが、退院してからでよいと。

つまりいつまで入院するかわからないということ。

造影剤MRI。

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沢渡朔事務所に昔のポジのプリントと、現在の初校ゲラを持って行ってくれたとのこと。

昔の写真プリントを高画質でスキャンして入れ替えるのは無理なので、

他の部分ををマスキングして植物が細かく写っている部分だけをコントラストを上げる、

そのレタッチができる機械が沢渡事務所にはないので、印刷会社さんにお願いするということ。

あくまで全体から浮かないように少しやる・・・うまくいったら嬉しい。

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自転車集積所に電話。3月末までに引き取りに行けないので延長してほしいお願い。

(昨年秋に盗まれた同じ自転車が1月にまた盗まれたのだが、取りに行ける時間と体力がなかった)

午後、2時過ぎPC持って来てもらう。

PCセキュリティソフトの更新時期で、簡単なことなのだろうけど、おなか痛くて頭ふらふらなのでどのボタンを選んだらいいかわからなくて時間がかかった。

この日も夜激痛。

8時 痛み止め点滴。

12時 ジブロフェナク。

深夜3時 痛み止め点滴。

 

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